- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334734374
感想・レビュー・書評
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横溝正史の短篇時代小説集『人形佐七捕物帳 新装版』を読みました。
横溝正史の作品は8年前に読んだ『人面瘡』以来なので、久し振りですね。
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人形のようなよい男、おなじみ佐七親分は、神田お玉が池で親の代から十手捕縄を預かる御用聞き。
恋女房のお粂、乾分の巾着の辰五郎とうらなりの豆六の佐七一家が、次々に起きる怪事件の謎を追って、花のお江戸を東奔西走する!
四季折々の風物に彩られた十編を収録。
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五大捕物帳のひとつと言われる<b>「人形佐七捕物帳」</b>シリーズ全180篇の中から10篇をセレクトした作品です。
■羽子板娘
■歎きの遊女
■笑い茸
■呪いの畳針
■蛍屋敷
■舟幽霊
■双葉将棋
■風流六歌仙
■万引き娘
■春宵とんとんとん
■解説 縄田一男
神田・於玉ヶ池に住む岡っ引の佐七が、次々と江戸の事件を解決… よく練られたトリックと冴え渡る推理、一見おどろおどろしい筋立てや濃密な性描写などが特徴で横溝正史の作品らしい作品でしたね、、、
江戸情緒あふれる物語設定と謎解きミステリの持つ論理的骨格がバランス良く融合していましたね… 美男で好色な佐七と焼きもち焼きの年上女房お粂との夫婦喧嘩、佐七の子分の江戸っ子の辰と上方っ子の豆六のやりとり等のユーモラスな描写も魅力でした。
シリーズ第1話で、佐七が実力を見せつけるきっかけとなり、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』を彷彿させる『羽子板娘』や、佐七と年上女房お粂との馴れ初めを描いた『歎きの遊女』、葛籠の中から遺体とともに大量の蛍が見つかるシーンが妖しくも不気味で印象的な『蛍屋敷』、暗号解読モノの『双葉将棋』等々、どの作品も愉しめました… 本シリーズ、別な作品も読んでみたいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男前で切れ者で度胸がよくて、ちょっと女に弱い親分さん。
なかなかでござんす。
ただ、佐七シリーズたくさんあるみたいで、この本は、ちょっとアレな抜粋みたいですよ。 -
えー、解説によると「捕物と論理の融合」らしいけど…半七とか顎十郎とかに比べるとやっぱりその辺の興味は弱いかな。探偵小説との融合って感じだ。でもなんとなく横溝正史が書いたらこうなるだろうなぁという感じではある。まあまあかな。