冬のスフィンクス (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 51
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334738181

作品紹介・あらすじ

楯経介には不思議な能力があった。眠りに就く前に絵を見ると、夢でその世界に入り込めるのだ。彫刻家、洲ノ木正吾の作品世界に彷徨いこんだ楯を待っていたのは、奇怪な連続殺人事件だった!猟銃で頭を撃たれた高名な画家、「開かずの間」に転がる首無し死体…。すべては夢なのか、それとも夢のような現実?読者を迷宮世界に誘う幻想ミステリーの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 夢の中で起きる殺人事件を描いた幻想的なミステリー小説。
    真相はやや面白味を欠いたものではあるものの、結末は切なくも美しく、素晴らしかった。

  • 『砂漠の薔薇』と一部登場人物はリンクしていますが、どちらを先に読んでも構わないでしょう。
    相変わらずの奇怪な登場人物たちと幻想的な舞台でずぶずぶと引きずりこまれてしまいます。
    夢の中での殺人ということで、いろいろと疑ってかかって読むと意外と真っ当な(?)ミステリで驚くかもしれません。
    解決自体も細かな伏線を張ってあり巧いものの案外あっさりしています。
    しかし、最後に明かされる夢の境界にはすっかり騙されてしまいました。

  • 詩的な文章が心地よい、美と狂気の幻想ミステリ。
    みずあめのようなねろねろ~っとした文体にのっけられ、現実と夢の世界を、気持ちよく行き来させられてしまう。
    一方では、切ない余韻の残る恋愛ミステリでもある。
    以下、ネタバレ。






    すべてが「自分でまいた種」というのは、感情の逃げ場がなくて悲しいものだ。
    「ピグマリオン」がハッピーエンドになれなかったとしたら、こんな感じかな。

  • 絵画の中に入り込む、というモチーフが印象的。ミステリというより幻想小説という気もするけれど。やっぱりミステリ……かな?

  • まず、個人的に乾いた感じの文章が読み辛かった。ストーリーはほぼ夢の中(しかも絵画の世界)で進行しているっていう設定で、変にリアリティが足りなくて入り込めなさそうな気がしたけど幾重にも重なる夢と現実のせめぎ合いにだんだん引き込まれていった感じ。あと、著名な絵画や心理学者が登場したりでちょっと読み進めにくいけど好きな人は絶対楽しい!全体的にすごい独特

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