風俗嬢という生き方 (知恵の森文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334786915

感想・レビュー・書評

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  • この著者の「男娼」が面白かったためこちらも読んでみた。
    第一章は文章がかたく、風俗嬢のとにかく真面目なインタビュー。 
    第二章から中塩さんらしさが発揮され、風俗嬢が語る出来事からその人の人生や物語が垣間見れ、文章が生き生きとしてくる。

    お水と風俗の夜の世界だけで生きてきた嬢は考え方がフワフワしているが、社会人経験のある嬢は地に足がついているというかしっかりしているなと感じた。
    また、その嬢の現役時代だけでなく、嬢をあがった十数年後に再インタビューしているのは、風俗という仕事を俯瞰して見ることができてとても良いと思った。

    印象に残った点をいくつか。
    ①対外的に愛想がいいタイプより、淡々と応対する人の方が取り繕わなくても生きてこられたのだから、人間的に信用できる。

    ②男と二人きりの状況で襲われたら急所より顔面を狙え。一瞬、動きが止まるので、その隙に逃げられる。

    ③中塩さんが風俗嬢とアジアに惹かれる理由は、その懐の深さにある。猥雑で混沌とした世界で、正も悪も光も影も表も裏もざっくり飲み込んでくれる包容力のようなものに惹かれるとのこと。

    最も印象に残った点は、あがった嬢が現役時代を振り返って風俗という仕事は「魂が削られる、心の傷を負う気がする」と語っていること。
    中塩さんもあとがきで、風俗(個人売春)を始めようか迷っている人へこうアドバイスしている。
    「やらないで済むならやらないほうがいい。悲しむ人がいるならしないほうがいい。身体を売らないと心や生活がラクにならず生きていけないのであれば始めればいい。そして一度でも経験したら、その後は、したことを後悔しない生き方をすること」。
    これは風俗嬢の取材をライフワークとして続けてきた中塩さんの最大公約数から導き出した答えだそうだ。

  • まじめな態度のインタビュー集。「本書は、社会学、民俗学といった学術的な面をほとんど持たない。性風俗のそのようなことを学びたい方は、専門家ともいえる著名人が執筆された書物を読んでいただけたらと思う。」(「はじめに」)

    これものすごいキツいな。

  • 当たり前と言えば当たり前だけど、この仕事を好きでやっている人もしょうがなくやっている人もいるって言う話。
    最近は風俗の仕事をしてもそう稼げないという話が印象的でした。
    こういうことになる社会はあまり正常な社会じゃない気がするなぁ。

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著者プロフィール

1974年生まれ。宮城県石巻市出身。アダルト系出版社を経てライターに。現在は女性週刊誌で執筆。政治家からウリセンボーイまで幅広い取材活動を行う。2002年〜2006年までタイ在住。現在、新宿二丁目在住。著書は『風俗嬢という生き方』(光文社知恵の森文庫)

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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