狼花 新宿鮫IX

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 522
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925185

作品紹介・あらすじ

地獄を覗かされ、日本を捨てた国際犯罪者・仙田。外国人犯罪を撲滅するため、限界を超えようとするエリート警官・香田。どん底からすべてを手に入れようとする不法滞在の中国人女性・明蘭。自ら退路を断ち突き進む男女の思惑と野望が一気に発火点に到達した時、孤高の刑事・鮫島が選ばざるを得ない「究極の決断」とは?理想と現実、信念と絶望、個人と社会、正義の意味、そしてこの国のありようが、骨太かつスピーディな物語に溶解していく。ターニングポイントとなるシリーズ最大の問題傑作、光文社初のハードカバーで登場。

感想・レビュー・書評

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  • ますますページ数も増して濃厚な警察小説になってきた。
    話しの大筋はシンプルだがプロットは精緻を極め、宿敵ロベルト村上が作る新たな故買システムとそこに利権を見出す暴力団、それに絡む香田との確執という、4つ巴の争いがそれぞれの立場から克明に描きこまれる。

    背景に外向人犯罪者増加の問題や警察機構の矛盾などもぎっしり描きこまれて読み応えがある。
    あくまでも主人公たちは日本人ながら、新宿というもはや多国籍(無国籍?)化した街が背景ゆえに登場人物も多彩になってきている。

    今作はシリーズを通しての村上との決着、そして香田との今後の関係、ほとんど登場しなくなった晶との関係などを含め大きなターニングポイントになっていきそうだし、日本最大の暴力団侠友会との確執も続きそうで楽しみ。

  • 刑事・ヤクザ・中国人・刑事・ヤクザ・外国人です今回も。
    国際的なんだけど狭い範囲でディープ。

    鑑識の藪がドラマ「相棒」の鑑識米沢のキャラになって浮かんでしまうのは私だけでしょうか?

  • 久し振りに「新宿鮫」シリーズを読んでみましたが、内容が随分と社会的になり、鮫島も大人になったなぁという印象。かつては奔放な生き方が作品のアクセントになっていた晶も本作では殆ど登場せず、すっかり脇役になりました。
    これはこれで面白いのですが、無茶苦茶に暴れる鮫島が懐かしいと思ったりもして、ちょっと微妙な読後感でした。

  • 久しぶりに読んだ新宿鮫シリーズ。
    考えてみたらずっと読み続けていたんだけど、しばらく忘れてた。そして何だか寂しい話だった。
    昌と距離を置く鮫島、愛して育てたつもりが擦れ違ってしまった男女。
    次の作品を読む気が起きないのは何故かな・・・

  • 濃密、でもどこもちゃんと面白い

  • 2022/7/18読了(再読)
    初読は'06年。改めて読んで、これは鮫島と仙田(間野)の因縁の決着の物語というよりも、明蘭の女として人間としての個を確立しようとする戦い物語だったのだな、と思った。

  • うーん、残念。香田も間野も居なくなった。確かに古物市場や、外国人犯罪を排除するための警察と893との共闘に対するストーリーは、興味深かったけれど、それよりもこのストーリーの為に、893が生き残って、あの二人がいなくなったことの方が残念でした。次の本では、生き残った893に対して復讐が行われるのでしょうか、楽しみは楽しみです。

  • 2009.4.26

  • 新宿鮫Xを糸井新聞で読んだが、狼花の内容を全然覚えてなくて、再読(香田の辞職さえ忘れてた)
    新宿鮫は安定して面白い。

    2020年11月14日再々読

  • 久しぶりに新宿鮫を読んだ。
    初めのモヤモヤした感じが徐々に繋がっていき、ラストへ進む疾走感を久々に味わった。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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