ノーマンズランド

著者 :
  • 光文社
3.66
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911928

感想・レビュー・書評

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  • 4.2
    姫川班、今回は北朝鮮拉致の話でした。
    面白かったんですが、ちょっと盛り上がりに欠けた感がありました。
    玲子さんはそこそこ年齢を重ねてしまっていて、続編を楽しみにしている身としては、もう少しゆっくり歳を重ねていって欲しいなという気持ちです。
    色々な事件が起きて、なんだかんだと解決していく展開ですが、それもそろそろ昇進して、新たな展開というか新たな立場で事件に携わる姫川を見てみたいという気持ちが強いですね、キャリアなんでアレですが、所轄の署長とか管理官とかの姫川を読んでみたい。そんな立場になったらどう動くのか?同じ立場で事件だけ新しくなっていくという展開はちょっとお腹いっぱい気味です。

  • 姫川玲子シリーズの第8弾! 拉致問題と憲法第9条を織り交ぜた内容。序盤の過去と現在の交錯がちょっと整理するのが大変で(まあそれもプロットなんだろうけど)、立ち止まること数回...。終盤のグロさは相変わらず...。思わず目を逸らしたくなる。新キャラ登場で今後も同シリーズから目が離せない。

  • 難しいテーマに取り組んだなあと、途中ではたと気がついた。初めの女子高生行方不明事件がこう繋がって来るとは!家族が突然行方不明になったらと思うとその苦しみは計り知れない。題名が突然重みを持って迫ってくる。

    捜査陣の方はガンテツの裏事情が判明したり、姫川が一人自室に帰って自分ツッコミしたりする様子にはクスッと笑ってしまって、登場人物の厚みがますます増して行って楽しんで読めた。
    重いテーマとのバランスが絶妙で少しホッと出来た。政府にももう少し頑張ってもらいたい。解決に向かう事を心から願う。

  •  姫川玲子『ストロベリーナイト』シリーズ最新作。いつものように話のテンポが良く、相変わらず一気に読ませる。当然ストーリーも鉄板で面白い。今回は北朝鮮の拉致事件が関係している。
     前作の『硝子の太陽Rルージュ」で上司の林統括警部補を亡くして、気を落としている姫川玲子だが、それでも事件は起こる。

     本作で少し気になったのは玲子が丸くなったというか、年を取ったというか。本作品中での玲子の年齢は35、6歳なので年相応になったということか・・・。幼女の相手をするときに自分のことを『おばちゃん』と呼んだり、自分の部屋の中で自分のことを『玲子さん』と言って褒めたりと、『ストロベリーナイト』や『ソウルケイジ』などの初期の作品にあった玲子のギラギラ感というか、一人で突っ走る感が無くなっている。

     このまま玲子が年を取ると、筆者の他シリーズ『ドルチェ』や『ドンナ ビアンカ』の主人公・魚住久江巡査部長とキャラがダブってしまう気がする。
     それでも姫川玲子のこれからの活躍、成長を見守っていきたい。今回初めて出てきた武見検察官との関係も目が離せない。
     あと、自分的には今回井岡巡査部長と玲子のカラミが全くなかったのが少し寂しかった(笑)。

  • 姫川玲子シリーズ最新刊。

    誉田さんの姫川玲子シリーズは好きだった。
    (過去形になっている…)
    ストロベリーナイトは面白いと思った!
    時々出てくるグロテスクな表現はちょっと…、と思うこともあったけど。
    それがちょっとずつしんどいと感じるようになり…
    前作、『硝子の太陽』は途中でリタイアしてしまった。
    けれど、あきらめきれず、最新刊を読んでみたのだが…
    読むのが辛い場面が多々あり…
    しばらく休憩しよう。

  • あれ。久しぶりにこのシリーズを読んだのだけどそんなに盛り上がらなかった。
    こんなにグロかったっけー・・
    北朝鮮の拉致問題、そしてガンテツの過去。

  • 問題作。

    半島の国が絡んできます。この本が出た2017年と言うと、不審船事件から時間が経ち、自衛隊にも特殊部隊が創設されと言う時間の経過があるわけですが、被害者の視点では時間は止まったままなんですね。

    東京地検の検事が出てきたりして、シリーズはもっと進化しそうです。

    ところで、もはや姫川玲子のセリフには竹内結子さんの声しか聞こえないのです。元々は、松嶋菜々子をイメージしていたと言う事ですが、竹内結子さんで良いんじゃないでしょうか?

  • 面白くは読めるのだが、社会問題と絡めることが多くなってきたと思う。そういう主張がしたいのか?と余計な推測をしてしまう。

  • 姫川玲子シリーズ最新作。これからの続編が期待される内容となっている。

  • 姫川玲子シリーズ。
    葛飾署管内で発生した女子大生殺人事件の捜査に加わった姫川玲子。捜査上に挙がった容疑者は、既に別件で他の所轄に逮捕されていたものの、情報があがってこなかった。玲子が独自のルートで調べ始めると・・・
    恋人が行方不明になった高校生、政治家からの面倒ごとを頼まれたガンテツ、そして事件を追う姫川らと3方向からの展開は面白かった。懐かしの姫川らに加え、新キャラクターの武見の存在も気になるところ。

