ソ連とは何だったか

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326351015

作品紹介・あらすじ

「虚偽で塗りこめられた圧政の体制」は、なぜ70余年も続いたか。生身の人間が作った、矛盾に満ちた国の当り前の現実。社会主義は否定的に、ソ連は肯定的に。

感想・レビュー・書評

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  • どちらかといえば、「なぜソ連は崩壊したか」というタイトルの方が適しているかもしれない。もう少し、ソ連の中身について知りたかったからだが、でもまあ専門家にしてみれば常識なのだろうし、なにより問題の確信は、当初はあまりに皆が信じていたソ連の継続というものが実現してしまっただけに、急に身を翻して「当然だった」と単純理解しないための分析なのだから。
     それにしても筆者の、ソ連崩壊にあたっての4段階思想というのはなるほどーというもので、これはソ連だけでなくポピュリズム政権の失敗を考えるにあたっても必要な視点かもしれない。一番面白かったのはエリツィン政権93年の分析で、「そういえば私は、社会主義とは、その失敗とは、を学んでいるはずなのに、それを革新しようとしていたはずのエリツィンと、社会主義をこれからやろうとしている誰かさんが似ている・・・?」と考えさせられた。主義思想、イデオロギーにかかわらず、権力を手にした人は似ているということか。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2020年 『歴史の中のロシア革命とソ連』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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