- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910952
感想・レビュー・書評
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難民問題の難しさを入管の立場から学べる本。
最後の怒涛の伏線回収が面白い本でした。
「軍事政権による明らかな弾圧、迫害の被害者なら、大きな問題はなく難民認定できる。だが、歴史を遡る場合、立ち位置によっても正義は変わってくる。第三国の部外者に真偽を判断することは至難の業だ。そもそも、大抵の歴史は専門家でも評価が分かれることが多い。一介の難民調査官が安易に答えを出すと、外交上の問題になりかねない。」p.146
「難民全てが"善"でもないし、難民全てが"悪"でもない。"弱者"を守るという精神は尊重されるべきだが「絶対弱者」は存在しない。相対的なものである。」p.326詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難民調査官の女性が主人公。
難民問題、テロリスト、国際情勢がサスペンス調に描かれている。
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2022.3.31-505
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途中、うーんと読むスピードが遅くなってしまったが、まずまず。
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何事も正しく調査するというのは手間暇がかかるのね。
調査対象者の不利にならないよう正しく判断しないといけないし、緊張の連続ではないだろうか。 -
面白くて勉強になる。水際対策の大変さと、日本国民がどれ程守られているかわかった。外国人が増えたとき、持ちつ持たれつできたらいいのだが。
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日本に難民なんているの?思わずそう思ってしまう人は少なくはないだろう。それほど私達の日常と難民という言葉の繋がりは薄い。正規のルートで入国できたのに、パスポートを処分し、難民申請をするクルド人の男。彼はなぜそんな真似をしたのか?そこには難民認定に対する前提と原則があった。ミステリでもあるが、人道的面を持ちつつ、防衛の役も担う難民調査官の難しさと不条理も感じられる作品である。
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難しいのに読みやすい
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意見や見方に溢れている。
単純な白黒を、安全地帯にしてはいけない。