地球大気の科学 (現代地球科学入門シリーズ 3)

著者 :
制作 : 大谷 栄治  長谷川 昭  花輪 公雄 
  • 共立出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320047112

作品紹介・あらすじ

本書は,大学の学部の2~4年生から大学院修士課程の大学院生を念頭に,地球大気の科学の教科書となるように執筆した。予備知識としては,学部の初年度で微分方程式や線形代数,流体力学,熱力学に関する基礎知識を,ある程度修得しているものとして書かれている。本書は,地球大気の歴史に始まり,地球大気の鉛直構造,南北構造,太陽放射と熱のバランス,雲と降水について概観し,大気力学・熱力学について詳しく解説した。力学・熱力学の章では,連続流体の仮定に始まり,大気力学の基礎方程式系,プリミティブ方程式系,準地衡風方程式を扱った。特に,バランス方程式の導入により,質量保存則,運動量保存則,エネルギー保存則を統一的にまとめた。これらの保存則の背景にある連続流体のハミルトニアンシステムについて詳しく解説した。さらに,大気中の波動,渦位保存則,数値予報の原理,カオスシステムに触れた。地球大気の科学について本格的に学びたい読者にとって,本書が役立つことを願っている。

感想・レビュー・書評

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  • 気象のお勉強を進めるにあたって、観測結果の解釈の本は多いものの、解析的な説明が詳しいものがなかったので、探していたら本書があった。2017年初版で内容も新しい。
    ハミルトニアンに二十数年ぶりに出くわして数式を追いかけるのは半ばで断念してしまったが、学生時分にやった微積や線形代数はこうして使うのだと今になって得心した。
    数値予報のモデルについても具体的に記されている。最近では並列計算を活用して精度を上げるために、静力学平衡を仮定したスペクトルモデルに代わって、正十二面体格子を分割する非静力学モデルが開発されたという。著者曰く「圧巻」ということなので、現業で使われるのが楽しみである。カオス理論による長期予想の不可能性についてもわかりやすい。
    個別の事象の解説では、ブロッキング高気圧は偏西風とロスビー波のつり合って停滞し、波が大きくなるとロスビー波が勝って西進するというのが目鱗だった。
    これまでの本とは同じ現象の説明でも微妙に観点が違うので理解が深まったような気がする。

  • 【資料ID: 1117021211】 451.3-Ta 84
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23778950

  • 東2法経図・開架 451.3A/Ta84c//K

  • 請求記号 451.3/Ta 84

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著者プロフィール

編著者:(たなか ひろし) 立命館大学大学院教職研究科准教授。

「2022年 『世界とつながる科学教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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