彩(いろ)は匂へど 其角(きかく)と一蝶(いっちょう)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910914

感想・レビュー・書評

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  • 『酔ひもせず:其角と一蝶』の続編且つ前日譚。

    『酔ひもせず』を読んだのが2016年で、内容はほぼ覚えていなかったのですが(汗)、本書は芭蕉の一番弟子・其角と絵師で幇間の暁雲(後の英一蝶)の出逢いの物語(所謂エピソード0)なので、特に問題なく読めました。

    深川にある松尾芭蕉の草庵で、芭蕉布(琉球の布)に包まれた不穏な投げ文と、掛け軸が蛇の文様で汚されるという騒動が持ち上がります。
    偶々庵を訪ねた暁雲が見かけた琉球衣装の女と何か関係があるのでしょうか。暁雲は芭蕉の一番弟子の其角と共に、庵で起こる不可思議な事象の解明に乗り出しますが・・。
    場の空気を読み、幇間らしく気が回すのが上手いけれど、内心どこか斜に構えている暁雲と、頭はキレるけれど天然キャラで悪気なく失言しがちな其角。二人のコンビバランスが絶妙で、其角の言動に(心の中含む)ツッコむ時の暁雲が嬉しそうなのが微笑ましいですね。
    二人が追う謎の背景には、“大和”に従わざるを得ない琉球の人々の当時ならではの事情があって、それがとても切なく思いました。
    因みに、其角と暁雲(一蝶)を結びつけるキューピッド的な役割となった紅花太夫は『紅きゆめみし』という作品にも登場します。実はこの本きっかけで本書を手に取ったのですが、沖縄復帰50周年に琉球を扱ったこの物語を読んだのも何かの縁かな、と思った次第です。

  • 2019/2/7(木曜日)

  • 消えた琉球の女、投げ込まれた脅迫文、
    汚された掛け軸。江戸、深川の芭蕉一門が
    集う庵で起きた騒動を、其角と一蝶が解き明かす!
    異端の絵師と記載の俳諧師が出逢い、
    無類の友になるまでを描く、「酔ひもせず」の前日譚!

  • その日、深川の芭蕉庵は大騒ぎだった。芭蕉布(琉球の布)に包まれた物騒な投げ文が見つかり、芭蕉の掛け軸が蛇の這った跡で汚されていたのだ。文の内容は、恋しい相手を奪われた恨みの歌。そこに絵師の暁雲(後の英一蝶)が訪れ、庭に琉球の装束を纏った謎の女がいたと告げる。事件は女による脅迫か、ただの悪戯なのか。暁雲は芭蕉の一番弟子・其角と共に謎を追うが―。吉原で太鼓持ちを務める豪放磊落な暁雲と、生真面目だが不思議な話が大好物の其角。二人が出逢い、唯一無二の友になるまでを描く、『酔ひもせず其角と一蝶』の前日譚!

  • 二人が出合う物語。前作の方が好き。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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