天然素材プラスチック (高分子先端材料One Point 5)

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制作 : 高分子学会 
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320043671

作品紹介・あらすじ

これまでに生分解性ポリマーとして開発されてきた高分子材料は、歴史的に3つの性格を有することとなった。最初は生体内で吸収される医用材料の開発に始まり、その後、廃棄プラスチックによる環境汚染を低減することを目的とした生分解性プラスチックの開発へと移行し、今では、カーボンニュートラルを目指した石油資源に依存しない新しい「バイオベースポリマー」としての開発に替わろうとしている。バイオベースポリマーは、「今世紀の中核技術となるバイオテクノロジーを用いて再生可能資源であるバイオマスを原料として合成される高分子材料」と定義しているが、この素材は、カーボンニュートラルを目指した環境対応策だけでなく、原油価格の高騰に伴う原材料費の節減策ともなるとして、今特に注目されているのである。バイオベースポリマーの場合、必ずしも生分解性を備えている必要はないが、天然の素材からバイオ変換されて生まれてくる素材にはその性質が必然的に備わってくる。本書では、これまでに開発されてきた生分解性ポリマーの構造・物性の制御について考えるとともに、新しく開発されているバイオベースポリマーついて例をあげながらその材料設計のコンセプトを述べている。
その内容は、(1)未利用のバイオマス資源の活用の可能性、(2) バイオマスリファイナリーによる新基礎化学原料の開拓、(3)新しいバイオベースプラスチックの開発、複合材料への応用等に関連しており、具体的な天然由来素材として、ポリ乳酸、ポリコハク酸ブチレン、ポリヒドロキシ酪酸だけでなく、天然ペプチド、多糖などについても概略をカバーしている。さらに、チュウリパリンなど今世紀の新プラスチック原料の創生についても具体的に紹介している。
生分解性ポリマーの構造・物性の制御を考えるとともに、新しく開発されているバイオベースポリマーの材料設計のコンセプトを詳述。

感想・レビュー・書評

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  • 石油とか天然ガスとか、無くなる無くなるといいつつなかなか無くならないけど、将来的には石油由来のプラスチック材料が、植物を中心としたバイオベースの材料への置き換えが必要だし、置き換えを進めなければならない、ということでしょう。本書で生分解性プラスチックとか、バイオベースとか、その辺の専門用語がいろいろと重なっている歴史的な意味が分かったし、もう初歩的なことはかなり研究が進んで、材料的にはポリ乳酸に収束しているようです。これ以上のこの分野の進展には何かブレークスルーが必要なのかもしれない。

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