ひとんち 澤村伊智短編集

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  • 光文社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912659

感想・レビュー・書評

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  • 8編からなるホラー短編集。
    表題になっている「ひとんち」から始まり「じぶんち」で終わる感じが既にもう怖い…
    どの短編集もいろんな意味で怖い話、ゾワゾワする話ばかりでした。
    読者の想像をかきたてて、イメージさせることによってより怖さが倍増する感じがします…(映像や絵がない分、余計に怖くなります)
    夏の蒸し暑い夜に読みたい一冊ですが、実際は怖いので朝もしくは日中に読むことをお勧めします。

  • はじめての作家さんだったので読みやすそうな短編集を借りてみました。ひとんちから始まりじぶんちで終わる辺り、なるほど!と思いました。
    どのお話もじんわり怖くて後味悪い感じが...。他の作品も読んでみたいと思います。
    個人的には、
    *ひとんち
    *夢の行き先
    *宮本くんの手
    *シュマシラ
    がよかったです。宮本くんの手は、もしや?もしや?と思った通りの展開でしたがゾクゾク怖かったし夢の行き先を読んだ夜は、なんだか嫌な夢を見てしまいました。

  • 日常からずれた奇妙な世界観が,
    不安と恐怖をかきたてる。
    ひとんち:家庭常識のズレ
    夢の行き先:席順に移動する悪夢
    死神:押し付けられた災厄
    じぶんち:家族が消えた家

  • ああ、うわぁ、ちょっと、こわい。いい年して情けないけども、日常ホラーはふとした瞬間に思い出して怖くなってしまうから、これはギリギリ。
    澤村伊智さんの有名な「ぼぎわんが、来る」はシリーズものでホラーなんですね。そのうち、読みたいなぁ、こわいかなぁ。

  • ホラー短編集。
    あえてこの中で一番を決めるなら「ありふれた映像」かな。
    本当に街中にありふれている映像って全然見ないものだけど、実はその中に恐怖が潜んでいる、っていう、ありえなさそうでありえそうなぞっとする感じのホラー。

    ちょっとしたズレ、「常識」と思っていた非常識とか、そこはかとない怖さがいい。

  • 最初のひとんちが1番面白かった。
    違和感のあるズレた会話、そのズレが理解ったとき、違和感がズシンくる衝撃と薄ら寒さになって、しかもいい感じに気持ち悪くてとても好みでした。

  • 「比嘉姉妹シリーズ」の短編集としては先日読んだ『などらきの首』があるが、これは同シリーズ以外の作品を集めた短編集。

    8編の短編ホラーを収めている。出来にはかなりバラツキがあり、玉石混交。
    最初の3編があまり面白くなかったので、「やっぱり、澤村伊智は比嘉姉妹シリーズじゃないとダメかな」と思いかけた。

    が、後半の「宮本くんの手」と「シュマシラ」は2編とも傑作だ。
    とくに、「宮本くんの手」は完成度が高い。斬新なアイデア、意表をつく展開、バッチリ決まった見事なラストの三拍子が揃い、澤村伊智ならではの好短編に仕上がっている。

    「シュマシラ」は、タイトルからして澤村ワールド。
    「比嘉姉妹シリーズ」の「ぼぎわん」や「ししりば」同様、〝日本に古くからいた伝説の化け物が人を襲う〟というテイで創り上げられた、ジャパネスクなホラーである(「シュマシラ」=「朱猿」。「ましら」は猿の古名)。
    冒頭の伏線が、ラストでまさかこんな形で回収されるとは……という、「一本取られたな」感が味わえる。

    その2編に次ぐ出来なのが、「死神」。
    いわゆる「不幸の手紙」から発想した、おぞましい「不幸の◯◯」(ネタバレ回避)の物語。

    残りの5編は一段落ちるが、それでもキラリと光る部分は随所にある。
    たとえば「夢の行き先」は、ラストにもうひとひねり欲しい気がしたが、アイデア自体はすごく斬新だ。
    ホラーのサブジャンルに「悪夢もの」というのがあるかどうか知らないが、かりに「悪夢ものホラー」を集めたとしたら、その中でもアイデアの独創性では上位にランクされるだろう。よくこんなことを思いつくものだ。

    あと、一見地味なのに細部が凝っている装幀(坂野公一)も素晴らしい。

  • 得体のしれない不気味なスリルてんこもりな短編集。
    短編でも心が、ざわざわする恐怖を味わえた。
    個人的に特に後味が悪く心に残っているのは、表題作の『ひとんち』『死神』の2篇。

  • 人怖、不可解、異次元系などの短編集でした。
    純粋なホラーを読むつもりでこちらを選んだのですがガッカリもしませんでした。
    全く先が読めずどうなるんだとのめり込んだり、逆にこれは展開が分かったなと思っていたら最後にひっくり返されたり。短編なのに軽くなく1話1話没頭できます。
    今自分がどこにいて誰であるのか忘れるほど入り込ませるこの業。澤村伊智さん好きになりました!

  • 短編7編。
    様々な種類の恐怖を味わえて、なかなか面白い。
    個人的には、最後の作品「じぶんち」が
    一番恐怖と心細さのようなものを感じた。

    この方の短編もいいですね。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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