薬剤師は薬を飲まない (廣済堂新書)

  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331517857

作品紹介・あらすじ

あなたの病気が治らないのは薬に頼っているからだ!薬を飲んで症状を抑え込むのは、病んだ体をさらに酷使すること。さらに薬は体の自然治癒力を奪い免疫力をも下げてしまう-。患者だけでなく、医者までもが薬に頼りすぎている日本の現状に、「薬を使わない薬剤師」である著者が警鐘を鳴らす。薬と正しくつきあい、薬なしの健康な体を育むための必読の書!

感想・レビュー・書評

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  • 20140523本屋
    20140531了
    薬は対症にすぎない。食事、運動(つまり「規則正しい生活」?)により自己免疫力を高めることが何より大事。

  • 薬学生です。

    生活習慣病は運動療法、食事療法のあとから薬物治療を開始するのが普通だけどそれが徹底出来てないこととか、メタボ健診の数値のざっくばらんさとか、商品に自信をもてないとか、すごく親近感がわく。

    「現在の医療は薬に頼りすぎている。過ぎたるは及ばざるが如し、薬にたよる前に私たちで努力しましょう」というセルフメディケーションの概念は今風でいいし、終盤のエクササイズもそれを勧めたくて出版したのだとそれも好感触。


    ただ、中盤がちょっと断定系が多いしデータも示さずの書き方なんですごく怪しい。

    抗生剤については適正な使用だし、
    天然がいいという言い切りもどうかと思う。
    抗生剤使わず病原菌やその毒素なりがついたものでも天然ならいいのか?とか
    天然の砂糖でも摂りすぎたらだめでしょとか考えつつ読んでた。

    便秘には過マグよりセンノシドより乳酸菌処方のがいいんじゃと私は思う。
    で、この本は上記がどれも天然成分なのに薬として飲まなくていいとか書いてるから天然だからこそ!ってわけでもないのかもしれない。
    なのでなおさら中盤の天然が~合成が~添加物は~は余計うさんくさい文字稼ぎにみえる。

    筋肉の赤さはミトコンドリアの中にシトクロムがあって、ヘムや鉄がある、それで色がある。
    とか細かいことを忘れていたのがこの本で思い出せた。
    細かい生物的なところも結構つっこんで書いていてさっと読むと勉強になるのはいいと思う。
    でも抗がん剤の免疫がなくなるから吐き気が~とかは「いや、抗がん剤が毒物だと反応してセロトニンが活動して吐き気が起こるからこれは免疫応答だろう。免疫細胞が減るのは正しいけど」と突っ込みたい。
    あとは「西洋薬は石油由来」もつっこみたい。
    アスピリンだって柳あたりの樹からとれたサリチル酸から合成されてるでしょ!
    江戸時代はその樹を噛んで虫歯の痛みをおさえてたとか言うでしょ!!って突っ込みたい。

    そんな感じで結構しっかり覚えないといけないとこが大雑把というかエセ科学。
    読み返したら知識が侵害されそうで国試のためにも読み返せない。

    と感じて途中から斜め読みで終わらせた。


    読みづらくて主観が多い中盤がなければちゃんと読めたかも。

  • 熱が出たら苦しいし、咳が出たら止めるものだと思っていました、それは子供の頃からの習慣で、薬に頼るのは常識的な行動だと思います。テニスを7年前に始めてから風邪をひかなくなったような気がしていますが。

    この本が衝撃的なのは、薬剤師をしていて薬を薦めていた立場であったこの本の著者が、薬の体に対する悪影響(体温が下がる・免疫力が下がる・酵素を奪う)を看過できずに、ついには白衣を脱いで他の面(健康的な歩き方、体操)から健康を保つコツを薦めていることです。

    思い起こせば生前の祖母は、糖尿病で物凄い種類の薬を飲んでいました。几帳面だった祖母は毎食後欠かさず薬を飲んでいましたが、最後は物忘れが激しくなってしまったのを覚えています。子供心に薬って本当に病気に効くのだろうか、と思ったものです。

    私も毎年花粉症の季節には、アレルギーの薬を飲むことで鼻づまりがかなり緩和されて頼っていますが、冷静に考えれば、薬の力で本来の体が起こしている反応をとめているわけで、本当にそれで良いのかと思ってしまいます。

    私が衝撃を受けたのは、熱が出だときに今まで対処していた解熱剤を飲むことでした。つまり、風邪をひいて熱が出るのは、風邪のウィルスが出させるのではなく、免疫力を最大にして熱に弱いウィルスと闘うために、私達の身体が自ら熱を出している、つまり自然治癒の一環である。リンパ球が「よし、闘うぞ」と戦闘態勢になったときに解熱剤を投入することは自然治癒力が活動しにくい状態を作ることになる(P70,76)でした。

