三酔人経綸問答 (光文社古典新訳文庫 Bナ 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752866

感想・レビュー・書評

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  • 岩波文庫版では註が充実していたが、、、

    光文社のPR
    http://www.kotensinyaku.jp/books/book185.html

  • 1.この本を一言で表すと?
    平和主義と武装主義の議論を対話形式でまとめた本。

    2.よかった点を3~5つ


    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・なぜ対話形式の内容になっているのだろうか?
    ・立憲制と民主制を区別しているのはなぜだろうか?
    ・洋学紳士は「狂暴な国は決してないことを知っています。」(p73)と言っているがそんなことはないということは明らかだ。
    ・豪傑君の理屈は現代社会では通用しない。
    ・欄外の「眉批」はどのように捉えればいいのかわからなかった。

    3.実践してみようとおもうこと


    5.全体の感想・その他
    ・最後の南海先生がまとめた内容は当たり障りのない内容で意外だった。
    ・解説を読んで大事なんとなく著者の言いたいことはわかった。19世紀後半の日本において日本がいかに生き延びるかをよく考えた結果なのだと思う。
    ・この本が書かれた明治20年頃にブランデーがあったのは知らなかった。

  • ▼推薦科目/推薦者
    グローバル時代の国際協力/渡辺敦子先生

    ▼推薦理由
    自由民権運動の理論的指導者である中江兆民の代表作です。19世紀末に書かれた本書ですが、現代の国際関係論でも大変に有用な議論であることに驚かされます。

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB15039736

  • お馴染みの洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人がヘネシーを飲みながら経綸について語り合うという本を現代語に訳したもの。100年も前の話だけど、中身はまだ舞台を現代にしても通じるんじゃないだろうか。

  • 登場人物は、洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人。
    3人はお酒を飲みながらこれからの日本について
    語り合います。
    洋学紳士と豪傑君2人の考え方はそれぞれ異なり、
    洋学紳士は自由・平等・博愛による平和主義者。
    豪傑君は軍備を増強し国を強くする帝国主義者。
    2人の意見を聞いた南海先生が最後に出す答えとは。
    著者は「東洋のルソー」と言われた中江兆民で
    明治時代の政治思想家です。この本は1887年に
    書かれたもので、100年以上経った現在でも議論に
    なる内容がたくさん書かれています。
     
     山内図書館Teens おすすめ本紹介より

  • 明治時代に、このような知識人がいたということを知れただけでもまず読む意味があった。
    大正から令和の時代の今までの歴史を振り返ると、その慧眼に驚く。

  • 現代語訳されているので非常に読みやすかった。1880年代に、これからの日本の国家論を述べたもの。

    洋学紳士は世界中の国が民主制を整えることで世界から戦争をなくすことができると唱える。一方、豪傑君は欧米列強は軍備を強化しており、いつアジアを占領しに来るか分からない、したがって日本も植民地を持っておくべきだと主張する。南海先生が言うには、洋学紳士の主張は理想論で、豪傑君の主張は今日では役に立たない。立憲制度を整え、平和外交を基調とする。様々な権利は次第に制限を解き、商工業も次第に浸透させる。こうした現実主義的な方針こそ、激動の時代を迎えていた日本が取るべき策なのだと主張した。果たして日本は戦争を重ね、領土を拡大していってしまうのだが…

  • 大酒飲みの南海先生の家に、自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略をと激する豪傑君がやってきて、それぞれの主張を述べて南海先生も持論を述べ、夜が明けて紳士君と豪傑君が帰るまでの話。
    物語が書かれた時代というところをイメージできた方が、それぞれの主張の背景みたいなものがリアルに感じられて面白いのかも。
    2人の対極な、でも極端であることは共通している主張も、のらりくらり話を聞いていた南海先生の話す2人よりマイルドな持論も、それぞれなるほどなと思う部分もあるし、現代はこうなってるよって3人に教えてみたい気持ちにもなった。

  • 1987年(明治20年)。平易な言葉に翻訳されてはいるが、当時の政治状況などよく理解していないと楽しめないだろう。とはいえ、文面を読むに、当時も現代と似たような不安を人々は抱えていたのだろうと推測できる。名作とされているが、これを現在の作家が書いて出版しても売れるとは思えず、名作というものはその時代にマッチした作風であり、文体であり、内容であり、さらに、それが時代を経てもなお残っているもののことを言うのだなと思うのだった。

  • 翻訳が分かりやすくてすいすい読めるし、想像以上に書かれている内容が今読んでも古びておらず面白い。(これが明治20年(1887年)時点で書かれていた驚き…)もちろん原文も収録されてます。
    豪傑君、西洋紳士君、南海先生の3名による正解のない議論(あえて読者に「そこ」を考えさせる構成)に加え、脚注と解説で補足された事項を踏まえ、もう一度ゆっくり咀嚼して読み直したい1冊でした。

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著者プロフィール

1847年、高知県生まれ。思想家。フランス留学後、仏学塾をひらき、新たな教育や自由民権思想の啓蒙につとめた。門下に幸徳秋水がいる。著作に『三酔人経綸問答』があるほか、訳書に『民約訳解』がある。1901年、没。

「2021年 『三酔人経綸問答 ビギナーズ 日本の思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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