ルポ 座間9人殺害事件 被害者はなぜ引き寄せられたのか (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334045869

感想・レビュー・書評

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  • 渋井哲也『ルポ 座間9人殺害事件 被害者はなぜ引き寄せられたのか』光文社新書。

    座間9人殺害事件を再検証するルポルタージュ。

    普段は文庫を中心に読んでいるのだが、たまたま書店で目にした新書のタイトルが気になり、手を伸ばした。

    2017年に発覚した僅か2ヶ月の間に9人もの若い男女を殺害し、遺体を損壊した上で自宅アパートに遺体をクーラーボックスに保管していたという類い稀なる猟奇的な犯行。犯人がSNSで被害者を選定していたという恐ろしい事件の詳細が犯人との面会を含めた綿密な取材により浮かび上がる。

    誰もが匿名で自身の心中を吐露できるSNSは悩める者にとっては精神安定剤のような役割を果たす反面、使い方次第では犯罪を誘発する劇薬ともなり得る。こうした劇薬としてのSNSを利用したのが、座間9人殺害事件の犯人である。

    自殺願望を持つ精神的に不安定な若い女性は与し易いとSNSで若い女性を物色した上で巧みに誘い出し、金銭と性的な快楽を求めた挙げ句の凶行。一度箍が外れると感覚が麻痺したかのように短期間で同様の凶行を繰り返すという悪魔のような所業。死刑判決は妥当であるが、失われた9人の尊い命は還らない。

    本体価格820円
    ★★★★★

  • 5年前の秋、座間で9人が殺され切断されるという事件がありました。
    私は昨年小野一光さんのルポを読んで
    「被告と両親との関わりがわからない」と思いました。

    今回渋井哲也さんのルポを読むと、
    特別変わったことのない、普通の家庭に思われました。

    ですから、犯人については相変わらず、わからない。
    女の子がこういう被害に遭わないためにどうすればいいか
    それを考えるしかないと思いました。

    まず、よくわからない人と二人きりになってはいけません。
    いつでも逃げられるようにすること。
    優しい人に見せるのは簡単、騙されないように。

    それと、被害者にいくつか母子家庭が目につきました。
    もちろんシングルマザーでもちゃんとした家庭はありますが
    人一倍子どものことを考えてほしい。

    お金のない人が詐欺にあってより貧乏になるみたいに
    心の弱っている人は変な人に騙されやすいのかしら。
    私の思いは彼女たちに届くでしょうか。

  • *内容に触れています

    意外なくらいつまんなかった。
    というのは、この本って、著者が犯人(白石隆浩/事件当時27歳)にインタビューした内容や裁判の記録が書いてあるだけなんだよね。

    こういう犯罪者って、独特の自己顕示欲があるような気がするし。
    また、特にこの犯人の場合は、特に思いや考えがあるというよりは、たんにその場その場の思い付きで行動しているように感じるから、言っているそのことが、どこまで真実に即しているのかわからないと思う。
    そういう意味で、こういう犯人の場合は、著者が知った事実を淡々と述べるよりは、著者が知った事実を元にした推理や推測を書いた方がいいように思う。
    それこそ、松本清張が実際の事件を小説にすることで、犯人の心情や事件が起こった背景を表したみたいに。
    それが、合ってるにせよ、間違っているにせよ、それを叩き台に多くの人が感想を述べ合うことが類似の事件の再発を防ぐことになるんじゃないだろうか?

    そういうわけで、以下は、この本を読んで自分が思い浮かんだ、この事件の勝手なイメージだ。
    まず、思ったのは、(こう書いてしまうと語弊があるかもしれないが)この事件って、実はとっても陳腐だったんだなーと。
    というのは、たった2、3ヵ月の間に9人が殺されて。犯人(白石隆浩/当時27歳)がバラした被害者の頭と暮らしていたなんて、かなりセンセーショナルに報道されていたから、「一体どういう事件なんだろう?」と、とっても興味があったからだ。

