悪党たちは千里を走る

著者 :
  • 光文社
3.42
  • (18)
  • (58)
  • (90)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 318
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924683

作品紹介・あらすじ

真面目に生きることが嫌になった3人が企てる、「人道的かつ絶対安全な」誘拐-?『慟哭』の著者がユーモアとスピードたっぷりにおくる、誘拐ミステリの新境地。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貫井徳郎さんの本は3冊目。
    これまでの重い作風と違い少し軽い気持ちで楽しめた。
    悪徳商法でもうけた成金でも詐欺師に欺されるんだね。
    褒められたやり方ではないが巧君の動物愛護の気持ちは純粋で救われる。

  • 詐欺師の高杉と園部は、ひょんなことから誘拐事件に巻き込まれる。手を組むことになったのは、美人詐欺師の菜摘子。
    当初は自分たちが、誘拐された巧本人と企てた誘拐事件だったはず。
    それを、姿を見せないジョンと名乗る男に、横取りされた形で片棒を担ぐことになる。
    巧を助けるためには、自分たちで身代金を手に入れないとならない。無事、助け出すことはできるのか。身代金の行方はいかに。

    著者の作品は『慟哭』以来。
    あまりにも違う作風に、驚かされましたが、軽いタッチのコメディで、面白く読みました。
    主人公の高杉が、いい感じにぬけていて、魅力的。
    気の強い菜摘子、切れ者の巧、完全なる舎弟タイプ園部、このメンバーでの、次回作が読んでみたいなと思いました。

  • 貫井徳郎さん、二冊目。
    前に読んだものとは、雰囲気から何から違って驚く。


    セコイ商売をしている2人組の詐欺師、高杉とその舎弟園部。
    偽のリトグラフを売りつける、菜摘子。
    因縁の仲である詐欺師たちが、犬の誘拐に目を付けた。
    ところが、それに気づいた飼い主の少年、巧が狂言誘拐を持ち出して…。

    犬の誘拐なんて言い出した時には、絶対許せない!と怒りを覚えたのですが…、詐欺師なんだから、悪人は悪人なんだけど、後ろ暗い事をして儲けた人から盗るとか、人を傷つけないとか、仕事にも一定の美学がある様子。何とも間抜けなところもあって憎めない男たち。
    読んでて痛快でした。
    でも、あまりにも警察が木偶の坊すぎでは…?

  •   愛すべき悪党たちの話で、お金もとれてスッキリする話だった。
     犬に始まり犬に終わった。そして、高杉の弟分園部は、忠犬ハチ公みたいで、かわいい弟分だった。
     巧君も生意気なようでかわいい。

  • ダメな詐欺師と小学生と誘拐の話。最初あれ?これ読んだ事あったかな?と感じる、良くある話だからだろうか。でもテンポが良く読みやすいので、サクサク進んだ。軽く読め爽快感もあるので、気分転換に良い。

  • 憎めない小悪党たちが子どもに手玉に取られる話。
    これまでに読んだ貫井作品とはちょっと違って意外だった。

  • ゆるい感じ

  • 人の良い詐欺師コンビに美女が加わり
    そこに頭の良いお金持ちの息子が加わり
    狂言誘拐を計画する。
    計画中に突然 その小学生が誘拐される
    なんの縁か その小学生を助け出す事になり
    話が進んでいく。
    結構バカらしいけど 楽しめるかなぁ

  • 貫井氏の作品にしては珍しいハートウォーミングな軽犯罪小説。誘拐だから軽犯罪じゃないけど。奥田英朗氏と伊坂幸太郎氏の共著のような味わい。真骨頂ではないけどリラックスして読めました。やはり文章は上手い。

  • 悪党には違いないんだけど、どこか間が抜けていて、お人好しで、憎めない詐欺師3人組。

    金持ちをカモにしようとすれば邪魔され、犬を誘拐しようとすれば、子どもにその計画を見抜かれる。

    そんな3人のやりとりにクスッとしたり、スピード感ある展開に、結末まで息つくひまなく読み通してしまった。

    これぞ、エンターテイメントだ。

全64件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貫井徳郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×