神の子 下

著者 :
  • 光文社
3.76
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929589

感想・レビュー・書評

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  • 緻密な人間関係で盛り上がってきても、いかんせん所々に手抜きかよ…とツッコミたくなる安易な心情や展開が差し込まれるのが冷めてしまう要因。脳細胞の何処かが壊れているとしか思えない凶悪犯が、妙に情にもろいシーンがあったり、都合のいい人物が登場したり。内藤が弁護士に町田の今をペラペラ話すとか、楓にミノル探しのきっかけを与えてしまうとか、ミノル探しの為の楓のSNSの利用法とか、楓1人で日暮時にホームレスの男に着いていき予想通りに襲われる展開とか。常識を疑うほどにありえん。雨宮がミノル探しを継続する理由も、「乗りかかった船」だからなんて、説得力弱っ。
    とは言え、長編をモノともせずあっという間に読み切らせるのは、取り上げる題材が自分にとって興味深いからなんだとは思う。薬丸さんの、罪に対する贖いの落としどころが気になる間は、薬丸ワールドしばらくひたりそうではある。

  • それぞれに違う理由で不幸な生い立ちを持つ登場人物達が、最後は収まるところに収まり、気持ちの良い終わり方を迎えている。上巻で風呂敷をかなり広げているので、下巻でどのようにそれを折り畳んでいくのかと興味深く、読みながら少しずつ判明していくそれぞれの過去に、自然と読むスピードが上がっていった。
    自分の気持ちや利益を最優先にする限り、いくら卓越した能力があっても本当に大切なものは手に入らないよといった内容を長く丁寧に語っている、軽やかな作品だった。

  • ポンポンと進んだ上巻。
    下巻を読むにつれ、ラストはハッピーなのかバットなのかドキドキ。
    でもラストの畳み掛けの所が少し弱かった気がする。
    あれ?みたいな。失速感があった。
    それまでが面白かった分のギャップが。
    でも町田にとってはいい終わり方だったから★3にする。

  • 町田の過去、そして仲間や感情を持つようになった変化がとても力強く描かれていて、そして町田だけでなく全ての登場人物の言動が伏線ではないが、すごく意味のあるものに感じて面白かった。
    ただ、最後のムロイさんとの決着がさっぱりしすぎていたのと、楓や為井、内藤がムロイさんを追う流れが少し強引すぎないか?と思った。
    雨宮、、。あんたかっけぇよ。姉さんのために尽力している姿に心を打たれた。あと夏川に関しては最後の最後でまさかすぎた。最後まで読めない展開で、上下巻ともにすぐ読み終わってしまった。木崎は許さん。

  • 盛り上がった前半をどう決着させるのか楽しみに読んだけど、やや物足りない印象。
    風呂敷が広がりすぎたのか、登場人物の掘り下げが足りないので読後の充実感が今一歩。
    柳葉敏郎さんしか思い浮かばないラスボスが、どうしてそんな恐ろしい人間になってしまったのか全く理解できないし、世界を変えると言う話はどこへ行ってしまったのか。
    主人公がいつどこで居候先の女の子と心を通わせたのかわからないし、ヒーハーと叫ぶイメージしか沸かないあの良いキャラがそのあとどうなったのかもわからない。
    落とし所が小説自体の中でわからなくなってしまったような最後を迎える姉と弟や、変人発明家の結婚相手など、そもそも登場する意味があったのか疑問なキャラもチラホラ。

    とはいえ、続きが気になって長さは感じず楽しく読めました。また次の作品にも期待。

    追記。「華原」さんは笑わせにきてるとしか思えない笑

  • 上巻の展開の感じからして大きな対峙は避けられないと思っていただけに終盤になってあっさりしていたような。特に雨宮姉弟や夏川、室井の心理は会話や状況で察するように書かれていて、思考や心理は想像していたより深く説明されていなかったので。ともあれおもしろかった!

  • 孤独で悲惨な子供時代を生きて詐欺に加担し少年院に入る。暗い人生だがそれをあまり感じさせない。主人公には並外れた記憶力があった。読み進めるうちに彼にはやく幸せになって欲しいと思うが波乱の人生は続く。

  • 結局みんななんだかんだ良い雰囲気で
    木崎も正直何したかったか⁇って感じで
    雨宮のシスコンも今ここで?
    って感じだったけど最後まで一気に読んで
    楽しめた。
    和光で殺してたのね〜!
    治安悪いわね〜!

  • 最後は落ち着くところに落ち着いた、という感じ。

    戸籍を持たなかった少年も
    「ふつう」になったのかな・・・。

    最終的にこじんまり。

  • 2017/4/14

    上下巻、約900P。長かった分たくさんの人が出てきたけれど案外スッと読めた。
    読んでいないときも「この危機どう回避するのかな」「あの子怪しいな」て考えてしまう。読み終わっても考えちゃう。

    終盤ページ数が少なくなるにつれ、この枚数で終わらせられる?!まとまる?!て不安になった。

    楓も教官もポンポンとスムーズに情報を得るわりに、雨宮は大変だったな。雨宮パートが一番読む速度上がった。


    18まで戸籍がなかったIQ161以上の孤独な天才と、巨大な闇の組織。

著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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