前田利家 上 新装版 (光文社文庫 と 4-29 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334731946

感想・レビュー・書評

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  • 前田利家を題材にした小説。上巻は佐々成政が秀吉に降伏するまでの話し。話が駆け足で進んでゆく感じで信長や勝家などとの関係性などあっさりして軽い感じで読むには良いのかもしれない。

  • 織田信長の赤母衣衆から後に加賀百万石の礎を築いた前田利家について書いた本です。

    前田利家が家督を継ぐ際のエピソードに関して、前田慶次郎はこれをよく思わず、なんてこともありますが、この本では、利家も慶次郎をかわいがり、慶次郎も利家の勇武なところを慕っているとあります。

    慶次郎は利家と仲が悪いと思っていたので、意外でした。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-5bd9.html

  • <上> 2001.12.18~22 読了
    <下> 2001.12.22~27 読了

  • 前田利家の小説。幼少の頃より始まる。
    ということは、彼の人生を全て上下巻で描くということなのだろうか?
    そのせいか、やや駆け足で語られ、少し物足りなさも感じます。

    淡々としてしっかりとした妻まつや、
    富田景政、前田慶次郎、柴田勝家、佐々成政などが登場する。

    長連竜と前田利家のエピソードが良かった。
    長連竜に興味を持った。

  • 時は戦国、尾張荒子の小豪族の子に生まれた前田利家。犬千代を名のる幼少時代より容姿端麗、知略に秀れ、槍をとっては天下無双。信長門下の優等生として闘うこと二十余度、ますます勇名を馳せる。時に勘当を受け、浪人生活を味わったりするが、糟糠の妻まつの愛情に支えられ、群雄割拠の乱世を果敢に切り拓いてゆく。華麗にして波瀾万丈の歴史巨編。

  • 前田利春は織田氏に属して信用があった。織田家にも色々あるが,当時もっとも有力だったのが弾正忠と名乗る家系である。守護斯波氏の下に守護代織田氏がいて,岩倉織田と清洲織田の二家に分かれた。清洲織田家にはどうぞくの三奉行がいて,差配していたが,うち弾正忠信秀という者が他の二奉行を押さえて抜け出し,清洲織田家にとってかわり,尾張全体の織田氏を代表するほどにのしあがった。信秀はすなわち信長の父である。前田利春の属していた織田氏というのは,弾正忠織田家である。利家は利春の四男であり,天文七年の生まれで,干支が戊戌だったので幼名を犬千代といった。その容貌については,前田創業紀という本に『容貌端麗,幼にして穎悟聡敏』と書いてある。武将を語るのに,聡明さをうたうことがあっても,容貌に触れることはあまりない。当時の荒くれ大名のなかでは際立っていたのだろう。

    天文二十年,犬千代は初めて信長にまみえた。犬千代の初陣は清洲三奉行の一人,織田彦五郎との戦である。そこで首級をあげ,信長は『お犬め』と鞍をたたいて喜んだと言う。この後すぐに犬千代は元服し,利家と名乗った。利家は那古野城下に一人住まいしだすが,その際,藤吉郎に出会った。藤吉郎はその時点ではまだまだ下賎の者だったが,藤吉郎を利家は友人のように扱った。老けて見えるがほんの一つ上にしか過ぎず,同世代の若者としか思えなかったのであろう。そんな利家二十一歳の時,嫁のまつがくる。嫁の歳は一二歳である。翌年には女の子が生まれた。

    ある時,利家は,金の象嵌の笄(こうがい。脇差の付属品)を盗まれ,その盗人を捕まえた。成敗しようとしたが,信長の許可を得てからにしようと思い,そのように告げたたところ,信長からは勘弁してやれと答えが返ってきた。一旦は許したが,その後,利家は存外生ぬるいという噂が立ち,それを気にした利家は再びその盗人を探し出し,一刀のもとに切り捨てた。信長は怒り,成敗すると言ったが,側にいた柴田勝家などのとりなしで成敗は思いとどまり,代わりに長の暇が与えられた。その暇が,これまでは勇気や力一辺倒だった利家を人間として幅のある,また智も兼ね備えた武将へと育てていったのだろう。
    そんな謹慎中の利家のもとには,勝家からは茶など見舞いの品が届けられた。藤吉郎は,勝家とかとは違い,身軽であり,顔も知られていないので,自分ではあまり飲めないくせに,酒を持ってきてくれたりしていた。

    利家は,四男であったが,信長から目をかけられていたことや,嫡男の利久が凡庸だったことから,信長からの命令で,前田家を継ぐ事になった。

    その後,桶狭間の戦い・長篠の戦いでの勝利など,破竹の勢いで天下統一の階段を駆け上がる信長だったが,まさに足元をすくわれる。本能寺の変である。これを敵討ちという名目で秀吉が信長の後を引き継ぐような形となり,秀吉の目の敵となる柴田勝家や佐々成政を片付けていく。そんな中で,利家は,秀吉に唯一直言できる人物であり,秀吉もそれを頼りにした。天下は武によって立つが,成り立った天下には武はそこまで必要とならず,利家は文化に注力していった。このため,加賀百万石文化と言われるほどになったのである。もしかしたら,秀吉に勝ち得る唯一の道だと思ったのかもしれない。秀吉亡き後も,利家は家康に取り入るでもなく,ずっと,信長を主人と思い込んで生き,秀吉を友と思い込んで生き,家康については,既に利家の思考の中には無かったのかもしれない。

    最後の中世時代の武士と言えるかもしれない。

    全二巻

  • 連龍を迎えに行く利家

  • 大河ドラマにもなりましたが、若かりしころの前田犬千代について、臨場感あふれるストーリーです。
    とてもよみやすく、妻のまつも大河ドラマ同様良妻賢母でした★☆

  • 時は戦国、尾張荒子の小豪族の子に生まれた前田利家。犬千代を名のる幼少時代より容姿端麗、知略に秀れ、槍をとっては天下無双。信長門下の優等生として闘うこと二十余度、ますます勇名を馳せる。時に勘当を受け、浪人生活を味わったりするが、糟糠の妻まつの愛情に支えられ、群雄割拠の乱世を果敢に切り拓いてゆく。華麗にして波瀾万丈の歴史巨編。

  • 上下2巻。

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