いとはんのポン菓子 (光文社文庫 う 24-3)

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  • 光文社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334795597

感想・レビュー・書評

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  • 良かった!
    素敵な作品に出会ってしまいました。
    まさか素朴でどこか懐かしいあの「ポン菓子」に、こんな誕生秘話があったなんてビックリです。

    京都の旧家の長女で裕福な家庭で何不自由なく育ったトシ子。機械に興味があり工学部に進みたくても「女性は結婚して子を生み育てるもの」という考えが当たり前の時代、女学院に進学し教師となる。
    戦争のせいで食べるものがなく、栄養失調で次々と教え子たちが亡くなる場面に遭遇したことで、子どもたちを救うために決意する。

    『私は子どもらにポーン菓子、おなかいっぱい食べさせたるねん。』

    作品を通して戦時の日本がどんなに悲惨な状況だったかがうかがえる。
    「ポン菓子製造への挑戦」を描きながら、トシ子という女性を通して戦争の理不尽さ、怒りや哀しみが描かれています。

    「飢えて死んでいく子どもたちを救いたい」
    その一念で、ひたすらにがむしゃらに奮闘するトシ子の姿に感銘を受けた。
    まだ19歳の女性が機械の製造工場を立ち上げるため北九州に単身で乗り込み、壁にぶつかりながらも信念を貫く姿に胸が熱くなりました。
    これは映像でも見てみたい作品。

  • 戦時中に食べるものがなく死んでいく子供達を見て、
    自分が子供の頃に見たポン菓子の機会を作ろうと決意。
    色んな困難を乗り越えてやり遂げるいとはんの話。

    戦争で儲けようとする人たちへの思いなども描かれていた。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00645413

    敗色濃厚となった太平洋戦争末期、大阪の旧家のいとはん・橘トシ子は国民学校の教師となる。栄養不足で教え子たちが次々と命を落とす中、少ない燃料と穀物で大量のポン菓子を作れる機械の存在を知る。トシ子はその機械の製造工場を立ち上げようと“鉄の町”北九州へ、一人乗り込むが……。人々を飢えから救い、復員兵に職を与えた実在する女性の奮闘の半生を描く。
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

1日10万アクセスをカウントする人気ブログ「ゲイです、ほぼ夫婦です」の著者。リクルート社員時代に全国紙の一面を使った広告でゲイをカミングアウトし、話題に。その後「オールアバウト」の同性愛カテゴリを担当し、圧倒的人気を博す。自身の壮絶な生育歴を、ドラマティックに描いたコミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』『母の形見は借金地獄』のほか、ゲイライフの日常を切りとったコミック『ジリラブ!』など。老若男女、セクシャリティを問わず多くの熱烈なファンをもつ。

「2018年 『角川つばさ文庫版 母さんがどんなに僕を嫌いでも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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