異国の窓から (光文社文庫 み 21-5)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334734251

作品紹介・あらすじ

「見るべき程の事は見つ、いまは小説を創らんとて…」ドナウ河に沿う約三千キロの旅で、作家は異国の人間と自然を見すえた。解放前の東ヨーロッパ、そして変わらぬドナウの流れ-。教会の階段に座って亡き父を思い、ホテルの窓辺で"人生の不思議"を感じる。旅はやがて小説『ドナウの旅人』に結実する。出会いと別れ、喜びと悲しみに満ちた名紀行文集。

感想・レビュー・書評

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  • 私の一番好きな読み物は宮本輝の“小説”
    だからか、あえてエッセイは手にしてなかったが、
    なかなか新作が出ないので。

    とても趣のある紀行文。
    そして、やはり著者の文章は、
    私の心の芯に響き、優しく満たされた気持ちにさせる。
    幸せな気分になる。

    ドナウ川に沿っての旅、いつかしてみたい。

    そして「ドナウの旅人」 再読したくなった。

  • 宮本輝著「異国の窓から」を読んだ。
    小説「ドナウの旅人」の取材旅行記。
    図書館の検索でこの本の存在を知って借りた。
    西ドイツのニュールンベルク、レーゲンスブルク、バイエルン、パッサウ、
    オーストリアのウィーン、
    ハンガリーのブダペスト、
    ユーゴスラビアのベオグラード、クラドヴォ、ネゴディン、
    ブルガリアのヴィンディン、ソフィア、
    ルーマニアのブカレスト、トルチャ、スリナという6カ国を巡る行程。
    当時の共産国独特の雰囲気が感じられる。
    あとがきでも書いてあったが、記せないこともあったらしい。
    取材とは言ってもやはり観光旅行なので、著者が思うように自由にはいかないのだが、
    現地の人との出会いも多々あって、そのかかわりがとても興味深い。
    特にベオグラードで通訳・ガイドを担当してくれた青年は
    当時大学の4年生で日本文化と歴史の研究をしていて、
    後日宮本輝氏が保証人となって日本の大学に留学させた。
    同行した友人と新聞記者の女性との絡みが人間性がにじみ出ていて面白い。
    とても興味深い土地なので、このように旅したいと思った。

  • 情報科教員MTのBlog (『異国の窓から』を読了!!)
    https://willpwr.blog.jp/archives/51332049.html

  • 言葉がするどくて、はっとさせられる宮本輝の作品。この人の旅行記はすごくひきこまれます。

  • 著者達が取材旅行をした場所が、私が好きな中欧・東欧だったので感慨深かった。
    著者が行った時代はかなり前で今の中欧・東欧とは違う部分も多い。それに所詮取材旅行なので、いくら著者自身は現地の人の生活を見たいと思っても、観光旅行の域から出てはいない(そのお陰で、いいホテル、高価なレストラン、日本語ガイド付きという思いも出来るわけだが)。
    著者がハンガリーでの大学生ガイドに差し伸べた手。 こういう人助けの仕方もあるのだと感心した。著者ほど大きな手は私には差し伸ばす事は出来ないけれども、私にも何か出来るかもという自信を持たせてくれた。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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