DRY

著者 :
  • 光文社
3.08
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本棚登録 : 586
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912604

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ原田ひ香さんとは、ちょっと趣の違う作品だった。
    不倫、離婚、貧困…生い立ちから始まって、負の連鎖がどこまでも続いていく。
    藍の感覚がどんどん麻痺していくのが怖かった。

  • これは、、、。前評判でグロい、エグいとは知っていたけども、原田ひ香さんの本は『三千円の使い方』しか読んだことがなかったからこの作品でグロい文章と表現で驚いた。
    皆さん感想でだいたい『ドライってそっちね』と書かれてますがやっぱり私も同じ感想だった

  • 途中の人体DRYの工程には
    ショックをうけるくらいに グロい場面もあります
    しかし 最後に藍と美代子がみせた
    友情・・・のような絆
    狂気とは ほんのすぐそばにあると思える作品
    原田さんから こんな黒い話が書かれるなんて
    とびっくりしましたが
    大変面白かったです

    • booklog1520さん
      原田さんの作品のうちでいちばんよい作品だと思います。
      原田さんの作品のうちでいちばんよい作品だと思います。
      2023/10/02
  • これは好きになれない小説。かなり早い段階で展開は読めてしまい、必要以上にグロテスクな描写が多く、主人公のパート先もグロさの演出のためだけに選定されている気がする。

  • +++
    北沢藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて家を出た。十年ぶりに実家に戻ると、男にだらしない母と、お金にがめつい祖母がうら寂しく暮らしていた。隣に住む幼馴染の馬場美代子は家族を見送り、今は祖父をひとりで看ている。介護に尽くす彼女は、孝行娘とあがめられているが、介護が終わったその先はどうやって生きていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家には、世間を震撼させるおぞましい秘密が隠されていた。注目の作家初のクライムノベル。
    +++

    タイトルに込められたいろいろな意味を知るにつれ、やるせない思いがどんどん募る。負のスパイラルにはまり込むと、無意識のうちに思考回路の一部が切断されたようになり、これほどまでに選択肢が狭められるのだろうか、と気が重くなる。だが、読み進めていくうちに、だんだん藍や美代子の心の動きがわかってくると、その時選ぶ道はそれが最善のような気がしてきてしまうから恐ろしい。罪に手を染めるきっかけなんて、ほんの一回の歯車のずれだけなのかもしれないとさえ思えてくる。胸の中を冷たい風が吹き抜けるような一冊だった。

  • 実家の母が祖母を刺し留置所にいると連絡を受けた藍。
    離婚していた藍は、そのまま実家に戻り、保釈金をなんとか捻出し母と祖母と3人での暮らしを始める。
    実家の隣では、一人では母と祖母を看取り、今は祖父を介護している幼馴染の美代子が暮らしていた。

    怖い…
    テーマは貧困と介護。
    美代子の選択のどうしようもなさにモヤモヤする。

    藍の貧困が為すものではなく、藍自身の人としての姿に母親であろうとするものが見えないので、藍が子供を引き取れる日は、悲しいけれど来ないような気がする。

    タイトルのDRYは、乾ききった藍の心と、例のアレ。
    アレの制作の様子は、描写から想像するだけで気持ち悪かった。

  • 名前だけ知ってた原田ひ香さんの
    初めて読んだのがこの小説。

    読み終わった時の
    "うわぁ~"これってどうしたらいいの!?と、
    なんとも言えない気持ちに。
    パンチが効いてて思いっきり殴られた感じ(笑) 

    評価の分かれる作品だけど、
    このなんとも言えない嫌な感じ、嫌いではない。
    凄いの読んだって気がする。

    不倫で離婚し子供2人を置いてきた藍。
    実家には良い思い出がなかったが
    結局、お金に汚い祖母と
    男にだらしない母の所に帰ってきた。
    隣家の幼馴染み美代子は祖父の介護をしていたが?
    隣家の秘密を知った事で藍は……


    確かにDRY。

  • 途中グロすぎて早送りで読んだ所もあったほど。

    ずるずると砂の穴に落ちてくように、周りも巻き込んで行く様がすごかった。
    読んでる自分も麻痺して来たのか、精神科で鉄剤貰ってくる件、笑えるって思ってしまった。

  • 貧すりゃ貪する。
    ここまで人間は堕ちていく
    親と子も、祖母も争い〜
    イヤミスよりもっと嫌な気分でー

    どなたかも載せてらっしゃるように
    とにかく早く読んでしまいたかった。

    なんの前知識もなく読んだので
    衝撃が大きかった。

    他の作品はどうなんだろう?

    本文より、
    ねえ美代ちゃん、結局私たちはどこにも逃げられないのかもしれない

  • 初めて読んだ作者の本。
    図書館の受付の女性に、
    「この本、読んだ人、読んだ人、イマイチだっていう本」だと手渡された。
    「この本、面白いよ」と言われるとプレッシャーだけど、そう言われると却って、どんだけつまらないか読んでみるか、という気分で読んでみた。
    多分、最初から斜め読みになるだろう・・・と予想していたらちゃんと最後まで読めた。
    期待値がマイナスだったのが却って良かったのかもしれない。
    でも、確かに癖のある内容で、イマイチだという感覚はよく分かる。

    主人公は離婚して一人暮らしの女性。
    彼女の母親はその母親ー主人公にとっては祖母を殴り、留置所に入れられる。
    主人公は母親に頼まれ、保釈金の100万円を得るために元夫などに連絡をとり奔走する。
    それが縁で実家に身を寄せることとなり、近所の女性とつきあいが始まる。
    彼女は100歳以上の祖父の介護をする女性。
    やがて彼女がいない時に家に入りこんだ主人公は彼女の秘密を知ることとなりー。

    途中からサスペンス調、ちょっと恐い系の話になるのかと思ったらそうでもなかった。
    最初から最後まで読んでいて気持ちが落ち込むような底辺の生活のあれこれを描いている。
    それが退屈で途中で斜め読みにならなかったのは、全てが具体的で分かる部分も多かったからだと思う。
    これはある程度、そういう中に身を置いてないと書けない小説じゃないか・・・と思った。
    リアルで、こういうのが現実にどこかであるかもな・・・とも思った。
    タイトルもバッチリ合ってる。
    正に「DRY」しかないと思う。
    乾いた心と乾いた身体・・・。
    貧しいという事は色んなものを蝕んでしまう。
    正常な感覚でさえも・・・。
    それにしても、かなりグロくて気分悪くなる描写もあった。
    これは読む人によって、かなり大きく好き嫌いが分かれる本だと思う。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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