ステパンチコヴォ村とその住人たち (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-24)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334754679

感想・レビュー・書評

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  • なんだこれは!
    ドタバタ喜劇!まだ半分しか読めてないけどどうなることやら…
    と思ってたら怒涛の結末を迎えた
    解説で知ったが
    「読まれないドストエフスキー」らしい
    なんかわかる!
    勝手に想像してたドストエフスキー作品と違った
    ボリショイバレエ観に行ったら吉本新喜劇やってたみたいなびっくり感ある
    ただこの作品にはロシア人の本質にせまるなにかがあるように思う
    振り幅が猛烈なロシアのひとたち


  • ユーモア小説ではあるけど、そこまで笑えるというほどではなく、普通にこの状況やばいし怖くないか?と思う場面も多かった。
    ただ、他のドストエフスキー作品に比べると、思想や宗教についてのことがほぼ書かれてないし、難しさもないので読みやすい。

    自尊心を拗らせに拗らせたフォマーが本当に読んでてイライラした。
    なんでも被害者面して「侮辱された!」とか言うのはすごく卑怯な攻撃の仕方だし、それに対して周りの人たちもそうだそうだ!ってなったり、謝ったりしてるのがこれまた余計にイライラさせる。
    家のなかにあんな人がいたら心が休まらないだろうに、なんであそこまでフォマーにみんな執心してるのかわからなかった…。

    他の登場人物もキャラが濃い人揃いだったけど、あまり出番はなかったりしたのでもっとその人たちについて読んでみたかったかも。
    名前をやたら変えたがる召使のヴィドプリャーソフや、素直で天真爛漫そうなぽやっとした感じの美少年召使のファラレイについてはもっと色々書けそうではあったし、個人的にはもっと彼らについて読んでみたかったなぁと。

    あのドタバタ感からあのエンディングにもっていくのはすごい力技というか、エッ!?とはなった。

  • 村の領主の屋敷に男が、巧みな弁舌とアップダウンの激しい気性で周りを翻弄し支配してゆく。
    ドストエフスキー作品お馴染みの息をもつかせぬ長広舌がこれでもかと味わえる。
    読みやすく、面白い。

  • 一家のあるじを言葉巧みに操り、我が物顔で振る舞う居候。やることは小賢しく、言っていることはしょうもないのに、おじや祖母の心酔ぶりが彼の存在を恐ろしいものにしている。息もつかせぬ長広舌とドタバタ劇の果ての結末は予想外のものだったが、熱に浮かされた人々の様相を描き出した例として、妙に納得してしまった。細かな注釈があったのが読みやすかった。

  • フォマーのこじらせた自尊心が平和な一家を恐怖に陥れる筋書きは、かつてのドスト自分達と重ね合わせて苦い思いを含めつつ、それを風刺させる事で過去の精算をしたのだろうか。

  • ドストエフスキーで読んだ事のない喜劇。
    エンタメとしても面白かった。

    一座の大御所たる将軍夫人、その威光を前にして人みなが怖れ畏む将軍夫人は、ひからびた意地悪婆さんで、喪服に身を包んでいた。とはいえ、鬼婆ぶりが増したのは、寄る年波に勝てず、もともと貧弱だったおつむが余すところなく枯渇したからにほかならなかった。

  • 巨匠の初期のマイナー?作品。しかし、他の名作同様に圧倒的なキャラクター造形。時代と国境を超越してくるこの感じはドストエフスキーならでは。本当に胸糞悪い群像劇(笑)

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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