- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034894
感想・レビュー・書評
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第44代アメリカ合衆国大統領、バラク・フセイン・オバマ。
オバマ当選直前にマイノリティのアメリカ人達へのインタビュー編。
メイフラワー号に乗せられ、アフリカから奴隷として連れられてきた黒人達。
ローザパースクの件、バスボイコット事件、ワッツ暴動、公民権運動。
黒人は人ではなく、財産として数えられていた。奴隷解放宣言はされたものの、セグリゲーションは依然変わらず。WASPなアメリカは変わらず。
そんな歴史の中から初の黒人大統領が誕生。
この一冊から見ると、黒人初だからどうと語る人は少ないようでした。
時は下り、トランプ大統領。
そろそろ、来日ですね。KKK是認とか...
さあ、トランプのアメリカはどうなってゆくのでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカという国は非常に多面的な国だ。ビルゲイツやザッカーバーグのような億万長者がいる一方で、ホームレスが十万人ほどいる。その多くは有色人種であり、満足な教育も受けられず今後の展望も暗い。本書ではアメリカの暗部、恥部にクローズアップしている。アメリカ在住経験もなく、英語も使えないために本書の内容の正しさは分からないがアメリカの一面が認識された事で、昨今のサブプライムローンなどの背景が想像出来るようになった。
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少し前の内容だが、丁寧なドキュメントだと感じた。様々なバックグラウンドを持った人間がアメリカ合衆国で生活しているが、それぞれがそれぞれの信念や歴史に従って、国のトップを選ぶ。彼らの共通認識は似ているが、ここまで価値感の違いによって結論が変わってくるのか、と思った。医療問題など、根深い問題は多いが、興味深いドキュメンタリであった。
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オバマは彼らの希望となるか ドキュメント ―
http://www.kobunsha.com/ -
内容はタイトルとは若干違い、2008年の大統領選に対する意見を市井の人々にインタビューしたルポ。底辺ではない人も結構混じっている。あくまでもインタビューで、そこからの著者の掘り下げはあまりない。著者の『下層教育現場』も興味深く、米国の下の層からの視点で書いたものをまた読みたい。
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現地の人々の生の声をそのまま載せていることから、合衆国大統領選の時期の人々の認識が手に取るようによく分かる。また例えば白人、黒人、ヒスパニック、アジア系といったように、様々な立場からの意見を集めているため、非常に勉強になる。
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統計的情報と現地での個人へのインタビューのバランスがとれていて分かりやすく、説得力がある
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日本は腐った社会だが、アメリカも似たようなもので。
オバマ現象はなんだったのだろうか。
日本の小泉劇場はなんだったのだろうか。
少しずつ年収が上がって生きていけるようになって来たが、ちょっと転がる先が違えば私も抜け出せない生活が待っていたのだろうか。
子供のためにも何か社会活動をやらねば。
内容は関係ないが、無性にそう思えた。 -
アメリカの大統領がオバマ氏に決まるまで、筆者(林氏)がアメリカを実際に回って、主としてマイノリティーとされる人たちが、大統領はだれになるべきかというヒアリングをして回った内容について書かれています。
否定的な意見を持つ人も中にはいるようですが、マイノリティの方たちは、総じて、新大統領であるオバマ氏を信頼して希望を持っているようです。アメリカが元気にならないと他の国々は元気になれないので、オバマ氏に頑張ってもらいたいと思います。
