灰色の家

著者 :
  • 光文社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334915223

感想・レビュー・書評

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  • 偶然、老人ホームを舞台にした話を続けて読み、
    そこに暮らす人の生活や苦悩、家族との軋轢、
    介護士たちの献身さと、それ故に抱える負担の
    大きさをまざまざと感じました。

    いつか必ず訪れる“老い”、
    より良い終末は決して独りよがりでは
    迎えられないと思い知らされました。

    ーーーーー
    安心安全を謳う介護付き高級老人ホームで、
    快適に余生を過ごしていたはずの入居者の自殺。

    常駐看護師の主人公の冬木栗子は、
    体調の異変と心の変化に気づけなかった
    ことに強く自責の念を抱く。

    施設内で動揺が覚めらない中、別の入居者が
    失踪し、施設は更に騒然となり混乱の渦に
    陥っていく。

    施設内に暗澹とした不穏な空気が漂う中、
    入所者の行動と動機に疑問を感じた栗子が
    事件を調べ始めると思いもよらない事実が
    次第に明らかになる。

    入所者1人ひとりがそれぞれに抱える悩み、
    家族や入居者、スタッフたちの人間関係。

    閉ざされた環境で本心や本音を隠して
    終末期を過ごす高齢者とスタッフが抱える
    闇を描いた物語。

  • 高級老人ホームで起こる連続「自殺」事件。常駐看護師の栗子と、入居者の元刑事君原がその謎に挑むが…

    殺人事件よりも老人ホームの実情とか経営などが印象深かかった。終の住処として自立して住む分にはいいけど、人間関係が大変そうだなぁと思ったり。犯人の思惑は理解はできないけど、あり得ない事件でもないと思ったり。

  • 介護する方される方の問題を色々と考えさせられる小説。舞台の高級老人ホーム的なところに入所できる人でもなにかしら抱えていて、人間関係のゴタゴタはどこへいっても続くものだと感じた。
    作中の幽霊事件だけが、宙ぶらりんで終わった気がして残念

  • 老人ホームでの連続自殺事件。
    なんかもっとサイコパス的な口のうまいやつがいて自殺を唆してる展開かと思ってたらめっちゃ力技だった。
    焼身自殺の件はいくらなんでも監視カメラがザルすぎないか…?いくら内部犯とはいえ柏木と手塚のことがあった上でそんな…?

    てか主人公の性格が全然好きになれなくて〜!?
    元刑事の君原に自論聞かせに行って思ったような反応が得られなかったからって「この老人を買いかぶっていたようだ」とか失礼な女だな!
    旦那、ほんとに影が薄かったのに栗子の性格をよくわかってて流石だった(笑)そこに妙な感動を覚えてしまった。話も聞いててくれるし、いざというときいきなり君原に当たりつけて相談しに行く行動力があるし。

    というか共犯富川はマジで声出た、「えっ!?富川!?」ってデカイ声出ちゃった。
    盗聴器に関してはもうちょっとフラグ欲しかったなー、「これ木下くんに話したっけ…?まあ話したかも」みたいなのが欲しかった。

  • ある一人の介護施設で暮らしている老人の自殺。
    その後同じ介護施設で起こった連続自殺。
    連続する自殺に不信感を持つ看護師が、元刑事の入居者とともに事件の真相に迫る。
    自殺なのか、それとも自殺に見立てた殺人事件なのか介護施設側と入居者側の心情が身に沁みました。

  • 君原さんの一人舞台…


  • 老人ホームでの自殺の連鎖。
    動機などが弱すぎて最後が物足りなかったなw

  • 老人ホームの連鎖自殺?と思いきや、の連続殺人事件。
    ひょっとして、この人が犯人?って思ってたら、全然違ってたー。でも犯人の犯行の理由が、ちょーっとよくわからなかったー。
    そして、健康寿命の大切さが身に沁みますね…。

  • 著者には母親が介護付有料老人ホームに転居した過去があるそうで、その時に見聞した事例を参考に介護老人の実態を描かいています。とてもリアルで秀逸だと思いましたが、逆にミステリー部分は不自然で首を傾げたくなる部分が多く、納得感は低め。謎解きよりも高齢者の心情が印象に残る作品かなと思います。

  • なかなか人物像が浮かばず、最後まで入り込めなかった。
    殺人への動機もうすーい感じがした。

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著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目の作家。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』『ミネルヴァの報復』『消えた断章』『罠』など多数。

「2023年 『欺瞞の殺意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

深木章子の作品

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