原因と理由の迷宮 (双書エニグマ)

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326199143

作品紹介・あらすじ

原因や理由といった根拠はどうしても不確実でしなありえない。なぜだろう。現代哲学の題材に即しつつ「確率」と「曖昧性」の世界に分け入る。

感想・レビュー・書評

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  • 『原因と理由の迷宮――「なぜならば」の哲学』 [双書エニグマ]

     前半一・二章で、不確実性の内実をなす「確率」と「曖昧性」を主題にする。後半では前半の議論を原因と理由の二つのタイプ(過去言及と未来包含)に応用する。つまり第三章では過去言及タイプである「歴史認識」を取りあげ、第四章では未来包含タイプの「仮説の確証」の場面に即して検討する。全三部作の第二弾。
    http://www.keisoshobo.co.jp/book/b27018.html



    【目次】
    まえがき [i-v]
    目次 [vii-xi]

    序章 不確実性の認識論 call and response 001
    1 原因なのか理由なのか 001
    2 「なぜならば」文の響き 005
    3 「呼びかけと応答〔コール・アンド・リスポンス〕」 009
    4 不確実な「応答〔リスポンス〕」 014

    第一章 確率の原因 a tempo primo 021
    1 意識の迷い 021
    2 過去的出来事の確率 027
    3 確率概念の多様 034
    4 確率1のミステリー 039
    5 確率の崩壊 044
    6 ポパーの遺産 056
    7 ハンフリーズのパラドックス 064
    8 過去についての決定論 070
    9 確率1の遡行的割り振り 078
    10 「ニューカム問題」と決定論 088

    第二章 曖昧な理由 vibrante 101
    1 境界線のゆらぎ 101
    2 曖昧性の区分 105
    3 エピステミックな包摂 110
    4 ソライティーズの提示 114
    5 パラドックスの実在性 118
    6 論理の保全と逸脱 123
    7 論理・認識・倫理への波及 133
    8 文脈主義の洞察 141
    9 エジントンの程度理論 146
    10 ソライティーズの因果説 153
    11 ソライティーズの記述的解明 159
    12 非推移性の共有 166
    13 曖昧性のベイズ的探求 170

    第三章 歴史の認識 ad libitum 177
    1 不在性の支配 177
    2 過去の実在性 183
    3 歴史的因果関係の確率的理解 189
    4 ベイズ的条件づけと文脈の選択 194
    5 物語行為による過去制作 198
    6 行為論の歴史化 204

    第四章 仮説の確証 deciso 211
    1 確率的戦略 211
    2 ベイズ的確証理論 214
    3 証拠的連関 218
    4 古証拠問題 222
    5 確証の意思決定負荷的アスペクト 228
    6 確証の意思決定指向的アスペクト 234
    7 責任の論理 241

    註 [249-272]
    あとがき(二〇〇六年二月 土浦市の自宅にて 一ノ瀬正樹)  [273-280]
    文献表 [xiii-xxvi]
    事項索引 [v-xii]
    人名索引 [i-iv]

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著者プロフィール

1957年生まれ。東京大学大学院哲学専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。和辻哲郎文化賞、中村元賞受賞。著書に、『人格知識論の生成』(東京大学出版会、1997)、『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001)、『死の所有』(東京大学出版会、2011)、『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011)など。

「2020年 『人間知性研究〈普及版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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