暗殺 鬼役(三十) (光文社文庫 さ 26-40 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
3.54
  • (2)
  • (4)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790776

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 将軍の毒味役である御膳奉行・矢背蔵人介は、幕臣随一といわれる田宮流抜刀術の達人であり、密命により幕臣の不正を断つ暗殺役という裏の顔があります。

    【景清】
    御旗奉行・雲井調所太夫は、小野派一刀流を修めた剣客の御徒士・牧田甚兵衛の妻・佐保を公方家慶の側室・お筆の方の御乳持として大奥にあげる。そして雲井は、牧田に大目付・遠山景元への刺客を命じるが……。

    【鬼追い鍾馗】
    勘定奉行・有重内匠頭正嗣と万字屋庄助は、徳島藩・蜂須賀家の中老・皆川内膳と謀り、同家の藍玉の不正を行っている。桜田御用屋敷の主人・如心尼は、矢背蔵人介に密命を命じる。

    【抜け弁天】
    老中首座・水野忠邦を暗殺すべく刺客が放たれる。矢背蔵人介の養子・卯三郎は、想いを寄せる旗本・門脇杢之進の娘・香保里が、この暗殺に絡んで誘拐された。卯三郎は、香保里を助けるべく動き……。事件解決後に、卯三郎と香保里は、抜け弁天で茅の輪を潜り……。

    【読後】
    卯三郎と香保里の仲が進展するか、気にかかります。

    【豆知識】
    御乳持(おちちもち)とは、乳母です。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    暗殺 ー 鬼役シリーズの30作目
    2020.08発行。字の大きさは…中。2020.11.23読了。★★★☆☆
    景清、鬼追い鍾馗、抜け弁天、の短編3話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    2022.09.11修正

  • 2020年8月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ30作目。3つの連作短編とも、蔵人介が、正義の暗殺剣で悪を成敗するシンプルストーリー。物足りないような、いや、やはりこれで良いような、どちらつかずの気分です。

  • 鬼役いよいよ30巻目に突入。
    今回の主役は卯三郎だった、もう全部持って行った感
    淡い恋ですな、にやにやが止まらない(最後まで)しかし修業が足りんなとも思ってしまった

  • いや~今回はこれにつきるな。
    串部。

    卯三郎がポーッとなって一方的に綺麗なお嬢様に恋しているのだと気がつく串部。
    卯三郎に”好きならガンガンいかなきゃ”みたいなアドバイス。
    笑った。 串部は何年おふくに恋心を口にできないでいるのだろうか。
    その串部がアドバイスとは。

    最近は事件が起きるとなにかと自分の推理を蔵人介に披露。
    愛すべきキャラクター。

  • 三十一巻と順番が逆となったが、卯三郎の経緯が理解できた
    読んでいない鬼役が少なくなって寂しい

  • 第三十弾
    知り合った内儀が不自然な死、背後の大奥の大物の非道な行い、知り合い友人になった思った老人の正体は、卯一郎の好きになった娘の危機を救う
    以上三話構成

  • 鬼役30。
    3話からなる。
    「景清」で、弥生半ばの牡丹雪を「桜隠し」、播州では、「小鳥殺し」と、呼ぶとの事。
    初めて知った言葉である。
    この当時の弥生は、現在の4月ではないのだろうか?と、思いつつ、卯月朔日の衣替えが、5月にあたるのでは・・・・
    話の本題にのめり込んで行った。

    「乳母」=「御乳持」とよばれるものに選出した牧田甚兵衛の妻佐保。
    位も合力金も貰えるとの事で、喜ばしい事なのだが、聞いてはならぬ奥の話を耳にした佐保は、駕籠の下敷きになったとして骸で帰って来る。
    この陰謀は、どう蔵人介は、対処するのだろうか?
    金四郎の刺客は、牧田甚兵衛である事が、わかる。
    能をよくしっている人には、宝生流の能役者の演じる「景清」は、巨大な敵に抵抗する武将の反骨心を演じているのだろう。
    薪能での蔵人介の一瞬の技が、冴える。

    「鬼追い鍾馗」
    蔵人介が、釣りに出かけてどこで出会った人物 牛尾勘助なる老人。
    その人物と別れた後に見た者は、野良犬が加えた青い手首。
    如心尼の所で、蔵人介が、顔を合わせた奥右筆の馬淵勘一郎なる者は、勘助の子どもであり、自分の信じるお役目に愚直に全うするのだが、・・・勘助は、自分の身をもって死にふす。
    蜂須賀家重臣とご用達の悪事に翻弄されたとしか思えない。

    「抜け弁天」門脇杢太郎が、自分の姉香保里に矢背卯三郎は、一目惚れしてしまう。
    しかし、香保里は、父の上司からの縁談を受け入れないといけない状態に・・・・
    卯三郎、頑張れ!と、思っていたら、つかまってしまったり、矢で、打たれたり・・・・と、散々であるが、その後の卯三郎の「竜尾返し」の技が、冴える。

    蔵人介、伝右衛門、串部六郎太の技も冴えまくる。

    最後の蔵人介は、卯三郎と香保里を見つめて、———万事めでたしーーーと結んでいる。
    ホッとする穏やかな結末である。
    卯三郎と香保里が、このまま仲良く結ばれる事に期待したい!

  • 卯三郎に縁談が?

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂岡真の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×