- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334915049
感想・レビュー・書評
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2022年12月光文社刊。2019〜2021 年に発表のものから30編を選択して、15編ずつ2冊のアンソロジーに収録。先行刊行した陥穽の円舞曲に続く2冊目。選出の巧みさには脱帽。奇跡のような多彩さは豪華に尽きる。楽しめました。1冊目と面白さが、随分と違う(1冊目はイマイチ)のですが、何故だろう?偶然かな。不思議だ。
【収録】
オール讀物 2021年7月号青柳碧人:令和忍法帖天高くアルパカ肥ゆる、小説すばる2020年3,4月号赤川次郎:簡潔な人生、小説新潮2020年5月号芹沢央:弱い者、ジャーロ2020年71(春)号石持浅海:新しい世界で、小説現代2020年12月号一穂ミチ:花うた、ジャーロ2019年67(春)号大山誠一郎:不運な犯人、2021年12月ポプラ社刊11の秘密 ラスト・メッセージ所収近藤史恵:孤独の谷、小説現代2020年5月号真藤順丈:ブーテン、STORYBOX2020年12月号知念実希人:震え、実業之日本社文庫2021年10月刊妻の罪状所収新津きよみ:妻の罪状、文蔵2021年10月号東川篤哉:大山鳴動して跳ね馬一頭、2019年4月KADOKAWA刊偽りの春神倉駅前交番狩野雷太の推理所収降田天:名前のない薔薇、小説野生時代2019年9月号三津田信三:予告画、小説現代特別編集2019年5月号宮内悠介:料理魔事件、週刊新潮2021年12月2日〜23日号4回連載米澤穗信:片恋 -
気になる作家さんの順番に読み進めるという、贅沢な読み方をしてしまいました‼️一穂ミチ→芦沢央→米澤穂信→知念実希人→東川篤哉…。「この作家さんらしいな。」と、安心して読んだり、意外な一面を見たりと、全作品楽しめました。「弱き者」好きです。
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「陥穽の円舞曲」と対になっているミステリー・アンソロジー。日本推理作家協会が三年おきに出していて、今を代表する作家30人の短編から選ばれている。
最初にページをめくると、前書きみたいな部分があって、それぞれの短編の概略や紹介が記載されているので、買う前にパラパラと読んでみるのも良いかもしれません。★は個人的に好きだったお話です。
青柳碧人「令和忍法帖 天高くアルバカ肥ゆる」
現代に生きる奇想天外な忍者の隠密活動
赤川次郎 「簡潔な人生」
エリート官僚が思わず授業参観で思わず放った一言
芦沢 央 「弱い者」★
被災地に行ったプロ棋士が見た才能と境遇、意外な事実
石持浅海 「新しい世界で」
座間味くんシリーズの一作。ある事件からおもいもかけない結末へと繋がっていくのは、焼肉屋の席。
一穂ミチ 「花うた」★
兄を殺害された被害者とその加害者との往復書簡
大山誠一郎 「不運な犯人」★
ワトソン力・和戸宋志が出てくる。バスジャックの話。
近藤史恵「孤独の谷」
親族が孤独死を恐れて散り散りに暮らすことを不思議に思い風土病専門の教授にコンタクトをする女子大生
真藤順丈「 ブーテン」★
これはミステリーではなかったような…。占領下、戦時下の沖縄を描いた作品。
知念実希人「震え」
精神鑑定医影山司の一作。ある交通死亡事故とてんかん患者とうつ病と、様々な病状や状況から真実を暴く。
新津きよみ「妻の罪状」
同情すべき介護者の起こした殺人事件から暴かれる真実。
東川篤哉「大山鳴動して跳ね馬一頭」★
ルイスという馬が名探偵という驚きの設定…。バディは馬と同じ年齢の牧場の娘、牧陽子十五歳。跳ね馬の置物が盗まれた事件を解決する。
降田 天「名前のない薔薇」★
薔薇の品種改良や泥棒が起こすある薔薇の乗っ取りと顛末
三津田信三「予告画」
ホラー。死ぬ前に子どもが書いた絵が、事故を予言しているような絵が存在するように思えて怖い。
宮内悠介「料理魔事件」
料理をして去っていく奇妙な犯罪が頻繁する平和な街で謎解き。意外な結末。
米澤穂信「片恋」
美しい姉と姉のろくでもない結婚相手と、「姉で、その義兄を殺した」妹の話。 -
初読みの作家さんで面白い話が何作かあり得した気分になった。
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『陥穽の円舞曲』に続く二ヶ月連続刊行の第二弾。
今回も名立たる作家15名が勢揃い。
2019年〜2021年に発表された短編作品を厳選したものなので、お目当ての一穂さん、新津さん、降田さんのお三方の作品は既読だったのが残念。
面白かったのは、まだ単行本に未収録の知念実希人さんの『震え』。
以前読んだ『十字架のカルテ』の精神鑑定医・影山司と医師の弓削凛、懐かしい二人にまた逢えた。
交通事故を起こした大学教授の心の闇を暴いていく影山。
その沈着冷静ぶりと人間味ある姿が胸を打つ。
米澤穂信さんの『片恋』も毒々しくて面白かった。 -
15人のミステリー作家が紡ぐ珠玉のアンソロジー。各々の作品に作家の個性が顕著に出ていて、読者の好みが分かれるところである。中には読了済みの作品もあった。『大山鳴動して跳ね馬一頭』推し。
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短い話に個性的な設定やどんでん返し、人物の心情など特徴があり一個一個読み応えがあって面白かった。
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「令和忍法帖-天高くアルパカ肥ゆる-」青柳 碧人
「簡潔な人生」赤川 次郎
「弱い者」芦沢 央
「新しい世界で」石持 浅海
「花うた」一穂 ミチ
「不運な犯人」大山 誠一郎
「孤独の谷」近藤 史恵
「ブーテン」真藤 順丈
「震え」知念 実希人
「妻の罪状」新津 きよみ
「大山鳴動して跳ね馬一頭」東川 篤哉
「名前のない薔薇」降田 天
「予告画」三津田 信三
「料理魔事件」宮内 悠介
「片恋」米澤 穂信
読後、二週間ほど経ってしまったのですが、もうあんまり覚えていないのです。
強い印象を残す作品が無かったってことなんでしょうけど。
そうはいっても、令和忍法帳は面白かったです。が、所収本を読むほどではない。
一番好みだったのは、「片恋」ですね。
いいですね、この救いのないかんじ。