写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論 (光文社新書)
- 光文社 (2022年4月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334046019
感想・レビュー・書評
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写真家でありカメラマン、大学教授でもある筆者による、これまでの試行錯誤の軌跡、経験に基づいた写真論。
特に写真が趣味という訳ではないが、写真の向こう側で、ファインダーを覗いている写真家がどういう思いや思考でシャッターを切っているのかを少し垣間見れる1冊。
これまでと少し違った角度や思いで写真を見れるかもしれない。 -
著者が審査員をするときの基準としてあげている、新鮮であるか、新たな価値観の提示になっているかは、論文にも共通するなあと思った
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自分にはまだ写真がわかるとかわからないとか語るレベルに到底到達していないことだけはよくわかった。わかるわからないっていうのは人の思考にとってとても大切ですね。
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大好きな写真家の写真論。こんなこと考えながら撮ってるんだなと分かったけど、ルポ読みたいな。
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視界から得られる考え事の連鎖。それが醍醐味だと思います。
写真の解釈の理解と誤解について、鏡の節でわかりやすく論じられていました。
昔は撮るのが楽しくてたまらなく、何でも矢鱈にシャッターを押していました。
最近は撮りたいと思った時しか撮らなくなったのですが、それを肯定して頂けたような気がして、救われました。
拝読したことで、写真は確固に散漫に思考を働かせる人間に与えられた断片を残す手段だと、改めて思いました。
小林さんの経験から得られた気づきがふんだんに記載されていました。興味深く拝読、1日で読了できました。 -
頭の中の整理がついた。
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この書籍でいう写真とは「写真作品」という意味合いがほとんど。作品としての写真とはどうあるべきだろう、という問いに対して「わからない」、つまり、「決まったものはない」、ということ。たかがシャッターを押した瞬間の記録である写真ではあるが、何かを伝えたい、という明確な「意思」を持った写真があるのは事実で、意思の主体は写真家である。写真家はその意思を写真を通してどうやって伝えていくのか、そこに初めて、撮影のテクニックやテーマの選び方、といった方法論が生まれていく。表紙帯にある「いい写真」とは、鑑賞者側からすれば「伝わってくる写真」であり、写真家にとっては「伝えることのできる写真」ということだ。それについての著者が現場で得てきた体験的方法論であり、写真を撮って、撮るだけでなく、作品として発表しようとしたことがある人には面白いと思う。
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・消費されてしまう写真とそうでない存在
・道具あってのフォトグラファー。最新の機材を使うのは当然のこと。
・フォトグラファーになるための条件は「写真よりも興味があるものを持っていること」
・写真を「窓」か「鏡」のいづれで見るか。
・自分の写真をいかに客観的にみることが出来るか。
・「作品に質は量に比例する」森山大道
・携帯電話とメールアドレスがあれば、多くの仕事は成立する。
・答えは決してひとつではない。
・写真を通して「何がしたいのか」
・二つの基準
新鮮であるか
新たな価値観の提示になっているか
「自分には撮れないと思わせてくれるもの」