奇縁七景

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 201
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910341

感想・レビュー・書評

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  • 7つのお話が入ってました。

    皆さんがよく挙げられているように、1話目はグロテスクで、この先読めるかな、と挫けそうになりました。とはいえ、7話ともそれぞれ全く異なるような短いお話で、退屈せず終えました。

    2つめの「目に入れても」は、祖母に限らず母である自分の身にも重ねてしまい、なんだかとても辛く感じました。夫、息子、娘、孫、皆の言い分はとても分かる。けれども家族のために働いて、けれども家族は手伝いもしてくれない。
    会社と同じだけども、自分がやらなければ誰かがやる、でも、誰もやらないから自分がやってしまう…
    このお話が1番今の自分に変化をもたらしたかな、と思います。
    最後に少しその後がありましたが…
    夫と息子にも変化があったのかな??
    幸せがありますように(T_T)

    ちなみに、「黒い瞳の内」が好きな物語だと思いました。優しい話に思えました。

  • 最初の話が1番にがて!

  • 「虫が好かない」「目に入れても」「報いの一矢」「夜の鶴」「只より高いもの」「黒い瞳(め)の内」「岡目八目」――聞き覚えのある七つの“ことば”から生まれた、まったく読み味の異なる七編の奇想溢れる物語。
    (アマゾンより引用)

    最後の話面白かった。
    今までの人が全部出て来て

  • 世にも奇妙な物語にありそう(『報いの一矢』とか特に)。この作家の本は初めて読んだけど、タイトルとかの回収具合が結構好き。いろんな話があって、最後にすべてがつながる『岡目八目』。オムニバスでこういうのやってくれるの好き。謎はよくわからなかったけど。ただ、『只よりも高いもの』が若干毛色が違うというか、浮いている気がする。この作家の他の作品も読んでみたいと思った。

  • 読むのやめようかと思いながら結局最後まで読んだ。

    1作ずつの後味も決してよくはないのに
    なぜか読むのが止められない。
    瞳の中の話がとくに乾さんらしさを感じた。

    序盤の気持ち悪さがどうしても受け入れられなくて
    評価低めにさせてもらいました。

  • 食育、ペット、ネット社会と夫婦や孫を題材に描かれていて、身近で起こるかもしれないと感じるところもあり、読みやすかったです。

    でも、乾さん独特の描写が美しくて力強く、どんどん作中の世界に引き込まれていくあの感覚を感じられなくて残念でした。
    「これはミステリーじゃないよ…ね…?」というあいまいで物足りないまま、読了。

  • 2018.10.15読了

  • 聞き覚えのある七つの「ことば」から
    生まれた物語。
    「虫が好かない」「目に入れても」
    「報いの一矢」「夜の鶴」
    「只より高いもの」「黒い瞳の内」
    「岡目八目」の七編収録。

    元々、乾ルカさんが好きだったのと
    帯の「そのまんまじゃないか!」に
    惹かれて読んでみました。
    後味の良いものから悪いもの
    ホラーテイストまで色んな読み味の詰まった
    乾さんらしい短編集。
    前半と後半でだいぶん受ける印象が
    違うのではないでしょうか。

    最初の「虫が好かない」はインパクトが
    強すぎて貧血になりそうでした…
    (虫が苦手なので)
    好きだったのは「黒い瞳の内」。
    瞳の中の男性の正体は察しがつきましたが
    綺麗で優しい話です。
    最後の「岡目八目」では全話の登場人物が
    チラッと登場しています。

  • 7つの奇妙なお話し。表紙のイラストが綺麗だったので手に取ってみたけれど、一番最初の「虫が好かない」がトラウマ級に無理でした。もう読むのやめようか…と思ったのですが、こちらのレビュー・感想でみなさん後半に行けば良い話があるとのことでしたのでぐっとこらえて読み進めて行きましたところ、「夜の鶴」あたりからいいお話ばかりで、最後の「岡目八目」では最後の一言にじーんと感動がこみ上げてきました。良いクライマックスでした。終り寄ければすべて良し、ですね。それと各話に登場した人達が最後にチョイ役で出てくるところも良かったです。
    まさにピンからキリまで。目を背けたくなるようなものから目が離せなくなる話しまで、この1冊に詰まっているんです。とことん醜悪にもなれるし限りなく美しくもなれる両極端の可能性を持つ人間という存在、その人間が作る社会がこの本の中に集約されている…
    と言っていいのかも知れませんね?

  • 誰からも認められているのに正社員の打診を断る理由とは?特定の犬だけを無料でトリミングするペットショップ・・・不可思議な短編集。

    理不尽。まず頭に浮かんだのがこの言葉だった。特に占い師に人生を狂わされた『報いの一矢』は、正義を振りかざせば何をしてもいいという現代の風潮の悪い面をまざまざと見せつけられているようで腹が立ったくらい。
    そしてラストの『岡目八目』では、これまでの登場人物がちらりと顔を出している。虫の女の子は取り敢えず普通に生活しているようでホッとしたが、やはり占いの一家は残念なまま・・・。犬の話からは誰か出てたのかわからなかった。

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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