お金持ちを支援するエコノミスト等の意見は日本でも聞くことはできますが、この本で読むことのできる内容は貴重なものだと思いました。
以下は気になったポイントです。
・かつてアメリカ大陸において、黒人のほとんどは白人の所有物、1619年にオランダ船で運び込まれた20人の黒人がバージニア州で奴隷として売られたのが初めて、1641年にマサチューセッツで奴隷制度が合法化(p12)
・2005年に9830万人だったマイノリティーの数が1年後に1億70万人、最大のマイノリティは15%(4430万人)のヒスパニック、黒人は13%、アジア人は5%(P14)
・2008年に民主党予備選挙で、フロリダ州では前倒しして投票を行った、ミシガン州も同様、結果として獲得票数は半分がカウントされることになった(P74)
・デトロイトは20世紀上半期(1950年)までに全米第4位の大都会(184万人)となるが、2007年では91万人に減少、1970年の暴動以後、減少が続く(P141)
・ニューオーリンズではハリケーン・カトリーナがくるまでは45万人がいたが、3年後に22万に半減した(P152)
・共和党副大統領候補(ペイリン氏)が発表される前、42%だった共和党支持者は、発表後に11ポイントアップしたが、その後、失速(P190)
・2008年10月に発表されたウォール街証券会社のボーナス平均額は、62万ドル、この額は2007年の42%減少である(P226)
・全米で富裕層とはたったの5%(P235) -
自分の無知さに気付かされた。
アメリカにはほんとに数えきれないほど多くの問題があるんだなと感じた。
オバマは求められて選ばれたと思っていたけど、全然そんなことなかったんだなぁ…。 -
[ 内容 ]
人類のるつぼアメリカは、差別と貧困の国でもある。
いまだ差別されるブラック、ヒスパニック、チャイニーズ、ジャパニーズ、コリアン、そして貧困にあえぐホワイトは、どんな状況に置かれているのか?
また、彼らは黒人初の大統領バラク・オバマをどう見たのか?
アメリカ在住12年半、2人のアメリカ国籍の子どもを持つジャーナリストが、ネヴァダ、ペンシルバニア、カリフォルニア、フロリダ、ミシガン、ルイジアナ、ニュージャージーなどを回り、“弱者”が置かれた現実を拾い上げた。
米大統領選との同時進行ドキュメント。
[ 目次 ]
マイノリティー初のアメリカ合衆国大統領誕生
ヒスパニックの選択
地べたのレッドネック
アメリカ最初の首都で
いわく付きのフロリダ
日系退役軍人たち
コリアン・アメリカン
暴動の街、絶望の街、モーターシティ・デトロイト
ハリケーン、カトリーナから3年―ニューオーリンズ1
マーティン・ルーサー・キングの再来―ニューオーリンズ2
勝利に近付くオバマ
日本で知られたハワイアンの心境
あるユダヤ人の望み
投票直前
CHANGE
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
USAとは競争社会。
差別、保険の問題あり。これを打ち破る精神力も必要。 -
オバマの民主党候補選挙前後から大統領就任までの選挙の日々を、社会的マイノリティーへのインタビューで捉えるルポタージュ。
その対象は黒人・ヒスパニックからpoor white、WWⅡに従軍した日系退役軍人や荒廃するデトロイト市民、ハリケーン・カトリーナの被災者まで多岐に及ぶ。もっとも、本当に底辺層なのかは疑問であるが。
あるものは貧困、あるものは戦争を理由に「CHANGE」を望んでオバマへ投票しようとする。保険問題や失業問題など、大統領選の争点となった政策上の議論について生の声を聞けることはありがたい。
また、いまさらながら黒人をはじめとする有色人種への「ぼんやりとした差別」はアメリカに残っていることに気づかされた。冒頭の章で、「オバマは白人に暗殺される」と言い放つ、黒人男性の言葉は痛々しい。
一方で、学歴のうえで成功者である若い朝鮮系移民の二世は、「そのような時代ではない」と笑いながらその言葉を否定してしまう。ここに、現代アメリカのマイノリティにおける問題が垣間見える。
現代のアメリカ社会は一応差別を克服しようと試みて久しく、特に自助努力の結果豊かな能力と学歴を身につけた者達に対しては特段ハンディを感じずに生活ができるようになった。