    でも、この本を読んで浮かび上がってくるのは、以下のような構図だ(ただし、あくまで自分のイメージ)。
    自分にだらしがない、たんなる根性なしが仕事してないから、毎日することがなくて。
    人生終わりにしたいんだけど、死ぬ根性がないから、SNSで自殺を募っていたら、たまたま出会えた女性と「もしかしたら人生やり直せないかな?」と勘違いしだした。
    でも、犯人は、ある時、その女性に親しい男がいるような気がしてきて。
    アパートを借りるために女性からお金を用立ててもらったこともあって、犯人は、その女性がその男の元に戻ってしまったら、「お金を返せ」と迫られると思った。
    その女性と出会ったことで、犯人は生への執着が出ちゃったから、お金がないことでアパートを出なきゃならないのは嫌だった。
    よって、とっさに「自殺したかったんでしょ?」と、その女性を殺してしまったor殺そうとした。
    でも、犯人は首絞めていたら、欲情しちゃって。
    強制的にエッチしちゃったら、さらにすごいコーフンを覚えた。
    あとは、そのコーフンが忘れられずに。
    後先なんか何も考えないで、またそのコーフンを味わいたい一心で衝動の赴くまま、次から次へとずるずる、ずるずる……。
    気づけば、いつの間に死体をバラバラするのもすっかり慣れていた。

    9人を殺すというのは異常だ。
    でも、その「異常」も、続けば「通常」になってしまう。
    衝動の赴くまま、ツイッターで相手を求めて、殺して。また、相手を求めて、殺して。
    と、ずるずる、ずるずると流されていたら、やっと事件が発覚して。
    犯人はその行為をやっと終わらせることが出来た。


    そう考えると、犯人って、実はその辺に普通によくいる人なんだろう。
    もちろん、普通の人は、まず人殺しはしない。
    そんな普通の人でも、自分でもわるいこと/よくないことと知っていても悪癖を止められない人は普通にいる。
    その悪癖が、法に触れることだったり、法に触れるか触れないかギリギリだったりすることも普通だ。
    そういう人って、実は自らのその悪癖が法に触れたり、触れないまでも他人に迷惑をかけていることは百も承知で。
    でも、それをどうしても止められなくて、実はそんな自分に心のどこかに罪悪感を抱えている。
    そういえば、SNSを使った誹謗中傷で捕まった容疑者が実はあおり運転等様々な迷惑行為をしていたとニュースでやっていたが、その行為を止められない構造はまったく同じだと思う。

    そういうことって、実は自分自身思いあたることがあるのだがw、ていうか、多かれ少なかれそれが思いあたらない人はいないと思うのだ。
    それは、犯人も同じで。
    でも、そんな悪癖を止められない普通の人と違って、犯人は止めれない悪癖が越えてはならない一線を越えるのを引き留めてくれる人や事がなかった。
    この事件の犯人と世間の人の違いって、実はそれだけなんじゃないかなーって(^^;

    都市近郊のごくごく普通の家庭で、なに不自由なく育って。
    そんな風に育ててくれた親に対して、親の期待に沿えない自分というコンプレックスを持っていた。
    そんな人、今は(昔も?)当たり前にいる。
    ていうか、自分だってそうだ。
    ただ、この人って、何なのだろう?
    視野が異様に狭い。
    高校生の時、高卒と大卒で会社の給料が違うことを知らなかったって、そんなことあるものなんだろうか?
    ていうか、想像力がないのかな?
    だって、ちょっと想像すれば、そのくらいわかると思うんだけどなぁ…。
    ていうかー、ドラマとか小説とか、見たり読んだりしなかったんだろうか?
    ドラマとか小説とかに接していれば、そういうことは自然とわかるように思うんだけどなぁー。

    そう考えると、この犯人は「普通の家庭でなに不自由なく育てられた」みたいなこと言ってるけど、世間一般のそれとは微妙に違うのかな?
    だって、犯人は「高卒と大卒で給料が違うなら大学に行っていればよかった。その頃、父親と上手く関係を築いて(そういうことを)聞いておけばよかった」なんて言っている。
    でも、普通は高校生の時、就職するか進学するかで親と話をする。
    父親は機械の設計をしていたということなのだから、たぶん大卒のサラリーマンなのだろう。
    そういう人なら、自分の子供に「大学行った方がいいぞ」と言うはずだ。
    でも、この犯人は知らない。
    それは、たんに父親とのコミュニケーションが途絶していたからにすぎないか。それとも、たんにこの犯人が人の忠告を聞けない人間だったのか?

