今昔物語集 (光文社古典新訳文庫 Aン 2-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334754488

感想・レビュー・書評

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  • 平安末期に成立したとされる説話集の現代語訳。実際には1000話以上あるらしく、こちらはその1割程度の抄訳。原文で全部読みたい気持ちもあるけれどとても無理そうなのでとりあえずこちらで読んだけれど現代語訳かつ読みやすい話を抜粋されているのでとても面白くするする読めた。

    意外だったのは、日本の話だけじゃなくインドと中国の話もあるという点。仏教説話ゆえでしょうね。実際はもっといかにも仏教に重点を置いた話もあるのだろうけれど、こちらで読めるのはどちらかというと仏教とはあまり関係のない俗話。

    訳者のまえがきや解説にもあったけれど、説話というのはつまり、実話ベースの噂話であり、一種のゴシップなんですね。だからシモネタも多い(笑)最後の一文でもっともらしく教訓めいた言葉をつけたされたりしているけれど、単純にゴシップ週刊誌的な好奇心をそそるエピソードが、結局語り伝えられたのだろうなという印象。

    本書では
    一、男と女の因果な世界
    二、武人の誉れ
    三、僧侶も人の子、欲心・悪心あり
    四、跳梁する霊鬼たち
    五、異類と人間
    六、滑稽は賢愚貴賎を問わず
    七、悪行の顛末
    八、仏の救いは摩訶不思議

    の八つの章に分けられて、各ジャンルごとの説話でまとめられている。個人的には異類婚姻譚や幽鬼の類が出てくる話が好きだったけど、明るいシモネタものもなかなか楽しかった(笑)

  •  「今ハ昔」で語り始められる今昔物語。有名な作品を何編か読んだことはあるが、今回現代語訳ではあるものの、91話を一気読み。天竺及び震旦からも何話か取り上げられているが、やはり面白いのは本朝のもの。
     その種の作品が多く択ばれているのかもしれないが、正にゴシップの宝庫。仏教説話集であるので、各話の最後には作者の教訓めいたコメントがあるのだが、その内容は、民衆や武士はもちろん、僧侶まで実に生々しく、下卑た行動が語られる。

     改めて古文で読みたくなった。

  • 平安時代にバズった話のまとめ。普通に面白かった。

  • 今昔物語はもともと好きで、いろんな話があり、面白い。日本昔ばなしみたいな感じかなあ

  • 「今は昔」で始まる、お馴染みの説話集。
    平安時代末期に成立したと考えられている、31巻1000を超す説話が載る今昔物語から芥川龍之介も着想を得て「鼻」や「羅城門」を著しているのは、周知されるところ。この本には、そのうち大岡玲氏が選び、現代語訳をしたおよそ90ほどの短編が掲載されている。

    仏教説話と言っても、教義的とは程遠く、お固いことはほぼ無し。
    坊主、民百百姓、侍、貴族、天皇、皆恋愛か好きで特に男性諸氏は直ぐまぐわろうとする。
    嘘八百のことを書くことはないだろうし、きっとその時代はそれに近い世の中だったのだろうな。
    言い意味、人間味溢れるもので、なかなか面白いものだった。

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