しかしながら能力のなきものははじき出される「実力社会」の面も少なからずあるためか、実際は社会的な構造からくる扱いの差であっても、貧困層のマイノリティはまだまだその人種によって差別されている、と感じてしまう場合ある。そして、貧しい彼らが上昇のきっかけをつかむのは大変難しいのもまた事実だ。どれだけマイノリティが優遇されようとも、貧しい人々の前から差別の実感はなくならない。
そんな「どうしようもない悲壮」を背負った弱者達は、オバマに自分達への理解を求めていた面も少なからずあるようだった。
就任から一年たった今、オバマが彼らの期待にどれだけこたえられているかは、残念ながら疑わしい。この本の中で、日系ハワイアンのボクシング・トレーナー、マック・クリハラはオバマを褒め称えたわずか数ヵ月後に、「オバマは詐欺師だ」と意見を翻してしまう。「オバマは扇動者か、洗脳屋だ。金の具体的な使い道をちっとも言いやしない」、と。
彼の考えがこのまま一般意見となってしまわないことを、ただ願うばかりであろう。 -
・選挙前に片っ端から貧乏人にインタビューしてみました、って内容でぼんやりと散漫な印象の本。
・貧困層であることとマイノリティであることが一緒くたになっていて、要はこのインタビューからどんな結論を導き出したいの?と感じた。貧困層がオバマに期待してるのはわかった。けどマイノリティって意味だとはそうでもないみたいじゃないか。
・前半だとヒラリー支持が多かったみたいで、誰を支持するかよりはオバマをどう思うかとしてた方が内容はまとまった気がする。
・途中の日系退役軍人の章は完全にこの本の主題を逸脱してた。上坂冬子的で面白くはあったけども。「大統領ってそれ国のリーダー?確か?」とかって台詞が印象的。
・貧困層の暮らしについては以前読んだニッケル・アンド・ダイムドの方がずっと詳しくて、とくに目新しい発見はなくて残念。
(多摩市立図書館にて借る) -
この本は、今までに聞いてきたことに実感をを与えてくれた。
第一に、富裕層はわずか5%しかいない。自由の国、アメリカン・ドリームが叶う国。それらはいまとなっては幻影にすぎないこと。
第二にアメリカは移民の国、人種のるつぼなど様々な人間がいるこ。
第3に差別は日常に色濃く現れていること。
アメリカ追従してきた日本にも問い掛けられている外国人受け入れの問題や貧困の問題がいかなる問題なのかが、見えた気がした。 -
アメリカ大統領戦についていろいろな人に聞いて歩いたインタビュー集
みんな自分の意見をちゃんと語るんだよね。 -
2008年11月4日、アメリカでは歴史的な1歩を踏み出した記念すべき日。それははじめて黒人がアメリカの顔(第44代大統領)に決まった瞬間でした。今もどこかで人種差別が絶えないアメリカで、大いなる変化を皆が期待した結果とも言えます。そして今、国民は彼に何を期待するのでしょうか。テレビなどで放映されるような裕福な家庭の人々ではなく、アルコール依存症などで悩む人や路上生活者といった、どちらかといえば底辺に近い“弱者”に位置する人々の生の声などを聞きながら、アメリカで生きる人たちの上辺だけではない本当の声を私たちに伝えてくれるレポート集的な1冊です。
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09年9月21日開始
09年9月21日読了
去年のアメリカ大統領選にあわせ、アメリカ国内の底辺層を取材した本。もっと彼らの生活面等に焦点を合わせているかと思いきや、大統領選へのインタビューが中心。日系アメリカ人へのインタビュー等興味深いものはあったが、全体的に薄っぺらい。ちょっと期待はずれ。 -
アメリカの厳しい格差・差別社会を知る事ができた。子どもの頃の環境・教育が国や社会に及ぼす影響は大きい。同日、植松努氏の講演DVDを見た。5日には原田隆史氏の講演も聞いた。
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面白かった!移民社会アメリカの姿、マイノリティ達の生の声を伝えてくれる。
あくまで著者が出会った人達の(それも通りすがりの人が多い)個人的なコメントを拾っているので
これを読んだだけでアメリカを分かった気になってはいけないと思うけれど、
自分が全く知らなかったアメリカの一面が続々と出てきて大変興味深く読みました。