陰の人 吉原裏同心(36) (吉原裏同心(36))

著者 :
  • 光文社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334792527

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて面白く爽快で……。
    官許の遊里吉原の運営に携わる四郎兵衛会所で裏同心として活躍する示現流と眼志流居合の遣い手・神守幹次郎の活躍の物語です。
    此度は、京(京都)で1年間の修行中の幹次郎のもとに、吉原会所七代目頭取の四郎兵衛が殺された急報がもたらされて。幹次郎は、急遽江戸に帰って誰にも会わずに四郎兵衛の仇を討ち、吉原を乗っ取ろうとした第11代将軍徳川家斉の御側御用取次・朝比奈近江守義稙をはじめとする者達を殺して吉原の危難を取り除き京へ帰って来た。その噂を聞いた京祇園の旦那衆が幹次郎への期待から……。

    【読後】
    勧善懲悪で、展開が早く、幹次郎の剣が冴える物語になっています。
    読んでいて面白く爽快です。
    だだ、そろそろこの物語も終わりに近づいているようです。
    なお、この本を手に取ったときに、本のタイトルと表紙の挿画とデザインが変わっていたので戸惑いましたが「あとがき」を読んで、著者佐伯泰英さんの迷いが読み取れます。
    2003年3月の出版時の「吉原裏同心」から「吉原裏同心抄」へ、そして「新・吉原裏同心抄」へ変更し。そして今回は、最初の「吉原裏同心」へと3度も変更しています。

    陰の人 ー 吉原裏同心シリーズの36作目
    2021.10発行。字の大きさは…中。2021.12.01~04読了。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【バックナンバー】
    吉原裏同心シリーズのバックナンバーは、私の本棚より「タグ」→「タグの一覧を絞り込む」に「佐伯泰英」と入力。または、その中から佐伯泰英を探してください。そうすると著者佐伯泰英さんの本が一覧表示されます。私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。冊数が多いシリーズ本については、シリーズ名でも登録もします。「照れ降れ長屋風聞帖」「蘭方医・宇津木新吾」「日雇い浪人生活録」などです。

  • 吉原裏同心の4シリーズ目と思いきや振り直しの36作目。
    前作では会所の四郎兵衛の死で急遽江戸に戻ったところで終わったが、今作では戻ったはずの神守がなかなか江戸に現れず読者含めヤキモキさせる。現れない理由は後で分かったが、前シリーズ4作で解決しなかった案件が誰とも知れない内に一気に解決させてしまった。京に戻った神守は江戸に帰るべく、京で出会った人々に麻と二人で挨拶してゆく。
    京では数人を斬っただけだが、公家と薩摩の連合案件は解決したのかな?
    次作より完全に江戸編になるが、会所頭取となって吉原をどう改革するか楽しみだ。

  • 吉原裏同心シリーズでなのだが、シリーズ名がいろいろ変わっているのでまた今回も、とおもったら最初に戻ってすべてリナンバー。ということで36作目。いろいろシリーズがある中で、このシリーズが最後に残った。話の展開や広がりがつけやすかったのだとは思うが、最近はかなり停滞していた感が否めない。今回一気に吉原の話に決着がつき、同時に京都修行も終わりを告げたものの、展開はまどろっこしく感じた。。ここで終わらなかったのが軽い驚きではあるが、次巻からは話の趣が変わるのではないか?いずれにしても、決定版がではじめたので先行きは見えた感じである。

  • 一気読み。
    問題はほぼ解決....だと思うが....。

    幹様がナカナカ出てこなくてイライラ。
    悪役がナカナカ死ななくてイライラ。
    吉原が絶体絶命になってイライラ。
    と、カタルシスMAXで話は展開。

    読み終えた後、力が抜けました。
    で、その後どう続くんだよと、またまた気になる結末です。
    もうこのあたりで終わってもいい気がするのだが。

  • 第三六弾
    同心抄とか新とかよくわからない
    七代目が殺された件で吉原の危機が表面に、密かに江戸へ舞い戻った幹次郎が表に出てきた将軍側近を策をもって始末
    佞臣の驕りで自滅、晴れて一年後の帰還