    この本の著者の宇多川女史は、薬を飲まないで、自然治癒力を重視する考え方を強調しています。私も薬に頼らず、自分の体の反応はなぜ起きているのかを考えて、その根本原因を取り除くように行動していきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・薬は、感染症や緊急を要する急性の症状に対し、そのすばらしい威力を発揮するが、身体にとって異物である薬を慢性的に、命が有る限り飲み続けたらどうなるだろうか(P5)

    ・副作用の無い薬はあり得ない、主作用の効きが鋭いほど、確実にどこかで副作用が起きている。私たちが自然に生まれてきたのに対して、薬は不自然に作られた合成品だから(P23)

    ・ロキソニンという鎮痛剤が市販されたが、この薬は数年前まで処方薬であり調剤室では劇薬の棚に置かれていた。市販されるにいたって劇薬から普通薬に移された(P35)

    ・病気は原因により3つに分類できる、1)遺伝子異常や脳障害が原因、2)ウィルスや最近が原因の伝染病・感染症、3)生活習慣の乱れや加齢が原因となる生活習慣病(P40)

    ・慢性化している症状は薬を飲んでいる間しか、その症状を抑制・緩和することができない(P41)

    ・薬を飲むと、同時に体内にある「酵素」が奪われる、体内に酵素があるから生物として活動できる。酵素は、食物の消化吸収に使われる「消化酵素」と、身体を正常に動かすために使われる「代謝酵素」にわかれ、この2つの酵素はお互いに影響している(P43、44)

    ・異物である薬を解毒するために多くの酵素を必要とする。その結果、大切な酵素を大量消費する(P45)

    ・薬の主作用が副作用を上回る場合には、むしろ積極的に薬をつかうべき。ただし生活習慣病については別、薬により体温を下げ、免疫力を低下させてしまっては健康は損なわれるだろう(P47)

    ・2009.8に新型インフルエンザが流行した際に死亡した人は、10人のうち9人がタミフル投与者であった(P51)

    ・生活習慣病対策のスローガンとして、1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリである。薬で病気は治せない、薬で健康は作れない(P58)

    ・風邪をひいたときに病院で処方してくれた薬が効いたというのは、薬を飲んでいる間に、その人の免疫力が風邪と闘い治っただけ(P68)

    ・自然治癒力には、1)身体のバランスを正常に保とうとする恒常性維持機能、2)傷を負ったときに元に戻そうとする自己再生機能、3)外部から入ってくるウィルス・細菌と闘う自己防衛機能(免疫力)がある(P69)

    ・抗がん剤の副作用として、髪が抜けるのも、吐き気がするのも、身体がだるくなるのも、免疫が抑制されているから。抗がん剤治療中の患者さんが肺炎や多臓器不全で亡くなるのは免疫を抑えてしまった結果(P107)
    ・西洋薬は、石油由来の合成品であるのに対して、漢方薬は天然成分からなる生薬(P109)

    ・サプリメントには生命力が感じられない、原料は素晴らしい環境で栽培されていても、それが加工されてカプセルになった時点で、原料が本来持っていたエネルギーは失われる(P112)

    ・交通事故で怪我をして血を出している人には、止血剤や抗生剤を使って命を救うべき。生活習慣病も、血圧が200も有る人は血圧を下げるべき。食事の改善、運動はその後のことである(P114)

    ・低体温は万病のもと、体温が1度下がると、免疫力は37%低下、基礎代謝12%低下、体内酵素の働きが50%低下する(P118)

    2014年8月10日作成

  • #瞬読アウトプット #瞬読ブクログ部
    薬剤師の著者が薬に疑問を抱き薬剤師をやめて薬を使わない健康な生活を求める生き方を始められた
    -----
    ・薬が病気を治癒させるのではない
    ・薬は対症療法として使えるもの(症状の緩和が目的、火事場の消防車と同じ)
    ・薬は飲めば必ず体のどこかに副作用を起こしている(本人が気づいていなくとも)
    ・薬を飲めば体温が低下する
    ・低体温は万病のもと。体温1℃下がれば免疫力37%、基礎代謝12%、体内酵素の働き50%が低下する
    ・生薬でも副作用はある
    ・薬、サプリメントは合成品。飲まない方がよい
    ・抗がん剤は造ガン剤(全身の免疫力を低下させる。仮に抗がん剤で治癒しても以前と同じ生活には戻れない
    ・薬を使う前に痛みや症状の原因をまず自分に問うべし
    ・プラセボでも効く。これをプラセボ効果(薬理作用によらない暗示的治療効果)という。
    ・「人間は自らの中に100人の名医を持っている」byソクラテス。人には100の自然治癒力がある。インフルエンザでも自力で治せる。高熱が出るのは体がウイルスと戦っている証
    ・腸は脳の指令なしに独自で活動できる臓器である。ない表面積はテニスコート1面に匹敵する。腸内善玉菌が免疫を活性化させている
    ・適度な運動(ウォーキングやエクササイズ)と適切な食事が薬いらずの生活が望める
    -----
    自分のクスリに対する考えが変わりました。積極的には摂らないようにしたいです。

