子犬のように、君を飼う (光文社文庫 お 39-5)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745288

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の小説家が休暇で訪れたマカオでカジノ三昧、娼婦の少女を囲い金を湯水のように使い2週間程ホテルで一緒に生活して行く中で次第に恋愛感情が芽生えていくと言った話。 情景の描写が上手くマカオという街が目に浮かんでくるようだった。 とても現実離れしていてめちゃくちゃな生活ぶりの主人公だった。 後半帰国を打ち明けた際の少女の言葉に共感。 日本国内でIR法案に反対する人の気持ちが良くわかった。

  • カジノがテーマなのに惹かれて。
    大石さんのちょいエロ好き。

  • タイトルに一目惚れ。非日常の中でのふわふわした感覚とマカオのギラギラした雰囲気とでとても良い気だるさが伝わってくる。

    ただ、非日常で出会った愛を日常で現実の日本へ持ち込むのは少し強引な気がした。でも、少女にとっては逆に残酷な日常から、憧れの非日常への脱却かもしれないけど。娼婦の存在さえも非日常と捉えたのは、私の勝手か。それが現実な少女達も世界には沢山いるしね。反省。

    でもでもやっぱり、日本へ連れてきちゃうのは強い決断のように見せて、とても弱いように感じた。

  • 大石圭に凝って一時的にすごい読んでたけど基本すごい猟奇的

  • 大石圭さんの作品の中では
    かなり穏やかな作品だと思います。

    私、個人的にはホラー要素は全く無く、
    完全に恋愛小説としての印象が強いです。

    個人的に30も歳の離れた
    出会いがマカオの売春婦と客のこの二人が
    今後どのようになるのか気になります。

    やっぱり、子犬の様に大切に飼うのでしょうか。

  • ホラーじゃないよ

  •  小説家である主人公は、マカオのカジノで中国人の娼婦と出会う。
     主人公は、30歳以上も年下の少女にのめりこんでいく。

     本の帯には「異端の純愛を描く究極の恋愛小説」とある。
     そして、娼婦との恋愛は古今東西、物語の題材になってきたことだ。その使い古されたようなテーマに、大石圭はリアルというフラグを入れることで、「異端」なものに仕上げている。
     娼婦は娼婦であるゆえに、自我の一部を失っていく。娼婦であっても純粋などというのは、理想でしかない。「履き忘れた片方の靴」でもそうだったが、大石圭は男性にありがちな女性への盲目的な理想や幻想を、軽く打破してしまう。
     それが、大石圭を読む快楽につながっているのだろうかと、今回ふと気づいた。

     とはいえ、この少女娼婦はステレオタイプの域を出てはいない。
     特異なのは、主人公である小説家だ。
     自分の人生を失敗ばかりだったと振り返り、だからといって何も努力もしてこなかった彼は、妻の勧めで小説家になり、小説家として成功したのち、理由のわからぬまま妻から離婚された。その後、小説が書きあがるとマカオに来てギャンブルに没頭する、そんな生活をしている。
     彼も、娼婦も、自分の存在理由を失っているといえるだろう。
     そして、安穏と生きていくことはできる彼の方が、その喪失は大きいように感じる。

     物語の結末は決して苦いものではない。
     けれど、その背後に暗いものを感じるのは、決して間違いではないだろう。
     幸福を手に入れるために必要なスキルが、少なくともあの少女との幸福を手にするための自我が主人公には足りない。
     それとも、この出会いで、二人の重ねた時間が、彼を変えたのだろうか。
     
     続編を読みたいように感じるけれど、多分「言わぬが花」なのだろう。

  • タイトルを見て、またありえない性癖の話なのかなーと思っていたのですが、
    今回はいつもの大石さん節は健在ながらも、かなりの純愛小説でした。
    『履き忘れたもう片方の靴』的な純粋さ。
    これこそが大石さんの本髄なんだろうなーと思わせる作品でした。


    いつもの冷静ながらも残酷な話は大好きだけども、こういう話も結構好きだと思います。
    まぁ相手がマカオの娼婦というのが大石さんらしいですが。

  • ある意味「純愛」なんだろうけど、なんか、こう、欲求不満が残る感じがする。それは多分、主人公の小説家に偽善っぽいというか甘ちゃん風というかとにかくそういうイラつくものを感じるせいなのかも。それでそういう風に感じてしまうのは、自分がある程度歳を取ってしまったせいなのかも。そして多分、これが日本人が主人公じゃなきゃまだ夢をみれたかも、という気もするからなのかも。

  • タイトルに惹かれて買ったけど大石さんっぽくないお話でした。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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