- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334764920
作品紹介・あらすじ
総合商社の秘書課長・悪田に突然かかってきた電話。柴崎さよ子と名乗った女は知られたくない過去を握っていた。女を殺害した悪田はとてつもない「アリバイ作り」を思いつく(「あて逃げ」)。老若男女あらゆる主人公たちが思いめぐらす殺人の「偽装工作」。それが崩れるまでの人間模様を鋭く描いた倒叙ミステリーの傑作短編集!文庫未収録の作品「哀れな三塁手」も特別収録。
感想・レビュー・書評
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呼びとめる女
小説現代 1968年1月
囁く唇
小説新潮 1968年1月
あて逃げ
小説推理 1976年9月
逆さの眼
小説新潮 1968年9月
扉を叩く
小説現代 1966年5月
赤い靴下
推理ストーリー 1966年2月
パットはシャム猫の名
小説推理 1975年2月
哀れな三塁手
週刊サンケイスポーツ特集号 1966年1月
解説 山前譲詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
倒叙ミステリーっていう見たいだけど、こういうの。
なんともスッキリしない感じがする。
計画段階から読んでるからあとで見破られるにしろ殺人は実行できたんだしなーって。 -
倒叙推理もののノンシリーズ短編集。
倒叙ものとは、刑事コロンボや古畑任三郎のように、犯人の視点で事件が描かれる作品。
登場人物の言葉づかいに少し違和感も感じたけど、作品の発表年が、1960~1970年代だそうなので、時代のギャップもあるかな。
でもトリックはとても面白く読めた。
倒叙ものなので、「あ~それやったらダメ!犯行バレる!」と読みながら犯人応援してしまったり。(でもなぜバレるのかはわかってない…)
久しぶりに鮎川さん読んだー。
収録作品:呼びとめる女 囁く唇 あて逃げ 逆さの眼 扉を叩く 赤い靴下 パットはシャム猫の名 哀れな三塁手 -
どんなに入念に準備しても、予期せぬ事態や些細なミスによって犯行が発覚する。全てが思い通りに行くことなど世の中には無いと教えてくれているかのようだ。
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電車や病院で読むのにちょうどいい短編集。どろどろしていないし、犯人は初めからわかっているから、アリバイがどこから崩れるのかなあと安心して読める。
女性の登場人物の言葉づかいがていねい。これが普通なのかもしれないけれど、関西人でがさつな私としては違和感がある。けれども黒柳さんのしゃべり方に似ているから関東では普通なんでしょう。 -
動機はほぼ同じだが、アリバイのパターンは各話でがらりと変わる。短編らしく、短い中にもシンプルでキレのいいアリバイばかり。場所や小道具のチョイスなど、さり気に見えてしっかり練ってあるところがいい。完璧に偽装したつもりでも、完全犯罪とはいかない。そんなアリバイ偽装の穴も同時に組み込んであるのが、いかにも本格の鬼って感じ。
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2012/11/24読了