人形佐七捕物帳 新装版 (光文社文庫 よ 4-4)

著者 :
  • 光文社
3.42
  • (2)
  • (6)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334734374

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 横溝正史の短篇時代小説集『人形佐七捕物帳 新装版』を読みました。
    横溝正史の作品は8年前に読んだ『人面瘡』以来なので、久し振りですね。

    -----story-------------
    人形のようなよい男、おなじみ佐七親分は、神田お玉が池で親の代から十手捕縄を預かる御用聞き。
    恋女房のお粂、乾分の巾着の辰五郎とうらなりの豆六の佐七一家が、次々に起きる怪事件の謎を追って、花のお江戸を東奔西走する! 
    四季折々の風物に彩られた十編を収録。
    -----------------------

    五大捕物帳のひとつと言われる<b>「人形佐七捕物帳」</b>シリーズ全180篇の中から10篇をセレクトした作品です。

     ■羽子板娘
     ■歎きの遊女
     ■笑い茸
     ■呪いの畳針
     ■蛍屋敷
     ■舟幽霊
     ■双葉将棋
     ■風流六歌仙
     ■万引き娘
     ■春宵とんとんとん
     ■解説 縄田一男

    神田・於玉ヶ池に住む岡っ引の佐七が、次々と江戸の事件を解決… よく練られたトリックと冴え渡る推理、一見おどろおどろしい筋立てや濃密な性描写などが特徴で横溝正史の作品らしい作品でしたね、、、

    江戸情緒あふれる物語設定と謎解きミステリの持つ論理的骨格がバランス良く融合していましたね… 美男で好色な佐七と焼きもち焼きの年上女房お粂との夫婦喧嘩、佐七の子分の江戸っ子の辰と上方っ子の豆六のやりとり等のユーモラスな描写も魅力でした。

    シリーズ第1話で、佐七が実力を見せつけるきっかけとなり、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』を彷彿させる『羽子板娘』や、佐七と年上女房お粂との馴れ初めを描いた『歎きの遊女』、葛籠の中から遺体とともに大量の蛍が見つかるシーンが妖しくも不気味で印象的な『蛍屋敷』、暗号解読モノの『双葉将棋』等々、どの作品も愉しめました… 本シリーズ、別な作品も読んでみたいですね。

  • 男前で切れ者で度胸がよくて、ちょっと女に弱い親分さん。
    なかなかでござんす。
    ただ、佐七シリーズたくさんあるみたいで、この本は、ちょっとアレな抜粋みたいですよ。

  • えー、解説によると「捕物と論理の融合」らしいけど…半七とか顎十郎とかに比べるとやっぱりその辺の興味は弱いかな。探偵小説との融合って感じだ。でもなんとなく横溝正史が書いたらこうなるだろうなぁという感じではある。まあまあかな。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横溝正史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×