  • 待望の姫川シリーズ!もう何作目かな?今回は姫川が大人しく感じた、、、まだ林の死を引きずってるし、「死神」って言われてることを気にしてるし、罪の意識をすごく感じていた。久しぶりに康平と組んでもあまり元気がないし、、、。そのせいかテンポが遅く感じていつもの姫川シリーズほどさくさく読み進められなかった。
    今回は新キャラの検事が登場するのと、終わり方もまだまだ続く感じの終わり方で先が気になる展開に。ニョロって誰だ??と思ってたけどすぐわかっちゃったね。
    あと、ガンテツの過去も知れたのがよかった。元々は根性ある正義感もある刑事だったのだと思うと今のなんでもアリなスタイルのガンテツが悲しく思えてならない。

    今回のお話の展開は、北朝鮮拉致被害者にスポットを当てていた。実際にあることだけど、やっぱりどこか非現実と感じていた中で、拉致被害者の辛さ、やるせなさももちろん、残された遺族や恋人たちの人生をも狂わせてしまうんだなぁと。居た堪れない。自分も死ぬ覚悟で北朝鮮工作員を拷問する津川の気持ちったら、、、。北朝鮮怖いし、日本の憲法のあり方も怖い。

  • 面白い!おもしろい、が別にもう姫川刑事でなくても誰でも良いと思う。そういう作品になってきた。

  • 姫川玲子シリーズ。
    前作「硝子の太陽」で、上司の林を殉職で失ってしまった玲子の打ちのめされた様子から今作は始まる。
    最初の事件は女子大生の殺人事件。しかし、その容疑者の一人が別の事件の容疑者として、他の所轄に拘束されたことから、事件の本筋は女子大生殺人事件からどんどん離れていく…
    章の最初に一人称で語られる高校生の物語と、捜査の本筋からどんどん離れていく玲子が求める真実がどう繋がるのか?とても気になる展開で、ほぼ一気読み。
    北朝鮮問題、憲法第9条の改正など、時事問題を練り込んだ構成は良く出来ていると思うが、私が感じた物語の本質は「純愛」。作者の意図を理解出来ているとは思えないが、作品を通じて、深い愛を感じる。
    暴力的なシーンやシリーズ初期からの登場人物の成長している様子は、久しぶりに「ストロベリーナイト」を初めて読んだ時の興奮に近いものを感じた。
    そういう意味では、今作は「ストロベリーナイト」に次いで、好きかもしれない。

  • 久しぶりの姫川シリーズ。
    やっぱり姫川シリーズは面白い。
    初海の事件のほうが気になって、どうリンクするんだろうって思ってたら、そういうことか。
    悲しい結末に号泣した。
    でもラスト2ページで目が点に!!!
    え?玲子さん??
    武見諒太かー!!!
    ノーマークでした!!!

  • 若い時に不幸な出来事に出会ってしまうと、それが人生を変えてしまうことがある。本人の責任でも親の責任でもない。ただその巡り合わせが不条理に思えてならない。
    北朝鮮拉致された女子高生と彼女を好きだった同級生のお話

  • 久しぶりに姫川さんに会えて嬉しかった。なんか、「」の後の一言、という表現手法がやけにハマってて、姫川さんが余計に人間っぽく魅力的になりました。ストーリー的にも今までにも増して深いテーマがあって重厚感がありました。この路線を続けるのは難しとは思いますが、次の作品も期待しています。必ずありますよね! やっぱり、このシリーズのことが大好きだと認識した時間でした。Joyeux Noel ‼︎

  • 順番通りこの姫川玲子シリーズを読んでるつもりだけどいつ林さんは死んだんだろうか?
    自分の記憶力に悲しくなる。

    さて、この「ノーマンズランド」
    この話のように涙を流しながら何十年も生きている人たちが現実にいる。
    国が関係して事件を抹消したことも多々あっただろう。
    ただ、現実は実行犯に復讐は誰もできない。それが悲しい。

    結局この話は憲法九条の改正を訴えたかったのだろうか。
    むずかしい。

  • これまでの姫川玲子シリーズの中で一番面白くなかった。
    姫川は35歳になったのにストロベリーナイトの頃と精神年齢が変わらずに犯人に感情移入し過ぎで感情を顔に出すことに白けてしまう。
    ラストで姫川と武見が引かれ始めてるのも唐突だった。

    このシリーズに求めてるので登場人物の内面の格好よさなんだけど
    今作では全ての登場人物の描き方に深みがなかった。
    新姫川班のメンバーの影が薄過ぎたのも残念。

    二点だけ面白かったのはガンテツの公安入りのきっかけと
    葉山が過去と決別できたこと。
    葉山が在庁時に試験勉強してないことに驚いた。

    鴨志田を実写化するとすれば絶対に本田博太郎。

    そして國奥先生がお元気になっていて良かった。
    津川雅彦の國奥先生はもう見られないけど
    原作を読む時に私の頭の中で思い浮かぶのはこれからも津川雅彦の國奥先生だ。

  • 2019/3/3読了。
    切ない。辛い。
    姫川玲子と旧姫川班のメンバーも出てくるので、ワクワクしながら読み進めたけれど…
    重くて胸が締め付けられる内容。
    純粋で無垢な高校生カップルが…と思うと、涙が溢れてしまう。
    全くのフィクションではないところが、余計に辛いところ。
    星5つでも?と思う1冊だけれど、もともとの事件が霞んでしまって、なんとなく尻切れとんぼのような印象もあるので、4つで。武見が急に男らしく、カッコいい人になったのも納得できないところもある。

  • 姫川シリーズ。
    北朝鮮の拉致問題。初海の家族、江川の気持ちを思うと辛すぎる。
    拷問のシーンは自分の手を見ながら想像して、読むのが辛かった。
    姫川班のメンバーがいっぱい出てきて嬉しかった。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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