シネマコンプレックス

著者 :
  • 光文社
3.36
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本棚登録 : 401
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911942

感想・レビュー・書評

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  • シネマコンプレックスで働くアルバイトたちの群像劇。お仕事小説である。各章、違った人物の視点で書いているので、共感できる立場の人がひとりはいるかも。
    私の場合は片山さん。ーみんなが忙しいのに、私ひとり何をやればいいのかわからなくてひまだ、という状況。ワカル。
    職場経験これからの若い人向きの作品だと思う。

    この世代の作者にしては古い結婚観に驚いた。
    やりたいこともないから、今の彼と結婚して酒屋の嫁になればいいかと考える千秋。
    島田と話し合うことなく、告白と同時に実家についてきて(=実家で自分を手伝えということ)とプロポーズする岡本。
    本書はこれがラストシーンになっている。

    読んでいて、え、島田と映画館を再起させたいとか夢を語って、という順じゃないんだ?
    島田に他の仕事をする選択肢は与えないわけだ? 本人の意志関係なく?

    と、めちゃくちゃ驚いたんだけど、田舎だから他の仕事という選択肢はないのか。島田がその仕事いやだと言うなら、他の女と結婚しなくちゃいけないのか。そういうものか。

    それはそれで結婚の目的がはっきりして、夫婦とも別の仕事で忙しくすれ違いなんていう問題は出てこないから、逆にこれは肯定的に考えたほうが良いのか?

    と、えらく考えさせられた。
    今の時代、いやいや結婚する必要はないわけで、
    再評価される結婚観なのかもしれないと思った。

    二人で家業の仕事をやっていく、うまく行かなかった場合も二人で協力して対処していく……ということですね。最初からその気なら、なるほどアリですね。

  • 素敵な終わり方だった。表紙もイラストもいいタッチだった。もう少しそれぞれの話のオチをくっきりかいた方が好きだったかも。でもおもしろかった!

  • 映画館の仕事がどんな感じなのかわかった。そしてハッピーエンドもあり良かった。

  • あーキュンキュンした♪

  • 畑野さん初読みです。シネマコンプレックスの従業員やアルバイトたちのクリスマスイブの一日の仕事の様子が、違う担当の視点から連作短編の形で描かれます。スタッフたちがどんなことをどんな風にしているのかが、経験された方ならではの生き生きとした筆致で伝わってきました。登場人物に自分を重ねて、あるあると思ったところも少なくありませんでした。たった一日の情景で少しずつ5年前の事件を明らかにしていく所はとても好みです。一歩踏み出せるラストもとても良かった。読後見る表紙イラストは晴れやかで本当にキラキラと美しく見えました。

  • シネコンに働く正社員でない人々の群像。イブの数時間。数年前の事件が何か、二人に何がという謎解き要素もある。キャラのインパクトがなく、冗長かな。

  • クリスマスイブにシネコンで働く人々の連作短篇集。
    すごく時間をかけ過ぎてしまったのでは、と思う2人に(でも それぐらいの時間は必要だったかな。)
    急展開のラスト。

    シネコンのお仕事や、それぞれのキャラ、そして周りからの捉えられ方が様々で面白かったです。

  • 映画館ではたらく人たちの群像劇。女優になったことその元彼氏のターンがすきです

  • クリスマスイブ、シネコンで働く男女の悲喜交々。

    連作短編。各章の脇役が、別の章の主役になり、それぞれの視点で見る仕事と人間関係が面白かった。

    5年前の事件が気になりながら読み進めましたが、結果5年も引きずることになったことには少しの驚きを感じました。
    あの二人なら仕方なかったのかもと、ラストシーンで納得することにはなりましたが。
    「消えない月」のイメージが強すぎたかも。

    加藤君と女優の話が好きでした。
    また、私も最後はトーキョーは嫌な奴ではないのかもと思いました。

  • ★2.5
    暗い。最後に救いがあって良かった。

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞。13年に『海の見える街』、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる。著書にドラマ化された『感情8号線』、『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは、行けない明日』『消えない月』『神さまを待っている』『大人になったら、』『若葉荘の暮らし』などがある。

「2023年 『トワイライライト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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