劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043735

感想・レビュー・書評

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  • この本から時代のフェーズは少し変わってきている感じがします。
    バブル期を若い頃に経験していない世代が管理側に出てきていて、いま山口周さんがこの本を書かれたらどういう書き方になるかなと思いながら読んでいました。
    結晶性知能が活躍できる場と出来ない場があるのもなるほど、、説得力がありました。

  • ふむ

  • 納得感が高くスラスラ読めた。なぜ、これまでは年を食ったオッサンが尊重され今後はそうでないのかが良くわかった。リスキリングの必要性がよく言われているが、その理由をロジカルに説明されていてわかりやすい。翻って間もなくサードステージに突入する自分の年齢や状況に引き寄せた時に劣化するオッサンになっていないだろうか、なりかけていたとしても本の中に書かれているように「もう遅すぎる」と言い訳せずに学び直してアートとサイエンスに強くなり、教養を蓄え100年の人生に備えたい。

  • 面白く読んだ。
    一方で気になったのは以下の点。
    1、「今は第三次ガラガラポン革命の前夜」(第二章)
     80年周期から組織が一新されるのは2025年前後という予想。明治維新と太平洋戦争終結による組織の一新からの年数からの推論だが、では明治維新以前の80年前は、あるいは160年前は、と考えていくと……。この種の予想は希望を持たせるためのものなのかもしれないが逆効果ではないか。そもそも尋常ではないレベルの外圧や未曽有の敗戦がなければパラダイムシフトができないということになってしまうのではないか。
    2、「アートにもサイエンスにも弱いオッサンたち」(第一章)
     前著で欧米先進企業と日本企業との対比をくっきりとさせるため「半ば確信犯的に」(p34)日本企業=サイエンスには強いがアートに弱い、欧米企業=サイエンス重視からアート重視へ舵を切っているという図式の強引さをこの本の中で認めている。それと同じように今回の本ではオッサンと対比する形で若者を高く評価し過ぎているのではと思うのだがどんなものだろうか。日本の現実は劣化したオッサンと劣化した若者が増えているというのは悲観的すぎる見方だろうか。
    3、主に第五章と第六章
     「宗教が規定するエトス=行動様式」(p96)を変えることなく、見えるところを欧米風に変えたところでうまくいくのだろうか。筆者は前向きにいろいろと提言しているのだけれど読んでいる自分としては暗澹たる思いにとらわれた。漱石の「現代日本の開化」の影響を強く受けすぎているのだろうか。

  • 2023/5/10
    あゝ、もう随分とオッサンだ。

  • オッサン年代なので恐怖感を持ちながら読了

  • 組織のトップは世代を経るごとに劣化していく、そうして各組織のトップに収まっているオッサンは一流から二流、二流から三流になっていく。
    オッサンは長生きはしているものの、それだけでは尊敬には値しない。
    ダメなオッサンには、オピニオン(意見)とエグジット(離反)を使って圧力をかけよう。
    若者は、組織外でも生きられるモビリティを獲得せよ。

    どっちかというと、若者が読む前提で書かれた本でしたね。無能なのに権力の座にすがっているオッサンにどう対応していくか、ということで、所属した組織へ依存しなくても済むようスキルを身に着け、やめるやめないの選択肢を得るという至極当然な結論だったように思います。
    あんまり世の中がーとかは興味ないのですが、書かれていた経団連の惨状が事実だとして、またこんな三流のトップばかりが営利・非営利問わず、あちこちの組織に散在しているのだとすると、事なかれ主義が横行する日本では、かなり悲惨なことになってるかもなあ。と思います。

    オッサンとしてはどうすればいいの?というのに関して印象に残った言葉の引用。
    >「オッサン」というのは、好奇心を失い、謙虚さも失い、驚きながら学び続けるという姿勢を失ってしまった人たちのことを言うのです。
    一つ山登ったら、また次の山に登るとか、そういうたとえをされますが、自分の可能性を信じて挑戦し続けないとダメなオッサンになってしまうということですね。わかってはいるけど、エネルギーが必要。ほどほどにがんばる。

  • 30半ばの自分にはとても心に刺さった本。

    人生100年時代になった今、まだまだ若造であること、いろいろな挑戦をどんどんしていくことの必要性が十分すぎるほど理解できた。

    転職もしたことないままこの年になったことを悲観していたが、まだ遅くない。

    「学び直し」が当たり前になる世界を生きる。

    人生は変えられる。

  • 山口周の主張。美意識が何故必要かや、アートの重要性は本著でも語られる。同質性の罠から抜け出すためにアートを重視する欧米企業。対して、サイエンスさえままならない日本。完璧な論理、再現性ならば、もはやAIで十分という時代がくる。大事なのは感性だ。

    本著で胸にくる言葉に出会った。ストレス=緊張がない状態は、チャレンジではないと。読み開くと、チクセントミハイのフロー図。フロー状態こそが幸福の条件ではないかと。緊張感が無いと、生きる実感が無い。データによるメタ解析による予定調和の人生では、責任者も明確ならず、責任の概念が無ければ、緊張感がない。従い、AIに仕事を委ねた後には、生きがいが喪失し、アバターを育成するような投射的な暮らしを慰み程度に遂行しながらやり過ごす事になるのだろうか。無味無臭の代理人生において、本体である肉体は医療技術の向上により、そのバッテリーを長らえるが、もはや没個性で長寿化の意味なし。

    学びの量は、失敗の回数に正相関するらしい。失敗なき予定調和、AI代替可能人生などつまらない。オッサンよ、挑戦せよ。年齢に負けるな。

  • アラフィフを見据えて生きているワタシ、40代後半は100年人生に於いて“キャリアの折り返し点にも至っていない可能性あり”と知り、勇気がもらえました(笑)

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著者プロフィール

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻、同大学院文学研究科美学美術史学修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに、独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。

「2023年 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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