憑依 (光文社文庫 い 31-33 異形コレクション 45)

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  • Amazon.co.jp ・本 (575ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334747848

感想・レビュー・書評

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  • 三津田作品「ついてくるもの」が一番。
    平山作品の「箸魔」もさすがの胸くそわるさで良し。
    テーマがテーマだけにハズレはない。

    朝松作品の一休さん最強。
    短編集にキャラものシリーズはどうかと思う。
    収録作にバラエティーがあってもいいのだが、、、

  • ホラー。短編集。
    気に入ったのは以下4作品。
    春日武彦「一年霊」オチが良い。
    三津田信三「ついてくるもの」怖さはダントツ。
    黒史郎「ゴルゴネイオン」光景が新鮮。
    上田早夕里「眼神」既読。良い話。

  • 久しぶりに読んだ異形コレクション。
    18人の作家さんによる憑依話。
    18通りの色々なパターンがあり
    幻想的なモノ、怖いもの、???って感じのモノまで。

    個人的には
    朱雀門出『地蔵憑き』、
    三津田信三『ついてくるもの』、
    福澤徹三『やどりびと』、
    田早夕里『眼神』、
    平山夢明『箸魔』の5作品が好き。

    『地蔵憑き』のラスト
    『ついてくるもの』は王道の怖さ、
    『やどりびと』の自分だけが知らなかったそのショック。
    『眼神』の切なさ哀しさ、
    『箸魔』では欲望が止まらない!!。

    憑依=ホラーだよ、
    憑りつかれること自体が恐ろしい。!!!Σ(ll||д゚ノ)ノ

  • 異形シリーズ、初めましての一冊
    憑りつかれることの怖さがこれでもかと詰まってました。
    監修の井上雅彦さんが仰ってたとおりに、最も怖いというのは納得。

    『ついてくるもの』は王道の恐怖があります。家族に魔の手が伸びるも、どうやっても逃れる事ができない。捨てても捨てても戻ってくる雛人形は、戻ってくる度にこちらも恐怖が積み重なってくる(ひゃーっ

    『箸魔』はひたすら不気味・・・。憑依された本人は恐怖を感じるどころか、恍惚としている。その魅力に捕らわれてずぶずぶと堕ちて行き、飽きることなく欲望を満たすことを止めない。第三者からみればぞっとする(やっぱりひゃーっ

  • 全部に怪しい雰囲気が出ていて良かったです。特にお気に入りは三篇。入江敦彦「修羅霊」、テ・鉄輪のシリーズをもっと読みたいです。田辺青蛙「首吊り屋敷」、不気味ながらもちょっと和やかな雰囲気が好きです。上田早夕里「眼神」、SFとホラーの調和が面白かったです。

  • 唐突にハマってしまった「異形コレクション」。テーマは「憑依」だが、妄執の類まで取り揃えた、なかなかのバリエーション。
    憑依の幕開けに相応しい春日武彦「一年霊」で軽く肩慣らし。かつての阿刀田高を思わせる、岡部えつ「奇木の森」、松村比呂美「溶ける日」の不条理譚と続く。これはなかなか妖しく心地好い。
    そんな中、前半の圧巻は、真藤順丈「飢え」と入江敦彦「修羅霊」。ことに「修羅霊」は、異形コレクション内で続く、入江氏の「テ・鉄輪」シリーズの一篇らしいが、“京都リミテッド京極堂シリーズ”ともいうべき世界観と完成度。キョートでヒョーイ、これはオススメ!この「テ・鉄輪」は、いずれ独立した短編集として刊行してもらいたい。
    そして後半。上田早夕里「眼神」は矢張り格別、いや別格の面白さで、憑きもの(民俗)に巧くSF味を絡める。冒頭、主人公が畦道で遭遇する奇妙なものの描写の恐ろしさ。さりげないけど怖い。
    そして、平山夢明「箸魔」。あの短い話のなかによくぞあれだけツイストが加えられるものだ!と素直に感動。流石に巧い。そして鬼畜!
    志麻子さんの「憑依箱と嘘箱」と町井登志夫「スキール」はかなりの変化球だが、これも面白かった。特に「スキール」はクルマ好きにはタマラナイお話。(大蛇と云われて、光岡のアレがすぐ頭に浮かぶ私も相当な…)
    トリを務める朝松健「生きてゐる風」は当然、一休さんが主人公。荒唐無稽に拍車のかかる伝奇アクションで気持ち良く締め括っていただきました。満足の一冊。

  • 「自分ではない何かに憑依される」
    という恐怖譚の王道テーマで来た今回の異形コレクション。
    確かに純度の高い怖さを愉しめた。

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2010-06-11

  • タイトルどおり「憑依」をテーマにしたホラーアンソロジー。読み終える頃にはすっかりと何かに取り憑かれた感が……?
    お気に入りは三津田信三「ついてくるもの」。これはもうひたすらに怖かった一作です。最初から最後まで全部怖い……そもそも、あんなところにお雛様がある、という情景そのものだけで十分すぎるほどの恐怖。想像するだけでぞっとさせられます。

  • 最新刊、異形コレクション。
    素直に『ホラーだな』と思ったアンソロジー集でした。『憑依』という一言でこれだけの作品が集まるのは矢張り凄い。

    一番わたしが怖かったのは、朱雀門出という人の『地蔵憑き』という短編でした。編者も書いていましたが、最後の数行が凄い。

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著者プロフィール

一九五六年、北海道生まれ。東洋大学文学部仏教学科卒業。
国書刊行会に入社し、ラヴクラフト作品などの企画出版を手掛ける。八六年、『魔教の幻影』で小説家デビュー。オカルト・伝奇小説を中心に幅広く執筆し、近年は室町時代を題に取った作品を精力的に発表している。二〇〇五年、短編「東山殿御庭」が日本推理作家協会賞候補。アンソロジストとしても高い評価を得ている。

「2023年 『一休どくろ譚・異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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