    裁判が終わって著者は、「傍聴した私には腑に落ちない点があった。白石の過去からは、その残虐性を醸成した背景は見えてこない。一体、何が原因でここまで残酷は犯行に至ったのか。不気味なまでの“平凡さ”に、私は誰しもの中に同じ犯行に至る狂気が潜んでいる可能性すら思い浮かべた」と書いているが。
    自分は、それは「可能性」ではなくて。
    人というのは、誰でもそういう一面を持っているように思う。
    でも、普通、人は“自分に起きる狂気の衝動を思い留まらせる何か”を持っている。
    それは、その人を大事に思ってくれる家族やパートナー、友人だったり。あるいは、将来の夢や希望、自らの未来を信じる心だったり。
    そういったことがあるからこそ、人は自らを愛してくれる人の期待を裏切るまいと、あるいは将来の夢や希望を叶えるために自らの狂気を抑えることが出来るんだと思うのだ。
    衝動のままに狂気を発散させてしまったら、その人は間違いなく社会的に葬られてしまう。
    社会的に葬られてしまったら、自らを愛してくれる人の期待に応えられないし。自らの夢や希望も絶対叶えられない。
    そんな人生はつまらない。
    人の自尊心って、実は意外とそういうことで何とか保たれているものなんじゃないだろうか?

    この犯人って、たぶんずいぶん前から、その自尊心を失っていたんじゃないのかな?
    そのくせ、普通の家庭でなに不自由なく育っているから、世間一般的なごくごく普通に何が正しくて何が悪いという倫理観は持ち続けている。
    だからこそ、あっさり罪を認めたんだと思う。
    というよりは、犯人は自らの倫理観に照らし合わせて絶対やってはいけないことを衝動の赴くままにし続けている自らを誰かに止めて欲しかったような気がして、しょうがないんだよね。
    でも、捕まったら自らのその欲望を果たせなくなってしまう。
    その二つの板挟みで苦しんでいる中、捕まったことで、やっと止められると、たぶんホッとしたんだろう。
    だから、あっさり罪を認め、 “死刑にしてもらう”ことで、「自分を終わらせる」という、そもそも抱いていた思いを果たせると、一種の安堵を得たんだと思う。

    この人が何で風俗業のスカウトをしていたのか、その辺がよくわからないのだが。
    でも、この人(犯人)は、普通の家庭に育った人が普通に持つ倫理観に反する売春を伴う風俗業へのスカウトしている自分自身が嫌で嫌で堪らなくて。
    そのことをきっかけの一つとして、どこかの時点でブッ切れちゃったんじゃないだろうか?
    仮に、その時点でこの人(犯人)が簡単に自殺できる手段を持っていたとしたら、あっさり自殺していたように思う。
    でも、そんな手段はなかったし、何より死ぬのは怖い。痛いのも嫌だ。
    よって、おそらく「自分を終わりにしたい(でも、死ぬのは怖いし、痛いのも嫌だ)」という思いを抱きながら、日々をやり過ごしていた。

    でも、売春の斡旋で捕まったことがきっかけだったのか(?)、「自分を終わりにしたい(でも、死ぬのは怖いし、痛いのも嫌だ)」という思いが強くなって。
    誰かと一緒なら死ねるかとツイッターで相手を探したら、たまたま出会った相手(最初の犠牲者)に好意を抱くことで、たぶん「生」への執着が復活してしまった。

