- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334043841
感想・レビュー・書評
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読みやすく、バランスのとれた思想の解説書だと思う。
コミュニタリアニズムについて、もっと知りたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の政治や主義主張を考える時に。思想は
重要なよりどころになります。
何となく「思想」と聞くと、イデオロギー的
な感覚を持ってしまい、身構えてしまいますが
この本では一つ一つの思想と言いますか、その
考え方がどういうものなのか丁寧に語られて
いて、非常にわかりやすいです。
自分の考えの柱となる思想は何か?を導いて
くれる一冊です。
例えば政治における政党名について、こう語って
います。
『最近の政党名はポピュリズム的に、イメージが
政党名になっています。
ただ立憲民主党は「立憲主義」と「民主主義」
というイズムを表しています。つまり理念が
明確であるがゆえに多くの指示を得たのだと思う』
どうでしょうか。
考える指標になる気がしませんか。 -
●今の中心的な制度の中には、若かれし頃台頭してきたネオリベラリズムの思想を勉強した人がかなりいる。
●メルケルさんは昔は物理学者。
●貧困や社会的構成の問題に取り組むところの共感はしたのですが。左翼と同様、徳(善い行いをする性格)や善い生き方といった倫理的問題を軽視しているからです。リベラル派が庶民の信用を失っているのはこのためだと思います。
●進歩的と言われる左の主張が、時代の流れに伴い社会全体が近づくと、今度はそれを守る立場が保守と言われる。また時代が逆行すると、反対のことも起こりうる。
●右翼の街宣車がいかがわしく見えるのは、思想の内容ではなく、礼儀正しさが足りないから。
●アメリカはもともと王制ではありませんので自由主義を前提とした様々な政治思想が展開されたために、アメリカのリベラリズムは独特の意味を持つようになった。
●マルクス労働価値説の誤り
●資本主義の定義。「生産手段を持つ資本家が労働者から労働力を商品として買い、その労賃を上回る価値を持つ商品を生産することによって利潤を得る経済体制」
●福祉や社会保障の思想は、実は社会主義・共産主義の本流から生まれたものではありません。
●思想や派閥に資格(例えばアカデミックな)は必要か?ちなみにヒトラーは小卒。ルソーも正規な学校に行ったわけではない。
●多数決なのに議論をする意味は?少数意見が尊重されて議論が行われる必要がある。そうすれば、元の多数意見が数の力でそのまま通ると言う事にはなりません。残念ながら、現実の国会はなかなかこのような動いていません。最近は、強行採決が目立つのでますます理想から遠ざかっている。
●極論の主張はフェイク。現状を踏まえた変革であれば、この範囲なら良いかもしれないがこれ以上になると成功難しい、といった幅がおのずとわかってくることが多い。それを見分けるのが良識です。かつてプラトンは、今の家が煽動家や抵抗を広げる人々をソフィストと言って批判しました。
●政治家と政治屋。選ぶ国民の無知も原因か。
●ポピュリズムとは、体系的なイデオロギーや思想ではなく、既得権益層を批判して人々の支持を得る政治的運動で、その中には民主的・進歩的な運動と、右派的・権威主義的な運動があります。
●政治思想の中にも、経済を重視する思想と、それ以外も大切にしようと言う思想があります。前者は快楽(公利主義)や所有の権利(リバタリアニズム)を重視するのに対して、後者は人権(リベラリズム)や倫理(コミュニタリアニズム)に注目します。
●安倍政権では、ネオリベの発想と伝統的な保守主義の思想と言う両者が支持基盤となっている。 -
政治思想というと堅く聞こえますが、「右と左」「社会主義と共産主義」「自由主義と民主主義」といった、知っているようで実はよく解っていないものについて、質問&回答形式で読みやすく書かれています。各思想の位置付けを表した図が幾つが挿入されていて、とても解りやすいです。最後には、コミュニタリアニズムという、右でも左でもない、著者が理想としている思想について述べられています。
図書館で借りましたが、購入して手元に置いておきたい本だと思いました。 -
東2法経図・6F開架 B1/10/978/K