- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334786854
感想・レビュー・書評
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ガーデンデザイナーとして庭と植物の知識があり、外国人観光客を京都の庭園に案内する京都育ちのツアーガイドでもある著者が紹介する京都の庭園案内だ。
文庫サイズという手軽なかたちながら、写真もあり、中身もほどよい情報量があっていい。
ツアーガイドをされているということもあり、専門的になりすぎず、でもちょっとしたウンチクは知れる、という加減が絶妙で、庭園の知識はまったくない自分のような初心者にはちょうどよい入門書だった。
小堀遠州(安土桃山~江戸)、小川治兵衛(通称植治)(明治)、重森三玲(昭和)、名前は知っていた有名な庭師、こういう時代系列だったのか・・・そして重森三玲は庭の実測からスタートした遅咲きの人だったのか、とか、植治は山縣有朋と関係が深かったのか、とか。ちょっと知っている人には当たり前だろう知識が面白い。
中根金作という庭師の名前も初めて知った。足立美術館を作った人なんだな。
そして足立美術館がアメリカ人に愛されているという話も龍安寺よりも金閣寺の庭を好むアメリカ人(わかりやすい、大きい、ゴージャス!が好き)、という話の流れからよくわかる。
それにしても京都にはこんなにたくさんの種類の庭があるのかと改めて驚く。
定番の名庭から、はじめて知った大河内山荘庭園、いつか行ってみたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で見つけて借りたら。。。
すでに読んでいた。。。
自分の記憶力って。。。泣
再読をしても、行った気になれる本。
現地に行きたいものです。。。
2018/6/22再読
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京都に行かれないから、行った気になろう!と、借りた本。
私の大好きな庭たちが満載!
20個のお庭のうち、行ったことがないのは7つ。
高桐院、杉本家、無鄰菴、宝厳院、金地院、退蔵院、白龍園。
両足院の半夏生や、光明院の光さす庭の話を見ていたら、ますます京都に行きたくなった(笑)
光明院は、行った時に自分以外が誰もいなくて、しーんとした中で、あの庭と対面した時、私は泣けた。
著者は、新緑の時期が好きだと書いているが、偶然にも私が好きなのもその時期。
紅葉の赤よりも、私は青葉の紅葉が好きだ。
観ていて、落ち着く。
行ったつもりになるつもりが、ますます京都に行きたくなったのは言うまでもない。。 -
しばらく京都へ行っていない。
この本に取り上げられている無鄰菴なんかは、私も大好きな庭。
まだ行ったことのない仙洞御所や退蔵院、名前も知らなかった光明院、白龍園などに行ってみたくなる。
本書の解説は、全体的にコンパクト。
著者自身の体験が結構書き込まれている部分については、好き嫌いが分かれるところかも。
私にはヨーヨー・マとメサビーという作庭家が作ったミュージック・ガーデンに導かれるように園芸の道に進んだというエピソードは魅力的だと思う。
解説は疲れない程度で、見どころや、その庭の歴史、作庭家のことなどが紹介されていく。
私には普段の読書の合間の、いい休憩となった。
本格的な知識を得たい人には物足りないかも。
せっかくきれいなカラー写真もたくさん載っているけど、文庫本のサイズだと少し残念 -
<目次>
第1章 金閣寺VS龍安寺
第2章 夢想国師の造ったこの世の極楽浄土、天龍寺と苔寺
第3章 紅葉と苔を楽しむ寺~宝鏡寺と黄梅院
第4章 建仁寺「潮音庭」の三尊石
第5章 泣かせる庭~東福寺、重森三玲の庭
第6章 「石萌え」する庭~光明院
第7章 南禅寺と湯豆腐の思い出
第8章 日本人と桜~平安神宮と「神苑の庭」
第9章 新緑を楽しむ庭~高桐院
第10章 大河内山荘の夢
第11章 仙洞御所の緑の世界
第12章 等持院~サツキが可愛い庭
第13章 両足院の半夏生と「用と景」
第14章 梅宮大社の紫陽花
第15章 祇園祭と杉本家の庭の美
第16章 無鄰菴~山縣有朋と小川治兵衛の庭への情熱
第17章 五山の送り火と、宝厳院の苔と石
第18章 徳川家バンザイの庭、金地院
第19章 中根金作と退蔵院の庭
第20章 親子三代の想いを繋ぐ庭「白龍園」
<内容>
京都出身の庭師(ガーデナーかな?)が京都の庭を四季折々の(半分くらいはそれ以外の視点からも)姿を紹介したもの。女性らしく、各章の末尾にはそこに近くで食べられるスイーツの紹介も。ガイドブックとしても優れているでしょう。私の知らなかった寺院や庭も多く紹介されている。持って京都に行くべきでしょう!