    後は、先に書いたことの繰り返しになってしまうが、その相手に男の影を感じるや否や、「生」への執着の象徴であるアパートを維持しようと相手を殺し、相手の男も殺した。
    後は、その場その場で衝動の赴くまま、「自分を終わりにしたい(でも、死ぬのは怖いし、痛いのも嫌だ)」という思い半分コーフンを味わいたい思い半分でツイッターで相手を募って。
    後先なんて全く考えずに(というか、後先を考えたくとも、もはや後先なんて怖くて考えられなかったのだろう)、ずるずる、ずるずる行動したにすぎないように思う。

    そういえば、著者がインタビューしている時、さらに突っ込もうとすると犯人が「ここから先はお金を出してください」と言って、話が止まる場面が何度も出てくるが。
    犯人が「お金を出せ」と言うのは、その先に真相があるのではなく、犯人自身もなんで自分がそれをしたのか全然わからないから。そう言って、もったいぶることで著者を悔しがらせて、一人悦にいってるだけなんじゃないのかな。
    つまり、それも何の後先考えずに、その場の安直な衝動でやってるんだと思う。

    そういう意味では、この犯人は相手の様子を見てハッタリをかますがの上手いんだろう。
    犯人とかつて交際していた女性が、「彼には二度ほど恐怖を覚えました。(中略)怒った時は怒鳴り散らすのではなく無言で圧を加えてくる感じ」とあったが。
    無言で圧を加えてくるような気がするのは、たんに自分の主張が言えないだけ、言葉が出てこないだけって気がするし。
    また、唯一殺されなかったという女性というのは、その人が風俗業に勤めていて男女の経験が豊富だった(か、どうかは知らないが)から、むしろ犯人の方が(男として)怖気づいちゃっただけなんじゃない?

    この犯人というのは、27歳の犯人から見て15歳や、自分を終わりにしたいくらい気持ちの弱った人しか相手できない、たんなる自分にだらしのない根性なしにすぎない。
    この事件が「わからない」のは、たんにそういう理由。
    自分はそう思った。


    追記
    感想を読もうとしたんだけど、不具合なのか何なのか、延々一人の感想しか出てこなくて。
    そのたんび、タイトルを入れていて、ふと、思った。
    そうか。
    この本のタイトルって、「ルポ 座間9人殺害事件 被害者はなぜ引き寄せられたのか」だったんだなーと。
    とはいえ、「ルポ 座間9人殺害事件」はともかく、「被害者はなぜ引き寄せられたのか」ということについては書いてあったっけ?と(^^ゞ

    ま、この著者は推測を書かないタイプのようなので。
    ていうか、今風の思いやり過剰な人のようなので、「被害者はなぜ引き寄せられたのか」と推測しても、結局、被害者を思いやるあまり、実際から乖離してしまうような気がする。
    そんなわけで、自分なりに「被害者はなぜ引き寄せられたのか」を考えてみたのだが、どうも今一つ釈然としない。
    ただ、自殺とは関係ないのだけれど、山の遭難事故の経緯なんかを読んでいると、遭難者は「死へ、死へへと向かって行った」としか言いようのない、死に魅かれたみたいな不可解な行動をしていることがあるが。
    そういうことなのかなぁーとは思った。
    山の遭難の場合は、助かろうとする焦るあまり、視野が狭まることで無意識に楽な(?)行動をしてしまう、それが死に魅かれたような不可解な行動なのか? ま、その推測があたっているかどうかはわからないが。
    ただ、この事件の被害者の場合も、苦しさのあまり、視野を狭めてしまうことで、無意識に楽な行動を選んでしまった。
    そういうことなのかな?


    “辛い一日の終わり 人は生きる理由を見つけようとする”
    というのは、ブルース・スプリングスティーンの「Reason to Believe(邦題:生きる理由 )」の歌詞の最期だが。
    余計なお世話だと思うけど、自分は何度かこの曲の歌詞で救われた記憶がある。

  • 希死念慮なんていう言葉は、本著で久々に目をしたが、前に何で読んだかも分からない位、日常に馴染みがない。自殺願望が衝動的か否か、出会いの時間軸で揺れる被害者の感情に関わらず、一方的に強制性交して殺してしまう。手慣れた作業のようにノコギリで遺体を解体し、クーラーボックスにしまうのだ。目的は金と性欲。死にたいという発言を論拠に、あなたの命は私の自由だ、と。死神のような振る舞いにも見えるが、真相はどうだったのか。

