集合的選択と社会的厚生

  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326501861

作品紹介・あらすじ

厚生経済学や公共経済学にとどまらない、民主政論や正義論にも及ぶ、深く豊かな問題提起。ひとりひとりの好みや意見をもとに、「どうしたらよいか」を社会的に決めるメカニズムを分析する。

感想・レビュー・書評

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  • この本の解説サイトがあるほど難解。だが、この本にはセンの思考の全てが詰まっており、経済の新たな見方を教えてくれる。この視点を知る前と後とでは、あらゆるもののミクロな動きやマクロな捉え方が変わるだろう。

  • 【書誌情報】
    原題:Collective choice and social welfare
    著者:Amartya Sen
    監訳:志田基与師
    出版社:勁草書房
    ジャンル:哲学・思想・倫理
    出版年月:2000年8月
    ISBN:978-4-326-50186-1
    判型:A5
    ページ数:328
    定価:3,300円(税込)
    在庫:品切れ・重版未定
    NDC:331.74 経済学.経済思想

     本書は〔……〕アマルティア・センの初期1970年の著作の全訳である。大学院生向け「数理経済学テキスト」シリーズの一冊として出版されたもので、近年、経済学はじめ政治学や社会学などでも関心を集めている社会的選択理論のほぼすべての話題、たとえば社会的厚生関数、多数決、リベラル・パラドクスなどをカバーしている。数多くの彼の作品の理論的基礎をなす重要な著作であるといえよう。厳密な数学的証明を行う章にあらかじめ星印が付されるなど、読者の便宜がはかられている。
    https://www.keisoshobo.co.jp/book/b25803.html

    【目次】
    序言
    凡例

    第1章 はじめに
     1.1. 予備的注意
     1.2. 集合的選択の構成要素
     1.3. 個人的選好の性質

    第1章 選好関係
     1.1. 二項関係
     1.2. 極大要素と選択集合
     1.3. 準順序にかんするいくつかの帰結
     1.4. 部分関係と両立性
     1.5. 選択関数と準推移性
     1.6. 選好と合理的選択

    第2章 全員一致性
     2.1. パレート規準
     2.2. パレート内包的な選択ルール
     2.3. 集合行為の基礎としての合意

    第2.章 集合的選択ルールとパレート比較
     2.1. 選択とパレート関係
     2.2. 補償原理

    第3章 集合的合理性
     3.1. バーグソン=サミュエルソン厚生関数
     3.2. アロー型社会的厚生関数
     3.3. 一般可能性定理
     3.4. アローの結論の意義についてのコメント

    第3章 社会的厚生関数
     3.1. 不可能性定理

    第4章 選択対順序
     4.1. 推移性、準推移性、および非循環性
     4.2. 集合的選択とアローの条件
     4.3. 合理性と集合的選択 

    第4.章 社会的決定関数
     4.1. 可能性定理

    第5章 価値と選択
     5.1. 厚生経済学と価値判断
     5.2. 厚生経済学の内包:あるジレンマ
     5.3. 基本的および非基本的な判断
     5.4. 事実と価値
     5.5. 個人的順序および選択ルール
     5.6. 選択ルールに課される条件

    第5.章 匿名性、中立性、反応性
     5.1. 多数決ルールのための条件
     5.2. パレート拡張ルール

    第6章 コンフリクトとジレンマ
     6.1. 匿名性と中立性への批判
     6.2. 自由主義の価値観と不可能性の帰結
     6.3. 非循環性への批判
     6.4. 自由主義の価値観への批判
     6.5. パレート原理への批判
     6.6. 定義域の非限定性への批判 

    第6*章 リベラル・パラドックス
     6.1. 自由主義対パレート原理
     6.2. 拡張

    第7章 個人間での集計と比較可能性
     7.1. 無関係選択肢からの独立性
     7.2. 比較可能性、基数性、識別可能性
     7.3. フォンノイマン=モルゲンシュテルンの基数化をめぐって
     7.4. 部分的比較可能性
     7.5. 序数型厚生の加算

    第7章 集計値間の準順序
     7.1. 比較可能性と集計
     7.2. 部分的比較可能性
     7.3. 正則性と対称性
     7.4. 非基数的厚生の加算

    第8章 比較可能性がある基数性とない基数性
     8.1. 交渉力と集合的選択
     8.2. 基数性と不可能性 

    第8.章 交渉と社会的厚生汎関数
     8.1. ナッシュの交渉問題
     8.2. 社会的厚生汎関数

    第9章 衡平と正義
     9.1. 普遍化と衡平
     9.2. 公正とマクシミン的正義
     9.3. 非個人性と期待効用最大化
     9.4. 正義の序列づけ原理
     9.5. 序列づけ原理・マクシミン・功利主義

    第9章 非個人性と集合的準順序
     9.1. 正義の序列づけ原理
     9.2. スッピスとパレート
     9.3. 同一性公理と序列づけ原理
     9.4. 正義のマクシミン関係
     9.5. 正義と集計

    第10章 多数決選択とそれに関連する決定方法
     10.1. 多数決決定法
     10.2. 循環的多数の確率
     10.3. 制限された選好
     10.4. 集合的選択ルールにかんする条件と限定された選好

    第10.章 限定された選好と合理的選択
     10.1. 限定された定義域
     10.2. 価値制限と限定的同意
     10.3. 極値制限
     10.4. 合理的選択のための必要十分条件
     10.5. 反対称的選好の特別な場合

    第11章 理論と実践
     11.1. 集合的選択の諸方法
     11.2. 制度と枠組み
     11.3. 個人的選好の表明
     11.4. 効率性とパレート最適性
     11.5. 結論的考察

    訳者解説
      1. 戦略的操作可能性と因人のジレンマ[富山慶典]
      2. 数学的準備[志田基与師]
    文献
    訳者あとがき
    人名索引
    事項索引

  • 0円購入2005-07-26

  • ★未読。積んである本の中では優先度が高いと思うのだが・・・
    未読なのでランクは★一つにしておきます。

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著者プロフィール

1933年、インドのベンガル州シャンティニケタンに生まれる。カルカッタのプレジデンシー・カレッジからケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに進み、1959年に経済学博士号を取得。デリー・スクール・オブ・エコノミクス、オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、ハーバード大学などで教鞭をとり、1998年から2004年にかけて、トリニティ・カレッジの学寮長を務める。1998年には、厚生経済学と社会的選択の理論への多大な貢献によってノーベル経済学賞を受賞。2004年以降、ハーバード大学教授。主な邦訳書に、『福祉の経済学』(岩波書店、1988年)、『貧困と飢饉』(岩波書店、2000年)、『不平等の経済学』(東洋経済新報社、2000年)、『議論好きなインド人』(明石書店、2008年)、『正義のアイデア』(明石書店、2011年)、『アイデンティティと暴力』(勁草書房、2011年)などがある。

「2015年 『開発なき成長の限界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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