プラットホームの彼女 (光文社文庫 み 37-1)

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  • 光文社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774806

感想・レビュー・書評

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  • 大変面白く読ませていただきました。
    最終章に入った時、「ここはきさらぎ駅かい」と叫んでしまいましたが、そんなおどろおどろしくなく青春の後悔をハンカチが拭い取ってくれたような爽やかな話でした。

  • 誰にでもある「後悔の記憶」。あの日あの時の人生の選択を鋭く優しく包み込む六篇の連作短編集。
    生きていくことは後悔の毎日が続くことである。特に他者を傷つけた結果が記憶にあると、ずっと引きずる。駅のプラットホームに立つ少女の一言が、記憶を甦らせ、そしてひとつの結論を導く設定。抉るような厳しさがない分、物足りなさを感じるが、次回作が楽しみな作家に出会えた。

  • 彼女が誰を指しているのか後半から分かりづらかった。

  • 山間にある、時計塔のある高校の最寄りの駅。高校の時計塔の裏の部屋で幽霊を見たものは、願いがかなうという。そんな高校近くの駅に、高校2年だというが、同級生にはいない、オレンジのリボンをつけた少女が話しかけてくる。彼女に友人との悩みを、亡くなった娘の話を聞いてもらううちに、真実に出会う。

    幽霊ネタのほのぼのファンタジーアンソロジー小説。プロローグで事件性をほのめかして来るので追加まえてしまうものの、1本目から普通の青春小説という感じで、あれ?ダッシュボードのナイフとは?と思ってしまう。

    数本読んだところで、なるほど、駅に現れる少女はそうなんだな、と悟るが、なかなかこれという話にもならないので、特に何も考えずに短編を楽しむのがこの作品の楽しみ方だろう。

    終盤でいろいろとネタばらしをしていくのだが、読み終わったあとには、そういう設定必要だったかなあ?というのも正直なところだ。

    幽霊は幽霊であっても全然問題なかったし、悩みを作るために別の子も死なせてしまうあたりはちょっと安易だったかなと思わせられる部分がある。また、もう少し情景を描くところも必要だった。ほとんどが2つのシーンしか出てこないが「とある駅」「とある高校」で、周りの情景だとかが全く想像できなかった。

    「時計塔のある高校」というあたりも、アニメっぽい雰囲気である。実際にそんな高校ないでしょ?

    ゆるい青春小説短編集という感じ。悪い印象は特に持たないが、インパクトも少なめ。電子書籍でも良かったかな。

  • 泣けたー

  • 彼女は知らない。
    あとわずかで、自分自身の命が尽きようとしていることも。
    知らぬままに、彼女は夏空を見上げる。





    今日は、どんな1日になるだろう?
    昨日の続きでもない、明日への準備でもない、今日。
    人生でたった1日しかない、大切な今日。
    少女は、胸いっぱいに息を吸い込む。
    今日を、今この瞬間を、いとおしむように。

  • 思ったより切なかった。
    もっと恋愛系かと思ってましたが、切なさのほうが勝ちましたね。
    静かな雰囲気の物語です。

  • 秀逸なファンタジーだった。
    各々のエピソードが切なく暖かく素晴らしい作品。

  • 小さな出会いが一日を、未来を変えることがある。それは振り返れば奇跡みたいなことで。
    何気ない一日から、変化が、そして未来が作られていくんだなぁ。もちろん、悲劇もあれば、後悔もあるけど、それでも、続いていく。

  • 自分の読み方を変えました。
    文章を丁寧に拝読しております。どういう意図でこういう文章
    になるのかな・・こういう表現何だろうな・・というか。
    情景とかこちらの貧相な想像力で・・こう・・ね・・
    田舎者で経験少ないもんですから女の子のイメージ湧きにくいデス・・トホホ・・
    周囲は爺さん婆さんガキばかりなんで・・
    歯医者さんに行くと可愛らしい女の子達がいらっしゃいます。
    ちょと遠いのですが頑張って通院しております。
    通り沿いに猫が居たりもします。挨拶程度はしております。

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著者プロフィール

著者:水沢秋生(みずさわ あきお) 1974年、兵庫県神戸市生まれ。
出版社勤務などを経てフリーライターに。
2012年、第7回新潮エンターテインメント大賞を受賞した『ゴールデンラッキービートルの伝説』でデビュー。
青春の残酷さと美しさを描いた傑作『プラットホームの彼女』が話題となる。
主な著作は『運び屋』『わたしたちの、小さな家』『俺たちはそれを奇跡と呼ぶのかもしれない』など。

「2018年 『あの日、あの時、あの場所から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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