    著者が取材し、どうも歯切れが悪く書けていない行間があるような気がしてならない。何となくその一部が伝わるのは、被告である白石隆浩が自分に不利になる証言を平気で説明したり、部屋の悪臭の対処や足りない骨の数などに説明が不足している事。平凡な育ちの彼が何故、という文章もあるが、これに関しては、特殊な育ちをした人が皆犯罪者にならない事と同様程度に、平凡な殺人鬼がいてもおかしくはない。ただ、ネットでは臓器売買疑惑なども書き込まれていて、著者は流石に書きはしないが、真の背景を隠したと匂わせる。

    著者として最後のこの一文はありやなしや。取材の限界を、その疑惑に触れもせず、一つも証拠を出さずに読者をミスリードするという点では、残念だという一言である。臓器売買の可能性が気になるならば、それを解明する取材をすれば良かっただろうに。

  • ●立川拘置所。面会前事件のことを聞くと、お金を要求される。大体3万円。一般的に取材の際、相手にお金を払う事は無い。新聞記者経験からすれば当然だ。ただ雑誌の取材では支払う事はゼロではない。
    ●ネットからの出会いで恋愛をした事はないですね。直接の知り合いの中でしか恋愛経験はないです。逮捕されたときに、報道で元カノだと言う女性もいたとか。あれは全部嘘だって。
    ●外に遺体を捨てるとなると、埋めないといけない。遺体の全身があると、車で運んで埋められないですよね。バラバラにして、骨やバラせるものは燃えるゴミとして捨てたんです。バラせないものはクーラーボックスに入れました。
    ●過去のバラバラ事件がなぜ発覚したのかをネットで調べたんです。すると山の中で遺体が入ったクーラーボックスを運んでいる途中に職質された、などが書いてあった。
    ●携帯電話は長い間放置しないと、警察は位置情報を特定できないと、昔刑事に教わったんです。だからすぐ破壊しました。
    ●2ヶ月で9人。1人目の殺害後は頭痛や吐き気がありました。しかし1人目を殺害することで、それを乗り越えたんです。
    ●獄中結婚ですか?ないですよ。当初Twitterで知り合って結婚したいと言ってくる女性が2人いました。でも信用できませんでした。話した内容が、週刊誌に流記事になっていたからです。
    ●自殺願望がある女性は言いなりになりやすい。だからヒモになろうと考えていた。

  • 人間を消費財とみなす思想の
    行き着く果てにはこういう世界もある
    金づるになりそうな奴は恐怖と依存で飼い慣らし
    それ以外は嗜虐欲を満たすために消費し
    最後は自分がメディアを通じて
    僕のような好き者に消費されてしまうのだ
    やめなさいよほんとにもう

  • なんか犯人本当のこと隠してるのかなって感じの後味悪い事件ですね。

  • 事件の概要はわかったが、全体像に対する不可解さは増すばかり。

  • 筆者も書くように、真相は他にあるのかもしれないとも思った。

  • 被害者は全員20代以下、9人中8人が女性、3人が女子高生。希死念慮「死にたい」。逃げ先がそこにしかない。死は甘美。しかし、一人では死ねない。Twitterで呟き、他人を巻き込む。誰かと交わり、誰かに気にされる。死に向かうことで、また生きる。強制性交。ロープで吊られ、遺体は解体。こんな死は願っていなかった。嘱託殺人とは判断されていない。本当の殺人、奪われるべきではなかった若き命。生きてこそ、死をも思える。被告人は控訴をしない。弁護人には黙秘する。直ちに死刑が確定した。20代、死を望むだけでは済まされない。

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著者プロフィール

1969年栃木県生まれ。ジャーナリスト、中央大学文学部講師。東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。元長野日報記者。おもにネット事件、自殺問題、若者の生き方、サブカルチャーなどを取材。98年からは、ウェブと生きづらさをテーマに取材を進めている。

「2020年 『学校が子どもを殺すとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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