  • 文字通り、薬剤師である著者が薬の副作用について説いた一冊。

    当然、極論の箇所もあるものの、薬剤師だけあって、薬の鋼材についてきっちり述べており、一定の説得力があった。

  • 薬剤師なのに 薬の害に気づいてしまった。
    インフルエンザの時も 子宮がんの予防注射の時も やはりみんなに聞いたり調べたりして慎重になった。
    副作用が出てお母さんのこともわからなくなった子もいるのは 本当に耐えられない。
    風邪くらいでも医者に行き、薬をもらえ という社会の常識みたいになっているのが やはり変わっていかないといけない。

  • 2013年の暮れに出版されている本だが、結構出るので読んでみた。
    おもに生活習慣病のために処方される薬への疑念が強く書かれている。
    よく聴く血圧の薬だが、血圧はさがったものの怠い眠いやる気がおきない、といった患者さんたちの苦情を耳にして、飲み続けなければならない薬というものが果たして本当に身体に良いのか?という疑問を抱いたらしい。
    なによりも、著者本人が、頭痛やらなんやらで薬に頼っていたのを、デューク更家に入門して正しいウォーキングをマスターしたら薬いらずの生活になった、というくだりは面白い。

    だから皆も薬は止めましょう、と理解するのは短絡的だと思う。
    しかし、私の知り合いの薬学生さんが薬学の勉強を始めてからいっさい薬を口にしなくなった、と言う。あきらかに食中毒で熱を出したときも、脱水さえ気をつければ自然治癒力にまかせるのが一番と言い切って、解熱剤すら飲まなかったらしい。
    薬はそれほどコワイものなのか?と衝撃を受けた。

    本著では、体調が悪いときは薬に頼る前に原因を探し、自然治癒力に任せることが強調されている。
    それが生活習慣病ならば運動や食事、睡眠に気を遣い病のモトを断てということだ。

    だが、現代ニッポン、日常の忙しさにかまけてゆっくり養生する時間が惜しい、時にはそんなことをしていたら収入が途絶える、だから薬への依存が強くなってきたのだろう。
    自分が子供のころはタミフルなどなかったが、インフルエンザでも1週間も寝ていれば治った。
    もともとの栄養状態が悪いわけでなし、それで死んだ、という話はどれくらいあったのだろうか?

    だが、今は母親達も外で稼がなければならない。
    ゆっくり子供の看病などしていられない。
    それどころか、子供にかまけて「仕事」を休まなくてもよいように、病児を預かる施設があるべきだ、という流れすらある。

    こんな時代に薬は売れる。
    きくところによると全世界で消費される薬の 1/5は日本人が使ってるんだとか。
    ビジネスとしても万々歳だろうな。

    • だいさん
      現代日本社会の核心をついていますね。
      金銭面だけで考えれば薬を使って治療が一番安価だ
      現代日本社会の核心をついていますね。
      金銭面だけで考えれば薬を使って治療が一番安価だ
      2015/07/18
    • adagietteさん
      安価 ----- なるほど、そうですね..... 
      ほとんどの人が、年をとれば医療と無縁ではいられなくなる。どうなっちゃうんだろう..
      安価 ----- なるほど、そうですね..... 
      ほとんどの人が、年をとれば医療と無縁ではいられなくなる。どうなっちゃうんだろう..
      2015/07/26
  • 今まで気軽に飲んでいた頭痛薬や風邪薬ですが、飲む前に体に必要なものなのかをきちんと考えようと思いました。

  • 薬は体にいいものではないというのが、よくわかりました。できれば飲まない方がいいですし、そうするためには食事や運動が大事ということも書かれていました。ご自身の経験から語れていることなので、説得力があります。

  • 4年前に読んだ本、改めて読み返してみました。
    いや、忘れてる事がいっぱいありました。時々読み返さないといけませんね!

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著者プロフィール

明治薬科大卒。一般社団法人国際感食協会理事、薬剤師・栄養学博士(米AHCN大学)、NPO法人統合医学健康増進会理事。医療の現場に身を置きながら薬漬けの治療法に疑問を感じ「薬を使わない薬剤師」をめざす。

「2023年 『「第三の脂肪」撃退!糖尿病を不治の病にしない最強の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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