京都宵 (光文社文庫 い 31-28 異形コレクション)

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  • 光文社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744755

感想・レビュー・書評

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  • 異形コレクションが復活したということで久々にこのシリーズを手にとってみた。
    舞台に夏を選ぶ作家さんが多かったのは執筆時期がその辺りだったから?
    四季折々の京都も堪能してみたかったかな。

    今回の布陣は好みの作家さん多し。テーマがテーマだからか?
    好みは「後ろ小路の町家」「はだかむし」「釘拾い」。
    今回はなぜか一休さんがいなかった不思議。このテーマならど直球だろうに。

    それにしても目次を見て、竹河聖から朝松健という並びは朝日ソノラマ文庫で育ったものとしては興奮するポイント。

    読後、京言葉が頭から離れなくなる一冊です。

  • 入江敦彦氏の、京都関係のエッセイが好きで、氏が描かれた小説が収録されているという事で、探しに探しまくって、やっと手に入れました。
    やはり、入江氏は小説を書いても、とても京都らしい怖さがあって良かった。
    最初の6編、『おくどさん』『テ・鉄輪』『くくり姫』『後ろ小路の町家』(一番怖い)『釘拾い』『夜の鳥』(別の意味で一番怖い)が、非常に京都らしい、文化的な事も含めて怖さを醸し出している。
    あとは、中だるみ?
    別に京都でなくても…という作品もあり。
    『衿替』は(京都らしい)、怖い中にもユーモラスな感じがして面白い。
    陰陽師は、流石の安定。
    最後が赤江瀑で〆られているのが、個人的にツボでした。

  • 京都をテーマにした怪しい雰囲気漂う異形コレクションの一冊。
    ホラー色よりも幻想色が強めの中で、三津田さんの「後ろ小路の町家」は怪談らしい怪談で怖い、ただし既読でした。
    好みなのは、
    入江敦彦「テ・鉄輪」
    加門七海「くくり姫」
    藤田雅矢「釘拾い」
    化野燐「夜の鳥」
    小林泰三「朱雀の池」
    森山東「衿替」
    京都というテーマにも合いつつ、よい出来で面白かったです。

  • 面白かったのは入江敦彦、藤田雅矢、速瀬れい、森真沙子。時折同じものを題材にして書かれていたので比較して楽しめた。

  •  井上雅彦監修の異形コレクション・シリーズから、京都を題材にしたホラー・幻想小説を集めたもの。
     なんとなく観光気分も味わえる作品が多く、もちろんホラーとしての質も決して低くはない。けれど、正直なところ、京都に絡める必要性、世界観が感じられないモノばかりだと思った。
     
     最も感動したのは、前の持ち主の仕業であろうか、文中に登場する京都弁の横に鉛筆でラインが引かれていたこと。(ちなみに、京阪三条駅上のブックオフで購入したもの)
     「しとくれやっしゃ」「なんどすけど」など、いちいち話し言葉の語尾にラインが引かれているのに加え、「二十一日の弘法さん」など、京都の年中行事にもチェックがされている。
     京都に越してきたものの周りの会話についていけない気がした人、とか、どんな境遇の人が「京都」を学ぼうとしたのかあれこれ想像するととても楽しい。本の内容よりも。
     そして京都を学ぼうとするなら、別にホラー短編集でなくてもいいんじゃない、と思うこともまた楽しい。

  • 京都を題材に書かれた全編新作書き下ろしの怪奇アンソロジー。
    京都というと、よく映画や小説に取り上げられますが、ここに出てくる【京都】は、私達が知っている京都とは違い、一歩間違えれば、人間でないモノが住む世界に紛れ込んでしまいそうな、そんな不思議な場所になっています。

    今回も良作揃いなので、軽くホラーが読みたいという人には面白いかも。

  • ……全く面白くない作品はほとんどなかったと思う。それなりに粒揃いというか。

    それでも強く印象に残ったものがあまりないのは、自分が京都に対する思い入れがほとんどないからかも……しれない。

  • これはとてもよいものです。シリーズの中でも1、2を争う勢い

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著者プロフィール

1933年下関生。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞。2012年没。

「2019年 『オイディプスの刃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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