近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038151

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  • 近藤さんによれば、がんには本物のがんと「がんもどき」があり、本物のがんは見つかった段階で他に転移しているから手術してもむだ。がんもどきも切る必要がないから、要するに、自覚症状がないかぎり、検診でがんと言われても切る必要はないというもの。これは近藤さんが約150人もの患者を「放置」して確かめた結論である。がんと戦うと言って手術し、抗がん剤を打ち続けた人たちは、結局のところ苦しんで死んでいく。苦しいのはがんそのものではなく、むだな手術と抗がん剤だと言うのはとても説得力がある。ぼくはもっともな考えだと思うが、近藤さんは世の中では少数派で、外科医をはじめとする医学界から無視されるか敵視されている。考えてみれば、周りでがんと戦うと言って生き続けた人がいるだろうか。みんなはなばなしく散っているではないか。中村仁さんに言わせれば、人間生殖期間をすぎたらあとはおまけみたいなもので、どうせ死ぬなら、楽に死ねるがんがいいと。ぼくは基本的には近藤理論に賛成だが、近藤さんは、がんになったからと言って玄米菜食などする必要はない、自然体でやればいいというのはちょっと賛成できない。安保徹さんのように、交感神経ばかりを発動せず、副交感神経とのバランスをとりながら、からだにいいことをして生き続けるべきではないだろうか。本書は、慶応大学医学部をやめ、セカンドオピニオンの外来を始めた近藤さんの新著。まあ8割はこれまでと同じだが、文章の端々に、これまで以上の確信がかんじられる。分子標的薬や陽子線、重粒子線といった最新の薬、放射線治療の危険性にも言及している

  • がんには本物のがんともどきがあり、もどきは転移しない。がんの手術がうまくいったというのはもどきの場合で、してもしなくても、寿命に違いはないという。
    結局、がんとわかれば、そのまま何もせず、天寿を全うするのがよいと筆者は言う。

  • がんは、放置がいいらしい。

  • 使い回しが多い

  • 著者が奨める「放置療法」には、専門家からも賛否両論の声が上がっている。

    僕の身のまわりに抗ガン剤や手術でガンを治療している人たちがいる。
    その中に抗ガン剤により生気を失っていく人がいるのだが、対照的に経過を調べられない以上、抗ガン剤を用いなければどうなっていたのかを比べることはできない。

    結局は医者が奨める治療を受けるか、自分で治療を選ぶか、放置するか、という選択になる。

    手術や抗ガン剤に懐疑的な人にとっては、心の拠り所になる本なのだと思う。

  • するどい感覚で現在のがん治療の現場を抉っている。
    著書にあるとおり、濃厚な治療がなくなれば医療費の減少になり、医療従事者は失業してしまうというのは穿った考えか。

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著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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