お誕生会クロニクル (光文社文庫 ふ 34-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334102432

感想・レビュー・書評

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  • 「お誕生日」を軸にして繰り広げられる連作短編。
    自分が主役になれるお誕生会は、ただ嬉しいだけじゃなく、時にほろ苦くせつない思い出もあるようです。
    誕生日を迎えるということは、今まで気づかなかった新しい何かに出会うこと。

    学校で、お誕生会が禁止になった小学生。
    姪のお誕生会を企画する叔父。
    夫のプレゼントに納得できない妻など、7編とも心に沁みるものばかりでした。
    物語の背景には、東日本大震災や新型コロナウィルスの流行も見られます。

    学校や職場、家族など、身近にいる人たちと祝える大切な記念日は、どんなに時代がかわっても良いものでありたいです。

  • まさにタイトルどおり、お誕生会にまつわる連作短編集。楽しいはずの一日が人によっては苦い思い出になってしまっていたり、逆に楽しい記憶を思い出させてくれたり。後半はコロナの描写が懐かしく感じられた。大人になってお誕生会をやることはなかなか無いけど、今まで色んな人に祝ってもらった記憶を大事にしていきたくなるような本だった。

  • お誕生日会にまつわる、
    ちょっと切なくてほろにがい短編集。

    お誕生日のお祝いは、本当なら楽しいはずなのに、
    いろんなしがらみが邪魔をして、
    苦しく感じる時もある。

    そんな時どっちを向いているべきなのか、
    生き方にほんの少し、指針をくれるような話。

  • 世代の違いや家庭の違いから、迎える誕生日の形も考え方も様々、、、

  • 語り手が交代しながら続いていく連作短編集。

    それぞれの「誕生日」を通して、様々な世代の親と子が関係性や職場の人間関係、生き方をみつめなおしていく。

    いわゆる「ジャケ買い」でしたが、思いがけず素敵な作品に出会えました。

  • マカン・マランの古内一絵さんの作品に思いがけず出会えた。他の作品も読んでみたい。

    誕生日パーティーにまつわる短編集。
    ちょっとほろ苦い思い出を抱える主人公が多く、胸が締め付けられるような場面も多かった。だけれども、そんな思い出を前向きに変えようとする主人公たちがとてもすてきだった。
    古内さんの作品、やっぱり温かい。

  • お誕生日会をテーマにした連作短編集。
    お誕生日会、というと、楽しくて華やかでキラキラしてて〜⟡.·*.っていうのが浮かぶけど、この本はそういうことではなく、ちょっと切ない、寂しい…主役だけでなく、それを祝う側にもスポットを当ててのエピソードが描かれている。
    お誕生日=絶対嬉しい!楽しい!とは限らない、また違った焦点からお誕生日会を見られるのが面白かった!!
    だって、やっぱりお誕生日会って、ワクワクするようなイメージだから( ꇐ₃ꇐ )

  • 誕生日にまつわる連作短編。小学校でお誕生会が禁止になったり、姪のためにサプライズをしようとしたり、3.11に生まれた双子など本人やその親たちが迎える誕生日。毎日なにかに追われて生活している人たちの様子と、誕生日だから自分やこれからに目を向けてどうにかしようとする決意の瞬間だったりと色々な瞬間が温かく鮮やかに描かれている素敵な一冊。

  • マカン・マランシリーズで人気の古内一絵さんの作品。お誕生日会がテーマの作品です。
    誰もが嬉しい誕生日会…ではないですよね。
    自分もこの作品に出てくるようなことはなかったですがお誕生日会は好きではないです。
    読みながら苦しい気持ちになりました。素敵な装丁ですが物語は重かったです。

  • 男はすぐ逃げる
    頼りにならない

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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