彼女のしあわせ

  • 光文社
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927080

作品紹介・あらすじ

女に生まれたことは、不幸だろうか。長女-独りで死ぬと決めてマンションを買った。次女-幼い娘を部屋に閉じ込めてブログを書く。三女-姉たちに話せない秘密を抱えて結婚した。母-姑の召使として生きてきた。女の幸せを問う、三姉妹と母親の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「凪子の空」
    未だに残る傷跡は。
    全てを知ったうえで家族になったのに、負い目に感じることはあったとしても本人たちが気にしてないのに口出しすることではないだろう。

    「月子の青」
    リアルとネットは。
    充実した生活に憧れていたからこそ見栄を張ったブログを書いていたのだろうが、それが必要なぐらい追い詰められていたのではないのか。

    「征子の道」
    唯一独り身の長女。
    しっかりしているからこそ余計に頼りにしてしまうのだろうが、合鍵を渡しているとはいえ連絡もなく勝手に部屋にいるのは流石に嫌だろ。

    「佐喜子の家」
    理解出来ていない。
    何年も帰省しているのであれば、赤の他人である妻が休む暇もなく働いていることに対して少しでも違和感をもったことすらないだろうな。

    「征子の海」
    無理に飛び出した。
    あんな状態で体調不良を伝え休んでたとしても、何かあった時に気付いてもらえるまでの時間を思うと野外で倒れてよかったのではないか。

    「月子ちゃんへ」
    せっかく貰ったが。
    手紙を読んで一番に想うことは、何故そんなに大事なことを話してくれなかったのだという感情がぐちゃぐちゃになるようなことだろうな。

  • 女性って男性と違って結婚するしない 子供持つ持たないで人生全くちがうものになるなぁと改めて感じた
    何が幸せなのか 人それぞれだが
    みんなそれぞれの道で納得のいく人生を歩めればいいなぁ

  • 姉妹ってこんな感じなのかな。
    最後手紙で終わるとこが好きだった。

    本当に欲しいものは手に入らない。欲しいものを求めているばかりでは素通りしてしまったかもしれないこと。考えさせられたな。

  • たまりにたまった父への不満から家出をする母、一生独身で生きようと仕事に邁進する長女、子育てのストレスからネグレクトすれすれでブログ作成に没頭する次女、幸せな結婚をしたけれど子どもを産むことが難しい身体の三女。この家族ひとりひとりの物語。

    私はブログはやらないけれど、次女の気持ちが痛いほどよくわかる。みんな一見しあわせそうで、でも実はいろいろあって。事件のような大きなことは何も起こらず、何気ない毎日に起きる小さな出来事の話。夢中になるほど面白いわけではないんだけど、こういうの私はけっこう好き。

  • 女の幸せってなんだろう。

    専業主婦でも
    独身でも
    結婚して子供がいても
    夫婦2人で生きていく決心をしても

    幸せと感じることもあれば、なんで私がこんな目に…と思うこともあるんだろうな。正解はないし、みんな模索しながら生きていくのだろう。

    自分は長女だし、まだ結婚していないから征子さんに感情移入してしまいました。母からの相談や愚痴を聞いているのは父でもなく妹でもなく、いつも自分だなと。それが疲れてしまうことの方が多いのに拒めないのは不思議。

    まだ人生は長いから、毎日少しずつ楽しいことを見つけて生活していきたいな。

  • 三姉妹+母 それぞれの視点から書かれた話。
    特に何があるわけでもなく。
    最後にちょっと関係性や考え方がポジティブになって終わる。

  • 久々に一気読み。次女の月子に自分が重なり、深く入り込んだ。また私は一人っ子なので、姉妹三人の距離感を羨ましく思い、また母の立場にもなりつつある今、それぞれの登場人物に感情移入してしまった。ということで、あっさりだけど初コメントしてみました。

  • 女ってほんと、いろいろ大変。
    でもその大変さを楽しめるのも、
    女の特権でもあり。
    こういうの好き。

  • 子供を産めない身体の新婚な三女、育児に疲れブログばかり書く次女、美形で百貨店の仕事に生きる独身の長女、マザコンの夫に嫌気がさして家出した三人の母、が濃やかで、でも滅入らなくて、柔らかくて瑞々しくて心地好かった。ナンパに震える三女に親近感。母にあれこれと家仕事を命令する義母があまりにひどくてショック。

  • 既婚、未婚、離婚、別居…様々な立場の人がいて、それぞれの形のしあわせがある。政治家に「生産性」の話なんかされちゃうと、個人の幸せって求めちゃいけないの?って罪悪感を植え付けられそう。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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