恋する西洋美術史 (光文社新書 384)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034870

感想・レビュー・書評

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  • なんということでしょう!

    木村泰司さんの「名画の言い分」シリーズ
    高階秀爾さんの「歴史の中の女たちー名画に秘められたその生涯」
    中野京子さんの「怖い絵」シリーズ「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」
    江村洋さんの「ハプスブルク家の女たち」

    という流れで、この本に着きました。
    題名も可愛いし♪


    すごくエロチックでした
    官能小説のレビュー、あるいは官能小説そのものを読んでいるような気分になりました。
    不覚にも、変な気持ちになりました…。

    しかし、我に返りまして、この世界に対する
    「キリスト教世界というもの」に大変興味を持ちました。

    それと、神話の中のキャストの相関図があったらいいと思います。

  • 大学教授の著書。授業が面白いから読んだ。
    先生は中学の頃、絵画の女性に恋をしていたらしい、変態だ。
    高等な二次元愛、間違いなく変態。

    でもなんとなくその気持ちもわかる、なんとなく。

  • いやあ、面白かったです。絵画と西洋文化史とを絶妙につなぐ本作。しかもテーマは恋愛。

    読後、絵画の豊潤さに思いを致しました。

    ・・・
    で、陳腐に思ったこと。
    「絵画って、歴史を綴るなあ」と。

    洞窟で暮らす人々の生活を写すところに始まり、キリスト教の宗教画として機能したり。ルネサンス期にはキリスト教以前のギリシア文化を描いたり、より世俗化したタッチでの聖人画や聖書の題材を描くなどしたり。パトロンの肖像画を描いたり。更には絵画(とそのパトロン)がより一般化したことによりブリューゲルらが農村の風俗を残すようになったり。

    ・・・
    そう、何か知らんけど、妙に感心してしまったのです。

    「絵画、深いじゃないか」と。

    単なる美醜で見る。これもまた良いでしょう。でも、それだけに留まらないのです!

    その作品の中に新たな技術を見出したり、あるいは全体の構図から寓意を見出したり、描きこまれるアイテムから聖人を特定したり。つまり、描きこまれたアイテム一つ一つを繙くと、そこには多くの意味が込められているわけです。ぞくぞくしませんか?

    時に人はそれを「うんちく」と言って揶揄します。が、一定数の中高年のおじさんにはこれは蜜の味です。そして実際、端々に潜む意味・意義を教える本作、私には面白く感じました。

    で、本作はそういうことを丁寧に教えてくれる作品であった、ということです!

    ・・・
    ということで池上氏の西洋美術史の本でした。

    絵の話ではありますが、習俗・風俗の話、作家の話、西洋史(文化史、宗教史、政治史)、ギリシア神話、新約聖書・旧約聖書など、色々な話が分かっていて初めて十全に楽しめる世界だと感じました。

    池上氏の解説により、やっとこその一端を垣間見ただけですが、知の蓄積・集積、まさに歴史を感じた一作です。

    中高年の歴史好きには激しくお勧めできる作品かと思います。

  • 西洋美術を恋愛と言う視点で解説する本。
    作者の恋愛話から題材となった神話や出来事等々、著者の感想も交えながら分かりやすく書かれていました。
    当時の風習や文化の解説も作品を見ながらなのでとても分かりやすかったです。

    本文中の作品の写真はモノクロだったのが残念でした。カラーで見られたらもっと良かったです。

  • 西洋美術の買いがを楽しめるだけでなく、題材となっている話や神話についても詳しく書かれていて、とても読みやすいです。よく見るモチーフについても知ることができ美術は難しいなと思う(感じる)人でも挑戦できる本だと思います。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • ルノワールの言葉は作品そのものを表していて感動した。年月を経ても変わらない、夫人に向けられた柔らかくあたたかい視線を感じるようだった。
    「恋する」と名付けられていて軽い気持ちで読み始めたが、ドロドロとした実情も多く語られていた。

  • 新書文庫

  • 美術館で何も考えずにぼーっと観るのもいいけど、絵にまつわる物語を聞くのが好きなので美術館に行くと音声ガイドは絶対つける!

    論文の引用があったりして、濃い内容だけど音声ガイドを聞いているみたいに、とても読みやすい。

    愛や死ということが芸術や人生を動かす。これらは自分の思い通りにならない。娼婦や不倫、不釣り合いの結婚など、ドロドロな話が多かったけど、“おわりに”で取り上げられた「エロイーズとアベラール」の話がロマンティックでよかった。

  • 美術館行きたくなる。

  • 2009.9.10.2刷、並、帯なし
    2013.1.25.伊勢BF

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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