浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話 連作推理小説 (光文社文庫 く 10-9)
- 光文社 (2010年2月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334747251
感想・レビュー・書評
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著者のぶっ飛んだストーリー構成が冴えすぎて何だかわからないくらい独特な推理連作。
「邪馬台国はどこですか?」と雰囲気は似ているが、本書のモチーフはタイトルの通り「昔話」や「お伽話」。
主人公は探偵稼業を営む中年男性なのだか、本書の真の「探偵」役は、彼らが集うバーの常連である、うら若き女性である。いわゆる「安楽椅子探偵もの」の範疇だが…トリッキーな作風(芸風?)を特徴とする作者のこと、そんな表現では事足りないのだ。
彼女が、主人公の抱える事件を、昔話になぞらえて解き明かしていく(それが本当に真相かどうかはわからない)わけだが…なぜか前半は毎回、アニメやらスポーツやらラジオ番組やらの昭和ウンチクが長々と…(笑)。
かなり無理やりな展開ではあるが、これもお約束と思えばそれなりに…肝心の推理部分はほんの少しだし、なのにうっかり読んでしまう。
いずれにしろ、著者にしか書けない作品であることは間違いないだろうなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな蘊蓄話を飽きさせずに読ませるなんて、筆力のある作家さんなんだなあ。でも再読はないだろう。
日本酒が飲みたくなってきます。 -
前作のメルヘン篇を読んだのが、かなり前だったせいもあるが、こんなんだったかな…と。3分の1が昔話とも、事件とも関係のないムダ話に充てられているので、昔話と事件の絡みが浅く、物足りない。
このシリーズも「邪馬台国は…」シリーズも、二度と読まないと決めた。というか、鯨統一郎作品は二度と読まない。
無駄遣いしてしまった。 -
前半の薀蓄とメインの謎解きが、ほとんど関係ないところがすごい。
自分より10歳上の人だと、薀蓄がはまるんだろうな。 -
4
『九つの殺人メルヘン』から数年後の設定の続編。時系列としては間にスピンオフの『すべての美人は名探偵である』が挿まれる。多少小ネタが絡むので出来れば順番に読んだ方が良い。
安心のワンパターンの美学。『みなとみらいで捕まえて』辺りでは、そのワンパターンが著しくつまらなく読む気をことごとく削ぐのだが、同じ作者の似たような構成の作品でも、作品が違うとこうも印象が変わるものか。蘊蓄ネタは少ししかわからないのにこの予定調和が実に心地良い。強引なこじつけも微笑ましい。最後もきっちりすっきり収まって、なるほど良くできたお話である。 -
有
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おきまりのパターンで続く、シリーズ連作。
全体的に馬鹿馬鹿しい雰囲気なので、それが楽しめないとつらそうです。
ミステリとも童話とも関係ない昔語りが自分とは世代が合わなかったので、これがわかる人が読めば…また違ってきたりする、かも? -
久々、あんまりの本に出会った(Ծ﹏Ծ )
フリが長すぎてダレる。世代が違うので時代も共感出来ないし。 -
「本当は恐ろしいグリム童話」の類似企画かと思ったら、
ちょっと違うけど、まあ、そんなものだった。
カバー裏で、著者が語っているとおり、
昔のテレビ番組の話
おとぎ話の考察
推理小説
なパートが、お互い無関係に出てきます。
「浦島太郎」の原初からの変遷。
自分も、桃太郎の年老いた母親のことは、気になっていた。
息子が海で行方不明になって、福祉も充実していなかった時代に、
どれほど心細い想いで息子の帰りを待っていたのだろうか?
と。
「桃太郎」と「オズの魔法使い」の類似性。
カチカチ山のウサギは、通常のウサギのイメージとはかけ離れているという指摘。
などなど、おとぎ話に関する薀蓄と考察が面白い。
引用されているももたろうの擬音は、「ドンブラコ、ドンブラコ」。 -
短編集なので、通勤中等で読み終えました。
お伽話を切り口にして、事件に結びつけるというパターンなので、推理ものだと思って読むとちょっと物足りない感じがするかも・・・
私はそうでした(⌒-⌒; )