- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784329000408
感想・レビュー・書評
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たまたまサルトルの後に読んだわけだけれど、その思想の類似性にビックリした。解説で吉本隆明もサルトルを引き合いに出しているので妥当な感想なのだろう。埴谷さんは意識や虚無などカタチにできないものを具象化するのがとても巧みだ。特に「意識」「虚空」「深淵」の三篇は埴谷さんの脳内の妄想が垂直軸に螺旋を描き、上下の概念を壊しながら、果てなく伸びゆく軌道を眼前に浮かび上がらせる。存在が化け物のように立ち塞がる。難解さが表立つ作品であるに違いないけれど、感覚として摑みとるだけでも十分に脅威たり得る作品群だ。とにかく埴谷さんかっこええ。
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(2001.03.22読了)(1999.07.17購入)
内容紹介 amazon
日本の近代文学史上未踏の作品群。意識の純粋実験 ― 表題作他短篇五編を収録。
☆関連図書(既読)
「ドストエフスキイ」埴谷雄高著、NHKブックス、1965.11.20
「欧州紀行」埴谷雄高著、中公新書、1972.12.20
「闇の中の黒い馬」埴谷雄高著、河出書房新社、1975.11.15
「散歩者の夢想」埴谷雄高著、角川春樹事務所、1997.12.28 -
初めて埴谷雄高に挑戦してみました。かなり手強かったです。非常に難解。でも途中で投げ出す気にはならない。数年後にもう一度読んでみたい。レビューになってない・・・。現時点では評価不能だ。
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古本屋にて購入。
埴谷雄高の「死霊」以外の小説が収められているとか何とか。
えらく読み難かった・・・。
今から振り返ると日本史上最強の難解小説である「死霊」(異論はあるだろうけど)をよく投げずに読み切ったな、と。
この本も訳の分からないことが書かれていた。
下地があって「死霊」が生み出されたのだな、と。
主題としては同じというか。
要するに意識とか存在とかそのようなこと。
あと政治的なこと。
嫌いじゃないけどあんまりそういうのばかりだと疲れるよね(笑)。
己を掘り下げるっていうのかな、そういうの。
正直この人の小説は感覚的に理解する程度で良いような気がする。
何となくでも理解できないならば雰囲気を味わうということで。
自分のような市井の本読みでは評価が難しい。
そういうのは学者さんに任せたい。 -
埴谷雄高はやっぱり良い、このビジョンがすごい。