「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係 (光文社新書 1230)
- 光文社 (2022年11月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334046378
感想・レビュー・書評
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なんとなく聞いたことがある「富山湾の魚は美味しい」とか「日本酒は水によって味が違う」といった話の理由を、地質学の観点から詳しく教えてくれる。食文化の成り立ちと地質学の関係性が紐解かれていくのが、すごく面白かったです。
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マグマ学者で美食家の著者ならではの視点で日本の食材についての蘊蓄と地学的側面から解説。日本という特別な環境があってこそできた食材であることがわかり、奇跡に感謝したくなります。地学知識はちょっと難しいところがあるかもですが、食材を見る目が変わるかも知れませんね
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軽い読み物かな~と読みはじめて、
違うじゃん!私の早とちり!
ちゃんとしたマグマ学者の人が書いてるよ。
資料も産業技術総合研究所地質図ナビ、国土地理院、海上保安庁のデータをもとに作成
とかだし、無理かもしれないなぁ~。
と、思いつつ読み進んだら、面白いのよ。
なぜ?読めるの?
それは、巽好幸先生が、食いしん坊だから!
出汁とブイヨンの違いは軟水と硬水の性質の特性のいかしかた、ではなぜ日本は軟水なの
と、地理のお話。
下仁田ネギがオンリーワンなのは、地質と
からっ風の通過で、関東ローム層が堆積しないこと。だったとは!
そんなこんなで、へぇー。そうなんだ!
と面白く読めました。
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かなりの食通の地質学者が買いた本。魚も蕎麦も日本酒も醤油もすべてそこでしかとれない、つくれない理由がある。この本を読み進めて日本列島全体がおいしそうに見えてきた。文字通り、素敵な関係であり、地球の奇跡ではないかとすら思えてきた。
以下提案。
これだけ外国人観光客が日本に来ているわけだし、この本を英語なりフランス語なり中国語なりに訳したらよいかと。地方にも埋もれた資産がたくさんある。都市部にばかり観光客が集まって観光公害を起こす恐れもあるので、バランサーにもなりうる。 -
あとがきにこの本の意図するところが書かれて
います。
2013年2月、「和食」がユネスコ無形文化遺産
に登録されました。
そこで農林水産省は和食の特徴をこう表現して
います。
「日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情
豊かな自然が広がっているため、各地で地域に
根ざした多様な食材が用いられています」と。
しかし「表情豊かな自然」はなにも日本だけに
限られたものではないです。「日本」を他の国
に置き換えた文脈も成立してしまいます。
そこで地質学です。
なぜ日本の水は美味しいと言われるのか。なぜ
出汁という旨味が発展したのか。なぜ瀬戸内海
は豊かな漁場なのか。
これらはすべて日本という地形だからこその産
物なのです。
何万年もかけて形作られた日本列島が、現在の
和食を育てたと言っていいのです。
自然のありがたみを噛み締める一冊です。 -
面白かったです。著者はものすごい知識の持ち主だと思った。日本の食の恵みは地形にあるんだなぁ。
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日本食の魅力を四季でなく地質学の観点から見つめた、食と地学の奇跡のコラボ。
水質やその本となる地質、日本列島の形成の過程の説明から、日本酒、醤油であったり琵琶湖の鮒寿司、江戸前の寿司などの由来を解説する。
火山、地震と引き換えに奇跡的に得た日本食の魅力。
これは楽しい1冊でした。まずは今年のBEST。 -
450-T
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