- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326102785
作品紹介・あらすじ
誰かが何かを意味するとはどういうことなのか? グライス以来の「話し手の意味とは何か」という哲学的問いに新たな解答を提示する。
従来の議論では「話し手の意味」が話し手の意図を通して理解されてきたのに対し、本書ではそれを話し手と聞き手の共同体において生じる公共的な現象として捉える。話し手の心理と深く結びつきつつ、自らの意味したことをおおやけに引き受けなければならないという意味で公共的でもあるという両側面を説明しうる新しい理論を構築する。
感想・レビュー・書評
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OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002259603【推薦コメント:丁寧な議論・分析のお手本】
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【書誌情報】
『話し手の意味の心理性と公共性――コミュニケーションの哲学へ』
著者:三木 那由他
装丁:宮川 和夫
写真:istock (seamartini)
定価:4,800円+税
出版年月日:2019/12/13
ISBN:9784326102785
版型:A5
頁数:304
従来の議論では「話し手の意味」が話し手の意図を通して理解されてきたのに対し、本書ではそれを話し手と聞き手の共同体において生じる公共的な現象として捉える。話し手の心理と深く結びつきつつ、自らの意味したことをおおやけに引き受けなければならないという意味で公共的でもあるという両側面を説明しうる新しい理論を構築する。
〈http://www.keisoshobo.co.jp/smp/book/b488235.html〉
【目次】
はしがき [i-v]
目次 [vii-xii]
序章 話し手の意味の心理性と公共性 001
1 私たちはコミュニケーションをする 001
2 話し手の意味の心理性 010
3 話し手の意味の公共性 014
4 心理的であり公共的である話し手の意味020
Ⅰ 意図基盤意味論
第一章 意図基盤意味論という枠組み――グライスの「意味」論文から 025
はじめに――出発点としての「意味」論文 025
1 グライスの哲学的方法論 027
2 「意味」論文における分析 031
3 意図基盤意味論とは何なのか 046
4 意図基盤意味論の利点 053
本章のまとめ 123
第二章 意図基盤意味論と意図の無限後退 063
はじめに――躓きの石としての意図の無限後退問題 063
1 意図の無限後退 064
2 「意味」論文以後の意図基盤意味論 078
補論 心的態度そのものとその記述とを峻別する柏端の見解 116
本章のまとめ 123
Ⅱ 意味と意図を切り離す
第三章 意図の無限後退はなぜ起きるのか? 127
はじめに――立ち往生する意図基盤意味論 127
1 話し手の意味の分析における前提 130
2 無限後退の原因 135
本章のまとめ 143
第四章 意味と意図の関係 149
はじめに――意図基盤意味論は直観的にもっともらしいのか? 149
1 意図基盤意味論と話し手の意味に関する直観 150
2 意味と意図の乖離 155
本章のまとめ 176
Ⅲ 公共性を基礎に据える
第五章 共同性基盤意味論 183
はじめに――話し手の意味への新たなアプローチに向けて 183
1 テイラーによる意図基盤意味論批判 185
2 集合的信念としての「我らのこと」 195
3 共同性基盤意味論 204
4 共同性基盤意味論と語用論 220
本章のまとめ 225
第六章 話し手の意味の心理性を説明する 227
はじめに――共同性基盤意味論と話し手の意味の心理性 227
1 意図基盤意味論からの説明 228
2 話し手の意味の心理性とはいかなる現象なのか? 231
3 共同性基盤意味論からの説明 236
本章のまとめ 241
結論 共同性に根差したコミュニケーション 247
注 [251-261]
あとがき(二〇一九年九月 驚くほど涼しくなる気配のない京都にて 三木那由他) [263-269]
要約 [xiii-xvi]
文献一覧 [vii-xii]
事項索引 [iii-v]
人名索引 [i-ii]