  • 佐伯泰英先生も年老いた
    ラストへの筆に落ち着きがなくなった
    今回はいよいよ吉原も最後の日を迎えた
    かのような展開に読者ℋあヤキモキする
    だろうが、振り返ると幕政のトップと御
    側用人取次がどのようなかけひきで専横
    をできるかが甘いのと関係人物が反撃の
    行動にでるのだが従来の先生であれば3
    巻程度にするところを1巻にまとめた

    面白いのは間違いないけどね(´・ω・`)

  • 酷い事件だったけど、これで収まるのか?

  • 京で過ごしているうちに吉原会所七代目四郎兵衛は殺されてしまったし、郭内の老舗の店も乗っ取られ、会所の面々は大門を追い出されと踏んだり蹴ったりの吉原。
    四郎兵衛の仇は取らねばと、死を知った神守幹次郎はひっそり江戸へ。
    会所の連中や妻の汀女にもすぐには知らせずに機会をうかがい、いよいよ吉原全てが敵の手に落ちる寸前で一挙解決。
    やれるんならもっと早くやっておけと思わないでもないですが、一応幕府のお偉いさまをやるには叩けば埃だらけでも名目とかが必要なのですね。
    諸々片付けて京に戻り、一年の時を経てまた江戸に。
    余計なことですが、麻と幹次郎の再会共寝シーンいる?わかってはいたけど、読みたくなかったわー。もはや誰も突っ込まない感じですが。

  • ちょっと「吉原裏同心」を読まずにいたら、会所の頭取の四郎兵衛が亡くなっており、謹慎の身で、神守幹次郎と麻は、京都に身を置くことになっていた。

    陰の人とは・・・陽で、平穏な日常を行っているかのように見せて、京から遠い江戸ヘ 誰にも姿を現さずに仕事を淡々と遂行していく、幹次郎の姿!!!

    吉原のすべてを乗っ取ろうとする勢力をどのようにして、食い止めるのか?と、読み進んで行く・・・

    今のウクライナの情勢も、誰か、幹次郎のような人物が、いないのだろか?なんて、思いながらも、勧善懲悪的な幹次郎な采配に、一人敢行していく。

    そして、謹慎期間1年という約束を健気にも、守り通そうとする幹次郎の事は、京でも、江戸でも、内緒事であるのに、吉原を守り抜くことに成功したのは、皆、誰の仕業かを、心に秘めながら、了解している。

    あとがきを読んで、2003年から刊行されているとか・・・こちらも、佐伯泰英氏の小説にゾッコンはまって、もう月日を過ごしているのを再確認してしまった次第である。(笑)
    「新酒番船」は、読んでしまったけど、「出絞と花かんさし」は、読み切りだが、まだ読んでいない。
    次も、・・・又佐伯泰英氏の小説にはまり込んでしまいそう。

    あ~!!!
    これは、こう繋がるのだと、…
    12月に入り、新吉原裏同心シリーズを読み、江戸と今日の祇園の話に、ワクワクしながら、読むのが、止まらなかった。
    次の巻は…捜して見ると、「吉原裏同心」36である。
    知らずに読みながら、あれ!!!っと、一度読んだ記憶がある。
    結末は、思い出したが、必殺仕事人さながらの暗殺に、悪が成敗されて行く様が、描き出されていた。

    これで、今週末はクリスマス!
    10日程の間に、重い腰をあげて、(笑)掃除しなくては、と頭の中では、考えている。

  • 吉原裏同心抄の6冊、そして新・吉原裏同心抄の4冊をオリジナルの吉原裏同心シリーズ25冊に統合して通算36冊目。新・吉原裏同心抄で続いていた話がようやく・・・ いよいよ次巻で全編完結かしら?

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

佐伯泰英の作品

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