海猫宿舎

著者 : 長野まゆみ

• 光文社 (2000年11月1日発売)

作品紹介・あらすじ

岬はずれの小さな燈台。片脚の海猫は飛び立ち、船は霧のなかに浮かぶ-。秋から冬へ、少年たちに訪れる静かな奇蹟。

感想・レビュー・書評

[solala06さんの感想 · 2024年3月26日]

療養施設で暮らす少年たちって設定、よく考えなくてもあまりにも長野まゆみだったな…

[Jasmineさんの感想 · 2023年4月15日]

とても透明な物語。
それでいて、少し潮の香りがする。
療養地という閉鎖的な空間で過ごす
10〜12歳の少年たちの冬の入り口の話。著者の近年の作品では同年代の子よりも数倍大人びていて、人生を達観しているが、この話の少年たちは年相応。
勝手で自尊心もあって、葛藤もするのが、体温を感じさせる。
この世のものならざる者も出てくるけど、決してホラーではなく、そんな人たちも優しい人ばかりなので読後はとてと暖かい気持ちになれた。

[和泉さんの感想 · 2022年6月8日]

表紙がすごく好きな作品
そもそも長野先生の絵が好きで最初読み始めたので、最近先生の絵が見られなくなって残念
海辺の小さな療養所に青い目の新任の先生がやってくる話
姿の見えないイヴン船長、片足の海猫たち、古い灯台
大人もこどもも海猫も、誰も彼も完全にひとりで立てるわけでなく少しずつ助けられて立ち上がって旅立っていく
マフィンがすごくおいしそう

[櫻うさぎさんの感想 · 2018年7月21日]

久々に再読～。

透き通った硝子のような文章が読んでいて心地よい。

ハードカバーの装丁も好き。

[nassunさんの感想 · 2017年2月12日]

不思議で閉鎖的ですこし儚げで、童話的。
内容も厚くなく、さらさらさら〜っと読める。多くは語らず、雰囲気をたのしむ本だと思う。

[花さんの感想 · 2016年2月16日]

「公平というのはそういう意味ではないよ。わかるかい。その時と場所によって相手の立場を理解することなんだ。」
(P.138)

小さな燈台で暮らす新任の先生と『海猫宿舎』で病気の療養をしている生徒たち。それぞれが違う症状や悩みを抱えながらも成長して、冬を迎えていくお話でした。

ユンクとリリンが海岸へ向かう途中、手を繋いで仲直りをした場面が可愛かった…。

表紙や装丁も、とっても素敵！！
片脚の海猫の挿絵も見所。

[よだきんぼさんの感想 · 2015年10月15日]

2002.10読了。

[morimoriさんの感想 · 2015年9月18日]

療養が必要な子供たち。少年たちが喧嘩したり仲直りしたりするうちに成長し、病気も治っていく。
読後感が良い。

[mimmさんの感想 · 2014年12月16日]

再・・読。訳あり少年たちの暮らす海猫宿舎。冬を迎える前、新しい先生が訪れる。少年同士の反発やいざこざ、もつれた糸が解けた時の、新しい季節の訪れ。大切な人を見守る、暖かく不思議な存在。
ほっこりとした読後感に包まれる、ファンタジーです。
装丁がまた美しい。ポストカードで欲しいくらい。

[よっぱらりさんの感想 · 2013年5月14日]

子供の心理描写がリアルだな～。
自分だけの友達が欲しい、この子には負けたくない。
でも、長野さんの文章でこれを書いてもドロドロした感じにならないのが不思議。
マフィンがすごくおいしそう

著者プロフィール

長野まゆみ（ながの・まゆみ）東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」