孤独なバッタが群れるとき 『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1 (光文社新書)
- 光文社 (2022年5月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334046095
感想・レビュー・書評
-
「バッタを倒しにアフリカへ」で、モーリタニアでの研究生活を中心に面白おかしく紹介していた著者が、アフリカに渡る前の研究の様子を、グラフも多目で研究内容を中心に紹介した本。これも十分面白く読めた。
著者のバッタ愛がすごい。だからこそ、研究者にもなるという夢も実現したのだと思うが、昆虫好きの子どもに夢を与えられる本。(子どもにはちょっと難しいだろうが・・)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あれ、この本、東海大出版で出ていた(らしい)やつだな、『バッタを倒しに〜』でモーリタニアのフィールド初日の様子はここにかいてある、と説明されていたな、と思い、手に取る。
※その時点では、表紙のキャラクター(!⁇!)には気づいてなかった。
読み始めてから、作者のまえがきに納得。
たしかに本書はこってり味。素人あてに広く浅く読みやすい作風だった『バッタを倒しに〜』とは対照的だった。
でも本人が、疑問、実験の手順を考える、師匠に相談、思いつき、実験、結果、考察、師匠に相談、工夫、実験、考察、と繰り返す様子が本当にたのしそう。
相変わらずユーモアあふれ、チャレンジ精神も旺盛、そして謙虚。
研究者とはタフだなあと思う。
師匠が、前野さんの論文へのライバルの反撃というか屁理屈に対して、「じゃあ次の論文で息の根止めて完全に沈黙させてやるよ」的なことを仰っていてカッコ良かった。
そのライバルとも別に共同研究もしなくもないし、人間関係は良好ぽい。
登場する先行論文がなかなか古くて(19世紀のものまで出る!)、このジャンルの歴史と、生物相手の学問の時間の流れをおもった。
パナマ旅行、面白かった。
バッタの餌やりは大変ですね。
専門的な話が続くけど、論理は明快なので読むのには困らない。
素人の私からみれば、へーー、こういうことを疑問に思うんだ?それで実験しても毎回この結果が出た理由はこれ、それともこれ?とずっと深みに入っていくんだなあ、果てしない…と思った。
余談だけど、これを書くために、スマホの変換に、前野、といれただけで、ウルド浩太郎、とサジェスト欄に出てきてびっくり。すごいなあー。
-
「バッタを倒しにアフリカへ」の前著。サバクトビバッタが大群になる仕組みを追求した記録。「バッタを倒しにアフリカへ」が万人受けするあっさりラーメンだとしたら、本書は少しとっつきにくいかもしれないけど病みつきになるこってりラーメンとのこと。地道で丹念な研究結果には、敬服しかない。
-
「バッタを倒しにアフリカへ」の前日譚?的なかんじ。より研究内容も詳しく書かれている。
おもしろく書いてあるけど、本当のとこは地味で投げ出したくなるような作業が大半なんだろうと思う。
それでも続けられるのは、やっぱり新しい何かを見つけられた時の感動や楽しさがあるからなんだろうな。 -
これ凄く面白くて前半部分をじっくりと読んでしまい、後半が駆け足になってしまって残念Σ(ノд<)図書館本だからしょうがないけれど、余裕のある時にまた借りるか、購入するか悩むところだわ~( ̄~ ̄;)
-
アッサリ味の「バッタを倒しにアフリカへ」とは違って本書はコッテリ系だぞ、といきなり読者をビビらせる前書きに、恐る恐る読み始めたが、杞憂だった。
とんこつ味や二郎系は苦手な自分だが、充分楽しく読めた。濃厚だけどクドくないし、臭くない。
むしろ論理や論旨が明快で非常に分かりやすく、とても食べやすかった。いや、読みやすかった。
他の解釈や異論反論が出ないよう、確実に抜け穴を塞ぐ精緻なロジックで実験と考察を重ねていく姿が素敵だ。
まるで、良くできた推理小説を読むような爽快感と納得感がある。 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1432592 -
前作ではバッタの話が盛り沢山なのを期待してた派だったのでものすごく楽しめた
母親が過ごす環境に応じて産む子供の特性を変化させてるなんて、考えてもみなかったので感動だった なんか人間もそうらしい(妊娠中ダイエットなどで栄養が少ないと胎児が発現させるDNAを変えたりするらしい?よくわからないけど それで少ない栄養で太りやすくなったりする)というのをテレビで見たばかりだったので、生き物ってすごいなーって思う