難民調査官

著者 :
  • 光文社
3.40
  • (8)
  • (34)
  • (33)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 196
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910952

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 難民問題の難しさを入管の立場から学べる本。
    最後の怒涛の伏線回収が面白い本でした。

    「軍事政権による明らかな弾圧、迫害の被害者なら、大きな問題はなく難民認定できる。だが、歴史を遡る場合、立ち位置によっても正義は変わってくる。第三国の部外者に真偽を判断することは至難の業だ。そもそも、大抵の歴史は専門家でも評価が分かれることが多い。一介の難民調査官が安易に答えを出すと、外交上の問題になりかねない。」p.146
    「難民全てが"善"でもないし、難民全てが"悪"でもない。"弱者"を守るという精神は尊重されるべきだが「絶対弱者」は存在しない。相対的なものである。」p.326

  •  難民調査官の女性が主人公。
    難民問題、テロリスト、国際情勢がサスペンス調に描かれている。

  • 2022.3.31-505

  • 読めば読むほど自分の無知にどんより。


    中島京子さんの「やさしい猫」を読んだことで、知人から勧められたこの本だが、まるで別世界みたいな話なのに超現実的。

    しかし品川から牛久の入管まで、そんなに簡単に行けちゃうの?っていうのが単純な疑問。
    かなり遠いよ。特に牛久駅からがとんでもない。タクシーに乗るのかな・・・とか、しょーもない感想しか浮かばないほど思考停止している。

    とりあえず日本に生まれた自分に安堵。

  • 途中、うーんと読むスピードが遅くなってしまったが、まずまず。

  • 何事も正しく調査するというのは手間暇がかかるのね。
    調査対象者の不利にならないよう正しく判断しないといけないし、緊張の連続ではないだろうか。

  • 面白くて勉強になる。水際対策の大変さと、日本国民がどれ程守られているかわかった。外国人が増えたとき、持ちつ持たれつできたらいいのだが。

  •  日本に難民なんているの?思わずそう思ってしまう人は少なくはないだろう。それほど私達の日常と難民という言葉の繋がりは薄い。正規のルートで入国できたのに、パスポートを処分し、難民申請をするクルド人の男。彼はなぜそんな真似をしたのか?そこには難民認定に対する前提と原則があった。ミステリでもあるが、人道的面を持ちつつ、防衛の役も担う難民調査官の難しさと不条理も感じられる作品である。

  • 難しいのに読みやすい

  •  意見や見方に溢れている。
     単純な白黒を、安全地帯にしてはいけない。

全41件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村敦史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×